キッズキャンプやればいいじゃん!地域で作った事業で一番うまくいったかなー
遠方のとあるキッズキャンプ団体を立ち上げた方が2年半ほど前に私に教えてくれたことです。
キッズキャンプとは主に小学生や中学生の子どもだけで参加する宿泊自然体験のことをさしています。皆さまも1回は参加したことがあるのではないでしょうか。
私自身も小学生の頃に民間のキッズキャンプに参加したことがあり、満天の星空や友達と泊まったことを今でもよく覚えています。。
キッズキャンプやってみたら?と言われた時、私はなかなか制約の多い施設運営に行き詰まっていた中だったので、イベントだったら全部やりたいこと伝えたいこと詰め込める!とすぐに開催を決めました。
それから様々なリスクマネジメントの講座を受講し、他団体のキャンプにスタッフ参加させてもらい、仲間を集めてなんとか1回目の開催ができたのが2年前。
なんと心が喜んだことか!!自分が楽しんだ石鎚の自然をたくさんの子どもたちと共有できたことろに心底喜び、もっとやりたい、もっとたくさんの子どもたちと遊びたいと思いました。
そして今日まで10回ほどキッズキャンプを主催、他団体のキッズキャンプにも10回ほどスタッフ参加し、また施設としてもたくさんのキッズキャンプを受け入れてきました。(うちのキッズキャンプページ)
しかしやればやるほど疑問やモヤモヤが膨れ上がりました。
業界には何年もキャンプを主催している諸先輩方ばかりですが、自分のキッズキャンプ歴の強みは施設やスタッフとしてたくさんの団体のキャンプの中身を知っていることです。ここまで横断的にキッズキャンプをみる機会がある人は少ないと思います。全く違う世界で生きてきて突然新規参入するという人もほぼいないです。
そこで気が付いたことが、
キッズキャンプ業界の厳しさと情報の不透明さ
でした。
間に合わず・・・
こんにちは。石鎚山の麓のキャンプ場「石鎚ふれあいの里」の管理人を務めています、田村です。
締め切りは11月23日、前3名の方の投稿が遅れているのをみて、私は絶対間に合わせるし、と当日までは考えていました。間に合いませんでした。本当にどうもありがとうございました。
コラムは3本目、この時期に書くとその年の総括っぽいものが自然とでてくるので毎年勝手に定例化しています。
さて、今回のコラムではキッズキャンプについて、どんな種類があるのか、どういう目線で選ぶべきかという視点で書いていこうと思います。
キッズキャンプは私の大切な事業になった一方で、課題だらけの業界に思うところが多く、今まで経験したり調べたことをまとめたくなりました。
そういった記事が世の中には見当たりません。
子どもを様々なキャンプに参加させて、それぞれがどうだったかなんて記事をわざわざ書こうとしてくれる人はいないからだと思います。
また、愛媛は需要に対して供給がおいついておらず、学校にチラシを配布するとほとんどすぐに定員いっぱいになります。事業者側から積極的に発信するメリットがあまりないと感じました。
加えて子どもたちはきっとどのキャンプに参加しても楽しかったと言って帰ってきます。たくさんの経験をして帰ってきます。しかし中で何が行われているかは子どもたちにしか分かりません。実際に現場を見ていない親御さんに情報は伝わりにくいんです。
子どもたちが楽しいと言っているからOK、といえばそれはそうなのですが、どのキャンプに参加したら一番子どもたちに合っていていい成長に繋がるのか、どんなキャンプが世の中にあるかしっかり把握してもらった上で選べる状態になるといいなと思います!
という私もまだまだ勉強中ではありますが、さわりだけでも書いてみます。
いずれは愛媛のキャンプ事業者さんで一堂に会して連携し、一覧でみれるサイトでもつくれたらいいなあと思うところです。
あ、前提の様に話していましたが、キッズキャンプって子どもにとっても親御さんにとっても大きな財産となる素晴らしい経験になると思います。いい経験とは何か、みたいな話は哲子になってくるので今回は割愛させていただきます!
キャンプの主な種類
キャンプの種類は様々で、
・1週間~1か月程度の登山やロングトレイル、無人島生活など行う冒険キャンプ
・1泊~4泊程度の自然遊びキャンプ
・学童やスポ少などの普段活動がある団体の自然体験キャンプ
・学校行事の野外活動
などがあります。主に冒険キャンプと自然遊びキャンプについてが今回のテーマとなります。
登山やロングトレイル、無人島生活など行う冒険キャンプ
1週間から10日かけて、自給自足に近い生活やロングトレイルなど、ハードだけど心身ともに大きく成長できる機会だと思います。
親御さんとしても子どもと長期間離れることになりますので、心の面で試される機会になるかもしれません。
人生を変える大きな経験となるでしょう。ただし自然遊びなどを全くやったことがない、好きかどうかも分からない子はいきなりの参加はおすすめしません。
費用面では無料のものから数十万円のものまで様々です。面接が必要になるパターンもあります。
愛媛では歴史も長い無人島泊を含む9泊10日のキャンプが有名かと思います。
最近では松野町や今治でも実施されている方がいらっしゃいます。
1泊~4泊程度の自然遊びキャンプ
1泊~4泊程度の自然遊びキャンプは最も幅が広く、サマーキャンプは特に多くの団体が主催しています。うちもこの類です。
内容は本当に様々です。飯ごう炊飯やテント泊といった野外活動をするところもあれば、詳しい内容は決めずに海で好きなことができるキャンプ、冬になれば雪遊びキャンプ、スキーキャンプなどもあります。
初めてでも参加しやすい内容であることが多いです。
キャンプの中ではバラエティに富んでいる領域ですので内容の違いはもちろん、方針の違いが非常にでやすいと思います。
愛媛では内子、松山、今治、西条(うちです)、で年間を通してやっている団体があります。
サマーキャンプだけとなると、松山で複数の団体が募集をしています。
選ぶポイント、違いが生まれるポイント
教育方針(主催者がどんな人なのか)
最も違いを生みだしている点はやはり主催者がどんな人なのかということ、そしてその人の考え方や思いです!
主体性、社会性、生きる力、非認知能力などなど、自然の中での活動は様々なメリットがあります。
実際にキャンプの募集ページではそのような言葉を使ってキャンプの魅力を説明しています。
しかしそれはあくまで「キッズキャンプ」が持つメリットの話で、他の団体のキッズキャンプとの違いではありません。
その団体がどういうキャンプ行っているかはそのキャンプの責任者や団体の代表がどのような思いを持ってやっているかに尽きます。もっといえばどんな人生を歩んできたかです。
キッズキャンプの中はひとつの社会です。何をよしとして何をダメとするのかというキャンプ内社会のルールは主催者が決めます。スタッフもその方針に従って子どもたちに声掛けをするので、子どもたちにもルールは浸透します。
例えば、集団行動に重きを置くか個人の行動を尊重するかで声掛けはかなり変わります。
やろうと思えばどんなルールでもつくることができてしまうだけに、主催者が何を思っているかが大事すぎます。冒険系では事前説明会などがあるのでこのあたり読みやすいですが、短期間のキャンプではなかなか見えてこないことも多いです。
ということで、主催団体が他に事業を行っているならどんなことをどんな方針で行っているか見てみるといいと思います。
申し込み前に吟味することはもちろん、申し込み後は主催者とLINEや電話でやりとりができるので、そこで詳しく聞いてみるのもありだと思います。
どんなスタッフがいるのか
主催者の次はスタッフ。結局は人の世界だと思います。
スタッフ数やどんな人を配置するかは非常に方針がでるところですのでよくみるべきです。
多くても子ども7人対して大人1人の割合のところが多いです。うちは子どもに合わせたサポートをするキャンプなので子ども3人に対して大人1人です。
どんなスタッフがいるかも大事です。教育学部の大学生が参加するところは結構多いです。スタッフの中にアウトドアガイドや保育士や看護師を経験している人がいると安心感があります。
子どもたちにとっては学校や習い事の先生と家族以外の数少ない大人のサンプルになります。それだけに関わるスタッフは大事です。
参加者の人数
冒険キャンプ系は10人程度~多くても20名くらいのことが多いです。人数が多くなるほど集団行動に重きを置く傾向は強くなります。
キッズキャンプ大変やな
自然の勉強、リスクマネジメントの勉強、子どもたちとの向き合い方の勉強、実践経験、企画、スタッフ集め・研修、集客、施設や移動先の関係者との連携、準備、運営、片付け、そして何より大切な子どもたちを預かるという大きな責任、まさに自然の総合格闘技といった幅広いスキルが求められる仕事です。
大事なのは人ですので自分が動けなくなったら終わりですし、スタッフで体調不良者がでたり緊急用件でこれなくなったりするととこれまた大変です。(多くの自然体験がそうです)
しかしその見返りとしてスタッフが得られる収入は少なく、子どもの為というやりがい、スキルアップになるという部分が大きいように思います。
現場はスタッフ全員分の人件費を払うと事業として成り立たないので、専属スタッフは2~3名で、あとはボランティアの大学生に入ってもらうという団体も全国をみると多いです。ボランティアももちろん大変です。
ゆめ基金などの補助金を活用すると申請手続きがめちゃくちゃ大変なうえに利益を出すことはできません。事業として伸ばしていくには、参加費を上げるか、一回の子どもの参加人数を増やすか、無償で働いてくれる人を増やすというかなり苦しい選択肢がパッと思いついてしまいます笑
ホールアースやYMCAといった大手のような素晴らしい体制とブランドを構築し、年20本~50本ほどキャンプを実施できるようになれば、専任でご飯食べられる人を数人おけるという世界だと思います。
しかし年間数十本のキャンプを実施できる人は化け物だと思います。1回でも相当スタッフは疲れます。体力と気力がすごいです。家庭がある人は休みの日に開催するわけですから自分の子どもをさしおいてという人もいます。
かくいう私たちも今までやってきたのスタイルではいつか続けられなくなるという結論に至り、参加費を上げて人数を少なく受け入れる運びとなりました。どういう形式なら継続しやすいのか、模索中です。
東京では新宿集合解散で同じ期間でも倍以上の料金をとるキャンプもあります。うちのキャンプは今回2泊3日36000円という設定ですが、その設定にすらだいぶ苦悩したのに都会では77000円とかでも気軽に参加させられる人がいることにびっくりです。そんなもんなんでしょうか?
キッズキャンプのような体験ができる宿泊施設にするか
キッズキャンプをやり続けることはあまりにも大変だと思ってしまします。しかし石鎚ふれあいの里がキッズキャンプのような体験をいつでもできるキャンプ施設になることはできると思っています。
ということで来年度に向けて日帰りでも宿泊でもより自由な自然体験をできる施設に変えていきます!
いずれは日中託児で自然体験をさせつつ大人はゆっくりできるみたいなこともできたらなー。
施設としてはかなり転換点を迎えていると思います。数年以内にどでかい報告ができるように頑張ります。
さいごに
ということでいかがだったでしょうか。今回は本当にさわりのさわりの部分ですし具体の事業者名は出していませんのでふわっとした感じになってしまいましたが、勢いよく書いてみました。個人の考えや偏見を多分に含んでいますので、考えるきっかけ程度に思っていただけますと幸いです。
ところで、
こどもでなくても自由なキャンプを楽しみたいという方へ、なんと明日11月25日、26日はたてヨコメンバーと極寒キャンプをしますので是非ご参加いかがでしょうか。
最低気温1℃、極寒のなかでデカい火とサウナをやりあげます。
おととい雌鹿を1頭捌いたので、鹿肉山ほどあります。焼きましょう。