たてヨコ愛媛の事務局をやっていますと、えひめのいろいろな社長さんとご一緒させていただく機会に恵まれます。今回は、私なりの視点でその社長さんたちを紹介したいと思います。お付き合いください。
サイボウズ株式会社：青野 慶久 社長
この方は私がここでご紹介するまでもないでしょう。今や日本を代表する名経営者であり、メディアで青野さんを見ないことはないくらいです。
サイボウズと言えば働き方改革の最先端を行く会社で、それゆえ採用の倍率がとても高いと聞いています。待遇とか仕事内容もありますが、なんと言っても“働き方の柔軟さ”や“社員を尊重する社風”に惹かれてくる人が多く、それを作り出しているのがこの青野社長です。
オンラインランチミーティングやたてヨコオンラインイベントでご一緒したことはありますが、一言一言が本当に含蓄のあるお方です。例えば、以下のような非常にぐっとくるメッセージをいただきました。
「『女性の社会進出を』とかいうが、社会進出が必要なのは男性だ！家と会社の往復しかしていない。そのような働き方では今後通用しない。」
「たてヨコ愛媛は『未来の学校』みたいな存在じゃないかと思う。全員が先生であり生徒である。問いはあるが答えがない。」
誰もが憧れるサイボウズ社。たてヨコにも久保さん、三浦さん、伊藤さんなど素晴らしい方々がいらっしゃいます。この人たちを見れば、この会社がいかに素晴らしいかわかると思います。
株式会社ダイキアクシス：大亀 裕 社長
愛媛でダイキグループを知らない人はいないかと思います。その創業者である故・大亀孝裕氏は1958年に大亀商事を起業され、一代で一部上場企業へと成長させました。昨年(2021年)、89歳で永眠されました。
ダイキアクシス社は大手ホームセンター「DCMダイキ」とともにダイキグループの両輪ですが、水処理事業を中心とした「環境保全」をパーパスとする愛媛の誇るべき会社です。社長の大亀裕氏は創業者大亀孝裕氏のご長男で、2005年より社長をなさっています。
環境への取り組みが世界レベルで、現在脱炭素で注目を集めているバイオエネルギー(Dオイル)の開発に2002年から取り組んでいたり、浄化槽事業で発展途上国への衛生状況を改善したり、まさにSDGsへのど真ん中の取り組みをされている素晴らしい企業です。
私自身はまだ裕社長とはお会いしたことはありませんが、そのご長男であり専務取締役の裕貴氏がたてヨコ愛媛のメンバーです。この裕貴氏、今年30歳という若さなのですが、落ち着きと志が神レベル(コラム参照ください)。こんなに熱心に読書して、勉強している30歳を私は他に知りません。私利私欲ではなく、世界中の環境保全に役立ちたい、という使命感にあふれた青年です。こうした生き方考え方は、社長の裕さんの薫陶を受けてきたからだこそだと思います。
このような社長や専務のもとで働いている皆さんは、本当に幸せだと思います。
※ジーンクエストの高橋祥子さんが社外取締役だったんですね！
住友重機械イオンテクノロジー株式会社：月原 光国 社長
愛媛・新居浜と言えば住友グループ発祥の地ですね。その住友グループの一員である「住友重機械イオンテクノロジー株式会社」は半導体製造の過程で必要なイオン注入装置を製造販売する、世界でもトップクラスの会社です。
2020年にこの会社の社長に就任されたのが、月原光国さん。この方は本当にすごいです。技術者・経営者としてのご実績は申し上げるに及びませんが、特筆すべきは「こころを揺さぶり、熱い爪痕を残す社員研修」と言われるDAISプロジェクトの生みの親であるということです。2022年段階で、4年にわたって数十社、数百名の方々のこころを揺さぶり続けています。
月原社長は人材育成に関して大変熱い思いを持たれており、形だけの研修やCSR活動ではなく、本当に社員が成長して地域に貢献できる活動を、という思いからこのDAISは生まれたそうです。
その一方で、大企業の社長さんでありながら大変腰が低い方で、どんな相手にでも丁寧に接していただけます。お酒の席では本当に陽気な方で、西条在住でありながら泊りがけで松山に飲みに来ることもしばしば。※そのために松山オフィスをオープンしたという噂も？！
社員一人ひとりを思いやる、こんな方の下で働いている社員の方々は本当に生き生きしています！
株式会社アドバンテック：山名 正英 社長
たてヨコの皆さんにはなじみが薄いかもしれませんが、この会社とこの社長はぜひ知ってほしい！
西条にある超優良企業、株式会社アドバンテック。半導体製造装置の設計・製造(世界でトップクラスの技術と実績)を軸としつつ、再生可能エネルギー事業を並行展開する会社です。(あえて)上場はしていませんが、社員わずか300名ほどで数百億円を売り上げるトンデモない会社です。
ここには2名の共同経営者がいて、そのうちの一人が山名さん。本当にすごい方で、私の会ったアドバンテック社の社員の皆さんは、山名さんの人間性に惹かれてやりがいをもって生き生きと働かれていると感じました。
1995年にこの二名で創業し、半導体の製造についての特殊技術と時代を読む先見性により、わずか20数年でこの規模の会社に成長させたとのことです。はっきり言って、凄すぎます。脱炭素、再生可能エネルギー分野では10年以上前から取り組まれ、西条市にカーボンフリーモデル地区「いとまち」を作り上げたほどです。
社員の方々から親しみを込めて「おやじ」と呼ばれているように、山名さんは豪快な雰囲気な中にも、家族と接するような温かい態度をお持ちです。これは社員だけではなく、私のような外部の人間にも同様に接していただけます。お酒の席も大好きで、話が面白くていつも本当に時間を忘れてしまいます。
気になった方も多いかと思いますが、この山名さんは要チェック人物です！
株式会社Shift：岡本 哲郎 社長
出ました、親分！会ったことない人は、絶対会ってください！（書きながらだんだんゆるくなってきました）
Shift社(h以下が小文字なのがポイント)は、松山市にあるデジタルマーケティングのコンサルティング会社です。2006年に岡本さんが創業されたのですが、デジタルマーケティングの分野では西日本でも有数(2位でしたっけ？)の隠れたすごい会社です。
そして、この岡本さん、人間力がすごすぎます。もう会った瞬間から懐の深さがわかります。もの心ついた頃から起業に至るまでに大変なご苦労をされた方で、とにかく視座が高い。若いころ色々あって悪い人たちににらまれ、お母さんに10万円渡され北海道にしばらく雲隠れしたという逸話も。
Shift社の社是が何と言っても、
「同席対面五百生」
調べると、「お釈迦様の言葉で『人と人が出会うためには前世で500回は会わなければいけない』」という意味らしく、とにかく人との出会いを大切にする方ということがわかります。
そうした優しさとともに、自分や仕事に対する厳しさもお持ちです。「宅タク便」というプロジェクトでご一緒したのですが“コロナで疲弊する松山の人々を助けたい”という純粋な気持ちから、たくさんの人たちを動かして多くの障壁を乗り越え、とてつもないスピ―ドで仕組みを構築させました。
そこで働く社員の方々は！・・・この社歌を見れば、もう何も説明する必要はないでしょう。
株式会社アイムービック：森本 健一郎 社長
愛媛でウェブサイト構築やシステム開発と言えば、アイムービック社ですよね！そう、たてヨコ事務局の町田さんが楽しそうに居座っている会社です。2005年にこの森本さんが創業されたそうですが、本社は松山市千舟町にあり、とってもおしゃれな内装の心地いい雰囲気の会社です。
私自身、三浦工業の公式ウェブサイトをはじめいろいろなサイト構築でお世話になっているだけでなく、AWSを中心としたクラウドシステム構築などの難易度の高い開発でも助けていただいています。
こうして愛媛を中心に大変活躍されている森本さんですが、売り上げ利益の追求だけではなく、地域課題に密着したビジネスを理想とされている素晴らしい経営者です。上述の宅タク便プロジェクトや、たてヨコ愛媛の社会活動にも共感いただき、支援金をいただきました。また、町田さんがたてヨコ愛媛で活躍する姿も温かく見守られております。
そういえば、森本さんと食事などご一緒したことがないことに気づきました。今度是非ともご一緒しましょう！そこで仕入れたネタをここに追記したいと思います。
とはいえ、あそこまで好き勝手に暴れまくってもクビになっていない町田さんを見ていれば、森本さんがいかに包容力があり、そしていかに素晴らしい環境の会社か、よくわかりますよね！
株式会社エフエム愛媛：倉渕 秀俊 社長
愛媛の方なら誰しも耳にする、エフエム愛媛。この瞬間も5～10万人が聴いていると言われる、地元でも最大手のFM局です。ラジオって、テレビやインターネットにはない暖かさと、引き込まれ力がありますよね。
倉渕社長はこのエフエム愛媛の象徴的存在で、本当に人柄があふれ出ています。社員の方々にも、社外の我々に対しても本当に丁寧に接することを心がけられており、こちらが恐縮してしまうほどです。
ご自身は自然多き久万高原町の大ファンで、そこで畑を借りられて週末農業を楽しまれています。久万高原町への愛情が果てしなく、FM愛媛と上浮穴高校の協業でレトルトカレーを作ったりもされているほどです。
人気パーソナリティの猪井真弓さん、菊地紀衣さん、営業の森岡さんがたてヨコ愛媛のメンバーです。そして、そのつながりで「ミウラジオ」という楽しい番組も作っていただきました。
何度かFM愛媛にはお邪魔しましたが、和気あいあいとした雰囲気があり、ここも本当に楽しそうな職場だなと思います。社長の倉渕さんの雰囲気づくりの賜物なのでしょう。
ユナイテッドシルク株式会社：河合 崇 社長
皆さん、この方にもぜひ会ってください！超一流の商社勤めや、将来を約束された老舗の社長ポジションを捨て去り、愛媛のシルクに光を当てて新しいビジネスを生み出したい！という思いで一念発起起業されたすごい方です。
シルクっていうと、私たち素人は絹織物くらいしかピンときませんが、実は食品に加えて高級感が出たり、化粧品に入れて品質が上がったりします。将来性で着目すべきは医療の分野で、最近だとワクチン開発や再生医療でも注目されている、とてもすごいマテリアルなんですね。
河合さんは愛媛がかつてシルクの町だったことに着目し、しかも普段廃棄されるだけのカイコのさなぎを使った商品開発を行い、環境にやさしいシルク商品を生み出しています。また、今年から絹の生育から商品化まで一気通貫で行う工場もスタートされています。
こんな河合さんですが、人間力が凄まじい！そして人脈が幅広い！人の話をよく聞いて、どんな人からも謙虚に何かを学ぼうとする姿勢は本当に見習うべきものがあります。また、シルクビジネスだけでなく、瀬戸内の観光資源を盛り上げようと、せとうちプレミアムという別会社も立ち上げられています。
これから大きく成長するであろう二社の社長、河合さん。その河合さんのもとで働ける皆さんは本当に幸せな人たちだと思います。
株式会社サードフロア：松波 雄大 社長
疲れてきたのでこの辺から流していいですか(笑)？冗談はさておき、みんなのアイドル松波さん。松山市会議員(2022年3月21日現在)さんとして有名ですが、株式会社サードフロアの社長もされています。
株式会社サードフロアは、シェアオフィス事業や、街づくりのイベント企画をする会社で、職場や自宅とは違う第三の場所(サードプレイス)という思いも込められています。
この松波さん、2018年に市会議員選挙にて新人最多得票で当選します。彼のその際の公約に、地域コミュニティの活性化、障碍者の住みやすい街づくり、というものがありましたが、いずれもこのたてヨコ愛媛で実行に移されております。
まずこのたてヨコ愛媛の創設期のメンバーであり、コミュニティの盛り上げに大変貢献していただきましたし、コロナ禍初期の宅タク便では八面六臂の活躍をしていただきました。また、石川さんや岡野さんとともに「バリアフリーステッカー」プロジェクトも推進していただき、こちらでも裏方として多大な貢献をしていただきました。
政治家という立場上あまりメディア上には露出されませんでしたが、いずれのプロジェクトも彼なしには実現しなかったと思います。
Shift岡本社長曰く「抜けが多いが(笑)、それを包み隠して余りある愛嬌がある」人物で、こうした誰からも愛されるキャラクターが多くの得票につながったと思われます。4/24(日)には二度目の選挙がありますね。松山市の有権者の方々はぜひ松波さんの公約と実績をご覧いただいたうえで、投票には必ず行きましょう！
株式会社リプルエフェクト：山田 敬宏 社長
この方はここで紹介するまでもないでしょうね。世界のヤマダ！株式会社リプルエフェクトで社長業の傍ら、たてヨコ愛媛事務局もやっていただいています。
本職はデザイナーで、世界三大デザイン賞のうちなんとふたつを獲得。特に工業デザインを得意とされていて、例えば視覚障碍者のための歩行マットでグッドデザイン賞金賞を受賞されたりしています。
この人は本当にアイデアの泉で、メッセンジャーで誰かがひとことつぶやくと、20~30のアイデアが瞬く間に帰ってきます。そしてとにかく面白いことが大好き。というより、どんなことでも面白くする天才です。皆さんも何かやりたいことがあって形にしたいときは、この人を巻き込まない手はないです。
たてヨコ愛媛での彼の存在感はずば抜けています。2019年末に行われたプレゼン大会では見事優勝。コラム大賞でも、2020年優勝、2021年準優勝と安定した実力を発揮します。そして彼が参加するイベントも飲み会も大変盛り上がります。
ですので、皆さんぜひこの人を誘って飲みに行ってください。彼はどんなことがあっても絶対に断りません。そして、話が面白い。気分が沈んでストレス解消したいときには特におすすめです。その際は、日本酒の美味しい店を選びましょう。日本酒についての造詣が深く、色々な話を聴くことが出来ます。
社員を募集しているかどうかは知りませんが、こんな社長のもと働くことが出来ると毎日が楽しいと思いますね。
マツヤマンスペース：稲見 益輔 代表
お待たせしました。この人にも触れないわけにはいけませんね。たてヨコ愛媛といえば、マツヤマンスペース。マツヤマンスペースといえば、稲見益輔さん。愛媛でこの人を知らない人はモグリですね。
中央会計株式会社で税理士を本業とされる(取締役)傍ら、マツヤマンスペースというコワーキングスペース・シェアオフィスを経営されています。このコロナ禍においても増床を続けており、愛媛で最大のコワーキングスペースとして地元の活性化に貢献しています。
この稲見さんの目指すのは、強いビジネスの創出による愛媛の活性化。具体的にはスタートアップ企業をもっと生み出すような仕掛けづくりがしたいという思いがあり、それがコワーキングスペース運営やスタートアップウィークエンドのようなイベント、そしてたてヨコ愛媛のようなコミュニティ活動につながっています。
この稲見さん、コミュニティやイベントには欠かせない存在で、彼がファシリテートするとどんな企画も盛り上がります。どんな場面にもものおじしないメンタル力と、雰囲気をうまく誘導して明るく変える素晴らしいテクニックと人間力をもっています。若いころに関西でDJやってたのが生きているんでしょうか？
たてヨコ愛媛って、この稲見さんがいるからこそ成り立っていると私は思っています。彼の人を引き付ける力と、独特の柔軟性がどんな人にも居心地のいい雰囲気を作り出しています。
その彼が代表のマツヤマンスペースの社員、コミュニティマネージャ、あるいは会員の方々は、毎日とても楽しそうに、そしてバリバリと働いています。
三浦工業株式会社：宮内 大介 社長
最後に私が勤める三浦工業株式会社の愛すべき社長、宮内大介さんを紹介します。実は宮内社長とは私はアメリカ時代から今に至るまで10年近くご一緒させていただくという幸運を得ました。
三浦工業とは1959年に故・三浦保氏が松山で起業した産業機器のメーカーで、2022年現在ではおかげさまで売上1,400億円、社員数6,000名に至るまで成長させていただきました。
この創業者三浦保氏の親族に当たるのがこの宮内社長。若いころは大手石油商社に勤務され、アメリカNYマンハッタンでの駐在などご活躍されていましたが、三浦保氏急逝もあり1997年に三浦工業に入社します。その後名古屋や東京で現場を経験された後、2014年に米州ミウラの社長としてアメリカに赴任されました。
ここで私は直属の部下として2年間直接薫陶を受けましたが、びっくりするほど頭の回転が速い方だなと思っておりました。物事の理解、認識力が常軌を逸しており、様々な問題を即座に把握して解決策を導きます。
そして未来を見通す力が凄まじく、他の人たちの一歩も二歩も先を行く考え方をされます。そのおかげでアメリカ事業ものちに成長しましたし、今で言うDX活動もほかの取締役の反対を押し切り、先見の明をもって実行されました。本当に学ぶことが多い方です。2016年に社長に就任されて今年度で7年目ですが、まさに時代を先取りして変革する時期を任された社長だと言えます。
こういった実力・実績を持ちながら普段は大変気さくで、どんな社員にも気軽に声を掛けられます。社内イベントでは自らビールサーバーを売り子スタイルで担ぎ、社員にお酌して回ったりします。
こんな会社ですので、社員一同大変生き生きと働いています。こんな社長のもとワクワクした仕事がしたいあなた、ぜひミウラの門をたたいてみてはいかがでしょうか？
たてヨコ愛媛へのご支援に対するお礼
以上、今回紹介した12名の社長さんが率いる各社からは、2021年度のたてヨコ愛媛活動への支援金をいただいています。私たちたてヨコ愛媛が日ごろこうして楽しく交流し、様々なイベントやプロジェクトを実行するために、実は年間100万円近い経費が必要です。今年はクラファンもありましたが、実際は主にこれらの企業様からの支援金で成り立っております。たてヨコ愛媛事務局の一人として、改めて心からお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
TATE NAGAFUCHI
