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1+1=2じゃない?だからばーりースクールを立ち上げた

『世界の海で船を動かす仕事』写真 
”日本の貿易の内、海上輸送によるものは96%””私たちは支援しているのではなく、世界の人々によって支援されている”

仕事の傍ら『ばーりースクール』を立ち上げ、地球の未来と子どもたちをつなぐ活動をしている近藤です。『ばーりー』は今治市の『ばり』から。現在市民が共におこすまちづくり事業の助成を受けて活動しています。

まだHPがなく「ばーりースクールってどんなことしてるの?」「ばーりースクールって何?」って良く聞かれます。『ばーりースクール』は持続可能な開発目標(SDGs )、ESDの理念を基に子どもたちと一緒に学ぶ学校です。

<ばーりースクールの目標>

地域の一員である子ども達に学びの場、考える場や、問題意識や問題提起の機会、思考力や表現力の育成、問題の解決力と発展させ創造する力を養います。経験活動を提供する学校であり、子ども達が国際社会、地域社会の一員であることを自覚し、社会や地域に貢献する意欲を持ち、夢を持って生き生きと活躍できる社会の実現に寄与することを目的としています。

SDGsの理念や詳細についてはこちらを。経済、社会、環境はつながっており、目標達成のためには、民間、企業の助け、パートナーシップが不可欠です。

https://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/sustainable-development-goals.html)

SDGsの理念を基に、ユネスコは『持続可能な開発のための教育(ESD)』を提唱しています。

http://www.unesco-school.mext.go.jp/aspnet/basic4field/

教育の課題

課題1:”We practice what we teach.” 教えていることを実践する。学校まるごと持続可能性であること。学校外でも実践。町全体の持続可能性にむけて。机上の学びから行動の学びへとシフトが必要。

課題2:大人主導の伝達型から変容をもたらす学び(理解から行動へ。行動が変化へ)が必要。SDGsを教えるのではなくSDGsで教えることが大切。自分で考え、意志を持ち行動できる子を育てる。

課題3:自分自身や世界を様々な角度からとらえ、いろんな角度から考えることができる変容型の教育が必要。一人一人が変われば社会が変わる。

さて、学校では1+1=2と教えます。確かに1+1=2、でも1+1=2じゃない時があるんです。どういう時だと思いますか?

例えばAさんとBさんが違った意見を持っています。AさんとBさんがそれぞれ一つずつアイデアを持ち寄りました。そうしたらより良い新しいアイデアが生まれました。このとき、二つのアイデアから1+1=2ではなく新たな”1”が生まれます。”3”もしくはそれ以上のアイデアが生まれるかもしれません。

数学とアイデアの創出論は一緒ではない、という人はごもっともです。ESD(持続可能な開発のための教育)ではそういった、いろんな角度からの見方をして行きましょうということなんです。実際の社会や事象は複雑で正しい、正しくないと白黒はっきりわけられることってないですよね。グレーな部分もあり、立場が違うと利害関係は変わります。

例えば、これは木のお皿8枚・770円。使い捨てです。使い捨てはもったいない、資源が循環されないからエコじゃないですよね。

でもこの商品、実は使い捨ての方が環境に優しいのです。なぜだと思いますか。

この商品は間伐材を使っています。元々棄てられる材料なので、使うほどに利益が出て森林の保守費用に還元されていくという「エコ」につながっています。林業の人手不足は深刻ですね。

このように、見方を変えると常識が常識でないことがあります。様々な角度、広い視野を持って物事を見るのは大事です。今世界では石炭などの化石燃料に代わりバイオマス(生物資源)によるペレット事業が拡大しています。ペレットとは細かく粉砕して固めたものをいいます。この資源は使った後また生産することができ、植物は二酸化炭素を吸収するとして注目されています。ヨーロッパはこの事業の拡大によってCO2の削減目標を達成しました。一方でインドネシアではバイオマスやパーム油の原料となる、アブラヤシのプランテーションのため原生林が破壊されているのです。この開発に日本の企業も出資しています。現地の人とのいざこざが起きたり、焼き畑により泥炭地に引火、火災が拡大し多くの森が消失、逆にCO2が多く発生するということも起こっています。

年々需要が増加し大型化している船舶輸送は大量に物を運べCO2排出量は飛行機より効率がいいと言えます。しかし、船を造るのに大量の化石燃料、エネルギーを使います。廃棄時の処理の問題があります。良い面、悪い面があります。程度の問題もあるかもしれません。これは様々なことに言えます。私たちは事実を知り、意見を出し合いより良い選択をしていく必要があるのです。答えや考えはみんな異なっていいんです。

幼稚園でのミツバチのワークショップ 
”ミツバチがいなくなったら?””ミツバチを守るにはどうしたらいい?”

子どもたちは、誰かのために働くのが好きです。誰とでもすぐに友達になれます。でも大人になるにつれて思考に枠ができ、利己的になり薄れていく。一人一人が”ギフト”と呼ばれる個性と能力を持っています。それはこの社会にとってもギフト。ギフトに合った生き方をすると楽に生きられます。SDGsは社会の問題を網羅しています。SDGsは私たちのギフトを活かし社会に貢献する指標でもあります。子どもたちやみなさんがそれぞれの分野で生き生きと活躍できたら社会はいつの間にかいい社会になりますね。

時代は、学歴社会ではなくなり集団で同じ方向へ向かう社会から個々が活かされ多様な価値観が存在する時代へ。家や車、物を持つ時代から様々なものをシェアする時代へシフトしていっています。お互いを認め合い高め合い、協働しより良い未来を作って行きたいですね。今度、SDGsマスターの資格を取ります。皆様のお役に立てましたら幸いです。

ここまで読んでくださった皆様、誠にありがとうございます。このような機会を与えてくださった、たてヨコ愛媛の皆様にお礼申し上げます。

PS. 良かったら下記考えてみてください。

  •  地球上での草の役割ってなんだろう。もし草がなくなったら。草の役割ってなあに?あたりまえにあるもの。大事なのに知らないね。
  •  スズメバチはミツバチの敵。でもスズメバチにも役割があります。なんだと思いますか。みんなちゃんと役割があるね。
  •  今治タオルの原材料はなんですか。どこから来てる?インドで綿の生産者に起こった問題とは。
  •  フェアトレードのフェアってどういうこと?それって本当にフェアなの?フェアという言葉の落とし穴
  •  男性はなぜスカートを穿いてはいけないの?ミャンマーやイギリスではスカート穿いてるよ。意識していないけど存在する社会の意識
  •  あなたにとって『幸せ』とはなんですか。
  •  あなたにとって『仕事』とはなんですか。

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ABOUT ME
近藤 久仁子
私が世界の環境問題と戦争、貧困に興味を持ったのは小学校高学年の時。中学生・高校生になるにつれて、なぜ学校ではニュースでやっていることを勉強してないのだろう、もうすぐ一人で住むのに社会で必要なこと学べているのか、と思うように。 子どもたちと世界の問題について考えたいと、大学は教育学部に進学。在学中に小中高の教員免許を取得。しかし、小中学校の実習で学校では教えたいことが教えられないと実感。学校外教育を模索。2009年カナダに短期留学とワーキングホリデーへ。2012年東北へ震災のボランティアへ行ったあと必要性を感じ『忘れない東北被災地プロジェクト』を立ち上げ。愛媛県人8000人・500円の力でカンボジアに学校を建てようプロジェクトに参加。一人一人へ声をかけ3か月で108名の500円を集める。現在ばーりースクールを立ち上げ、仕事の合間に地球と子どもたちの未来をつなぐファシリテーターとして奮闘中。 趣味は、スポーツ、絵画鑑賞、ピアノ、博物館見学、企画すること。 今治在住のフィリピンの友達とのバスケットボールは7年前から。 ネパール支援、ブレインアナリスト、SDGsビジネスマスター(アクションカードゲームクロス)
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