マーケティングをかじってる人達には有名であろう「バケツの穴をふさぐ」というお話をご存知でしょうか。タイトルといい、この前と同じような出だしといい、よっぽど穴が好きなんですかね。
さて、このバケツの話はこのような日常のやり取りで使われます。
この前、オンライン限定の新商品売り出してん。
けど、なにせ新しい商品やから認知がない。けどめっちゃモノは良いから絶対売れる自信ある。せやからネット広告ズバーン出してドーンって認知獲得したらババババーって売れるやろから、ネット広告出して!
的を絞らずにズバーンって広告出したらバババババーって無駄打ちになりますわ。市場的にもある程度成熟しとるし、キーワード絞ってリスティング打つのがええですよ。
リスティングっちゅーたら検索したら出てくるアレやろ。わしも知っとるで。
ほなそれ頼むわ。
ちなみにその新商品のLPはあります?
おっ。また小洒落た専門用語出しよってからに〜。
LPがレコードやのうてランディングページって事ぐらい知っとるぞ。
で、そのLPあるにはあるけど、なかなかお問い合わせ無いねん。
まぁでも広告打っていっぱい集客したらいっぱい売れるやろ。打ったら売れる。我ながら上手いな〜。
いやいや。集客する前にバケツの穴塞がんと。
それこそ広告費ダダ漏れになりまっせ。
何ゆーとんねん。
わしの穴は常にキュッて締めとるわ。
そうそう。
ちゃんとそこ締めとかなーってあんさんのケツの話やのうて、マーケティングでいう「バケツの穴」の話でんがな。
商品力があるにもかかわらず、オンラインでなかなか売れない。
「集客に課題がある!」と感じた黄色いおじさんは「認知獲得できて集客して売上につながるならインターネット広告やな!」という、よく街中で見かけるやりとりかと思います。見かけまへんか。
確かに黄色いおじさんが言うように、認知が必要なら、単純に広告を打てば認知も獲得できて売上に繋がる。という理屈はその通りですが、問題はLPで成果が出ていない事にあります。
入口から出口までの離脱を減らす=バケツの穴を塞ぐ
下記の図は検索からキーワード広告を経由し、ゴールまでの流れを示したファネル図です。
※数値はわかりやすくするための架空です。実際は商材や業種やターゲット等により異なります。
ウェブマーケティングでは、アクセス解析のツール(よく使われるのはGoogleAnalytics)を使うことで、上記のように「LPに到達した人が*人で、そのうち*人がボタンをクリックし、メールフォームまで到達した人が*人で、そこから購入完了まで行き着いた人が*人か?」といった具合各ポイントでのユーザーの数や行動を数値計測する事ができます。(ファネル分析と言います)
※データの取得方法、読み方は専門知識が必要なので、お近くの専門家にお尋ねください
このような離脱の状況が多い状況を「水」と「バケツ」というメタファーを用いて説明したのがこのお話で、つまり「バケツの穴を塞ぐ」とは「LPからゴール(購入)に到達するまでの離脱を減らす」事を指します。
「ユーザー」を水、「LP、申込みフォーム、購入完了までの一連の制御可能な流れ」をバケツと捉えます。
「収益」は、A地点からB地点にどれだけ水をたくさん運んだかによって生まれる結果です。
バケツにある無数の穴を塞がなければ、B地点に水を運ぶ前に水がなくなってしまいます。
そして、バケツには大きな穴もある状態。そこに水をいっぱい入れるとどうなるか。水圧もかかり、穴から勢いよくドバーっと水が漏れてしまいます。
だから、バケツに水をたくさん入れる前に穴を塞いで水漏れの量を減らし、AからBに水を運べる状態にする必要がある。というわけです。
どの穴から塞ぐのか問題
「バケツの穴を塞ぐ」って上手い例えやな。おっちゃんかしこやからめっちゃわかったわ。
とりあえず全部の穴塞いだらええねんな。
ちょい待って。
穴塞ぐゆーてもお金かかるし100%は無理やから。期待する効果も考えなあかんし、闇雲に穴塞ぎにかかるのは危険やわ。
でも鉄則があってな。底の方にあるデカい穴から塞ぐねん。
デカい穴やったらなんでも塞いだらええんちゃうの?
さっきのファネル見てみて。
最後の「確認画面」から「成果」のところ、離脱が90%になってるやろ?
これ、スーパーで言うたらレジ前でお客さんが帰ってる状態と同じやで。
なるほど!
下の方の穴から塞ぐ方が出ていく水の総量も減るっちゅーことやな。
バケツの穴を塞ぐ。という理屈はわかったものの、穴を塞ぐにもコストと時間がかかります。
穴には上か下かという「位置」と、離脱への影響度となる「大きさ」、そして穴を塞ぐための時間と費用である「コスト」という3つの要素があります。
そして「穴を上から塞ぐか下から塞ぐのか、どれが一番コスパいいの?」というと「下(出口)に近い大きな穴から塞ぐ」という鉄則があります。バケツにあてはめると下図になります。
穴の大小も重要ですが、底の方の穴を塞がない限り水は減り続けてしまうため、マーケティングで成果を出す上ではゴール手前で起こっている離脱の原因をしっかり見極め対策することの方が、より重要であることがわかります。
ところで、確認画面でこんな離脱多いって珍しいんやけど、なんか心当たりある?
買って貰う人には造り手の想いをしっかり伝えるべきやんか。
そやから商品にかける熱っつ〜い想いをまとめたエモい動画作ってん。
まぁいわゆるブランディングっちゅーやつやな!
動画か。ええやん。
ほんでそれがどないしたん。
せっかくやし、価値をわかってくれそうな人に見て貰おう思てな。
購入する人やったらより伝わるやろ思て、購入完了ボタンの手前に動画貼って、全部見終わったら購入ボタン押せるっていう特別仕様にしてん。
穴の原因それや。
確認画面に貼った動画は今すぐ消して、別の所で見せよか。
黄色いおじさんの特別仕様は聞いたこともない架空の話ですが、ウェブマーケティングでは、各ポイントの数値を適切に計測することで流入やユーザーや離脱の状況が具体的にわかります。
さらに実際の画面をユーザー目線で見ることで、より精度の高い仮説を立てることができます。
まとめ:バケツの穴を塞ぎ、水をたくさんゴールに持っていくには?
バケツの穴の話から、ウェブマーケティングの対策をどういう手順にするか?といったお話をしてきました。最後にまとめに入りましょう。
- アクセス解析を活用することで各プロセスの状況が数値でわかる
- ファネル分析で「入口から出口」まで、流れの中での「穴(離脱)」の状況を数値化する
- 離脱対策はゴールに近い所から
- 広告やSEOといった「集客」「入口」は後。まずは穴を塞ぐ!
- 専門家に相談しましょう
これらはあくまで簡単な理屈であり、現実はもっと膨大な変数が絡む事がほとんど。
特に5つめの「専門家に相談する」は冗談ぽく書いてますが、コンサルタントとして入ってもらうだけでも違ったりするので、顧問弁護士的に身近に相談できる人がいると心強いかと思います。
めっちゃ宣伝です。お仕事のご相談お待ちしています!