みなさんこんにちは。
愛媛県内の多文化共生に取り組むえひめインターナショナルMeet-up代表の谷村です。
前回は活動の背景や愛媛県内の外国人住民のデータなどについてお話ししました。
今回は、4月に初の対面イベントを終えて見えてきたことについてお話ししたいと思います。
4月16日(日)にワクリエ新居浜で開催した初の対面イベントには、中国・韓国・ベトナム・ネパール・ミャンマー・ドイツ・イタリア・日本の8カ国出身27名が参加し無事開催されました。
前半はワクリエ新居浜の植松さんと、新居浜市内で木工エンジニアとして働くビヨンさんによるゲストトーク。後半は、新居浜でやりたいことを具体化するワークショップを行いました。「愛媛らしい料理を作ってみたい」「新居浜の銅山に行ってみたい」など多様な企画が生まれ、大変盛り上がりました。その一方で、課題も見えてきました。
①日本人の若者の参加が少ない
海外出身者は若者(20〜30台)中心です。正確に言うと、技能実習生や出稼ぎ留学生のように、数年間だけ主に単純労働に従事する方々を除くと、就職・転職で愛媛にやってくる海外出身者は若者中心です。なぜなら、母国で家庭を築いているにも関わらず、父親が、母親が、1人で日本に行くなんてことは、あまりありません。そのため、単身者の若者がおのずと中心になります。
今回のイベントの参加者も、海外出身者はほぼ20代の方でした。
一方で、日本人の参加者は、一番若い層が40代でした。海外出身者の方々に聞くと、他団体のイベントでも似た状況とのことで、日本人の若者は国際交流に興味がないのかと思った、という感想もありました。
もちろん多世代の方と出会えることは良いことですし、中には日本のお父さん、お母さんのような存在の方と出会えることだってあるでしょう。海外出身者にとって、多様な世代の日本人と繋がることができることは重要です。
しかし、年齢が離れてしまうと友達にはなかなかなれない。地域で、気軽に週末遊ぶような関係性は、どうしても同世代ではないでしょうか?
そこで、20〜30代の参加者も来てほしいと強く要望されました。
しかし、この若者が地域のイベントに来ないという問題は、みなさんもご存知のように、何も多文化共生に限った話ではありません。仕事が忙しいから、休みの日くらいは家でゆっくりしたい。家族との時間を大切にしたい。そんな気持ちになるのでしょう。
②多様な日本語レベル
来日したばかりの方と、それなりの年数日本で暮らしている方。文系総合職でバリバリお客さんと打ち合わせしている人と、黙々と開発に従事するエンジニア。日本人の友人や配偶者の有無。など、様々な要因によって、参加する海外出身者の方の日本語レベルが多様です。
じゃあ英語でコミュニケーションすればいいのでは、というアイデアも浮かぶと思いますが、必ずしも海外出身者が英語が流暢とは限りません。日本のように英語が比較的苦手な国もあります。国際交流や多文化共生に関わる日本人だって、必ずしも英語が話せるわけではない。(私も話せません笑)結果的に日本語が共通言語にはなります。
そこで、日本語が流暢でなくても安心して話したり交流したりできる場づくりが重要になります。
さて、このような課題が見えてきた中で、今後どうする予定なのかを最後にお話ししたいと思います。
今月末に当団体対面イベントを松山で行います。なお、松山開催は初めてです。
イベント詳細はチラシの通りなのですが、工夫した点は2つ。1つ目は日本人の若者へのアプローチ。企画内容を若者向けにしたことはもちろん、学生への告知や、大学時代に留学や国際交流活動の経験がある方をペルソナとして想定して企画宣伝を行いました。
2つ目は、グループワーク中の母国語NGルールです。これは当日発表予定(先行してここでは情報解禁しちゃいました笑)ですが、全員が第2言語となることで、日本語や英語が流暢じゃないとダメだという怖さや不安がなくなるのではないかと実験的にやってみる予定です。
さらに、最近では私たち独自のイベントもオンラインを中心に毎月実施していますが、それに加えてたてよこメンバーの皆様をはじめとして、県内の行政や関連団体さんなどからお誘いをいただき、多文化共生に関する取り組みをご一緒するケースが増えています。その中で、より多様化する海外出身者の課題について気づきが得られています。貴重な機会に感謝すると共に、今後ともご指導のほどよろしくお願いします。