Column

たてヨコラム

たてヨコメンバーによるフリーテーマのコラム

テクニカルエッセイビジネス

内容皆無のコラムを書いてみた。

内容皆無のコラム

「さてさて、どんなコラムを書きますかね?」
書き始めたは良いものの、まだ何も決めてないですし、何を書こうかと思慮しています。
そう。今回のコラムにはなにか伝えたい明確なメッセージもなければ、ひょっとすると皆さんにとって、読む価値すらないかもしれません。正直この段階で特になにか仕込んでませんし、書き貯めていたコラム用のネタもイマイチで放置。言う事なんて全くないんです。ゼロ。無。皆無。空っぽ。やばい。やばすぎです。

もう一回言います。
今回の山田のコラムは完全無計画で書き始めてます。
だって、〆切日だから書かない訳にはいかないですし・・・・・。
もっとも「書きます!」って手を上げたの自分ですし・・・・・。

なので、今回のコラムにはきっと、気の利いたことも、皆さんが刺激されるようなフレーズきっとありません。
過去6回執筆させて頂き、その時々ではデザイナーという職業のプライドの元「読者のUX(ユーザーエクスペリエンス:顧客体験)」をイメージしてテーマを設定し、伝えたいことを明確にして書いてましたが、今回はダメです。
まだ決めてませんし、特に読んでいただいている皆さんに伝えたいメッセージなんて全く無いのです。

〆切は本日。

とはいいつつ、〆切は本日。ただ今19時過ぎ。
年末のコラム大賞の担当でもあるので、なにか凄いことを言ってるかのように、ひょっとすると皆さんも何か学んだ気になるコラムにしなければなりません。(変な義務感!)

過去、大賞を受賞したり、たてヨコメンバーの投票で票が集まっている素敵なコラムには幾つかのフォーマットがあります。自分が手を上げたにせよ、それっぽっくコラムの任務を完遂するために、私は何かを書かなければならないのです!(もうこれは完全に義務感!)

なにから書き始めようか?

まず何よりもタイトルです。
なんせ、たてヨコラムは週2回、年間100を超えるコラムが投稿されるので、なにかそれっぽいコラムタイトルを付けなければなりません。このタイトルってのはこれはYahooニュースと同じ構造です。
短く、端的で、しかも少しだけストレスや甘味な香りをまとわせると良いらしい。

今回のタイトルは「内容皆無のコラムを書いてみた。」にしてしまいましょう。なかなか香ばしいです。
若干、5/29に寄稿された高田 裕明さんのコラム「誰の役にも立たないコラム」と被ってる気はしますが、〆切日に慌てて書いてる私には時間的な余裕が皆無なので、このまま、構わず進めます。笑
(髙田さんごめんなさい:バインミー買いに行きますのでご容赦を!)

そしてコラムの初っぱなに、読んでいただく皆さんへの謎かけを仕込んでいきます。
初めの部分で、読み手側に先制パンチを食らわせるのが良いらしい。
なにか、「意外性のある”つかみ”」が必要です。「なに?なにが始まるの?」と言った具合に。
それは逆説的な事を言ったり、一般論を否定したり、あり得ない体験だったり、不可解な問いだったり。

今回は「さてさて、どんなコラムを書きますかね?」から始まりました。

それっぽく「だまくらかす」

そして更に読み手である皆さんを「だまくらかす手段」として、コラム内容に片足を突っ込んで貰いましょう。ここで唐突に質問を投げかけることで、半ば強制的に読み手の皆さんにもこのコラムに参加してもらいます。



「みなさんは『たてヨコラム』を知っていますか?」



そうです、今、まさに読んで頂いてる文章こそが、愛媛で最も熱いコンテンツである、『たてヨコラム』です。ご存じでしたよね?


まあ、そりゃご存じだと思います。今まさに読んでますし、ご存じでも仮にご存じじゃなかったとしても特に何もありません。だって、特に今回はテーマもメッセージも内容も皆無なコラムですし。
ただ、こんな問いかけをすることで、なにかコラム上にあるテキストと、皆さんの行動や心理がシンクロした「気」がしたはずです。重要なことなので、もう一度言います。「気がしたはずです!」
そして、その小さな切っ掛けを元に、書き手の本音の部分を吐露はじめるのです。

それは、実に個人的な考えであり、ちょっと風変わりで、ちょっと笑えて、ちょっと小っ恥ずかしいようなこと。実に下らなく、それでいて誰しもは体験してないような、でも真似できないような。
いきなり無職になったり、婚活してみたり、移住してみたり、哲学語ったり。それはそれはetc…
それら書き手の本音の部分は皆さんの気持ちとのシンクロ率を上げていきます。
(エヴァの葛城ミサトさんの声で脳内再生推奨)

思わず声を出してしまう。はず。

そしてこのタイミングで皆さんがコラムに感じ始めている「ワクワク感」によって、思わず声に出してこう言わせてしまいたいのです。

「へー」「そーなんだ!」(ぜひ今、遠慮無く口に出してみてください。ほら言いたくなったでしょ?)

こうして自己発声により聴覚も刺激し、コラム内容と皆さんの意識のシンクロ率が上昇し始めた話をさらっと一般化し、より皆さんの経験や日常にフックさせ、個々の脳内であれこれパズルを組み合わさせていくのです。

更に!
このある種トランス状態を加速させるに、追い打ちの如く更なる視覚情報、つまり「イメージ写真」をコラム途中に埋め込みます。
例えばこんなイメージ。

愛媛ですので、この写真です。
きっと美味しいミカンを作ってる農家さんの写真だと思います。
正直これが何というミカンかもわかりませんし、ひょっとするとミカンですらないかもしれません。
愛媛っぽい写真を準備しただけで、和歌山の写真かもしれません。私は何も解ってません。

ただ、この写真によって、私が「愛媛」に対してあたかも何かを主張し、皆さんに有益なメッセージ、人生を変えるヒントさえ与えてるかのように見せていますが、これは単なるそれっぽくコラムの長さを稼いでいるだけです。特に皆さんに伝えたいことは何もこの写真に込めていないのです。

術中にはまる?

さて、私が想像するに、皆さんはコラム内容の虜、徐々に術中にはまっている頃です。
それを裏付ける為に、今度はプレゼンでも定番の「数字」を使ってみます。

「2」

そうなんです!
なんと、驚くことに「2」なのです。
他のコミュニティーではあり得ない、毎週2本という怒濤のコラムがアップされています。

「52」

1年は365日です。1週は7日ですので、365÷7=52.14・・・
1年間は52週+αなのです!これも真実の数字であり、世界中普遍の数字なのです。

「102」

そして昨年のたてヨコラム大賞の対象になった作品集は102本!
あり得ない数字です!皆さん、計算してみて下さい!
52×2は「104」なのに、「102」なのです。さらにその前の年は「105」本だったのです。
驚きです!
正に森羅万象を超えた何かの力が働いたに違いありません。小学校のテストなら完全に「×」です。

さて、もうそろそろ元ネタにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、知らんぷりして更にすすめます。笑

これら心象を強くするために今っぽいビジネス単語と深い意味がありそうなイメージを組み合わせ、更にイメージで視覚情報を刺激していきます。

DXアクセラレーション

UnsplashHeadway氏が撮影した写真です。DXって「Digital transformation」の略なんです。皆さんさすがにご存じだと思いますが、それを加速させるとか、スタートアップ企業みたいで素晴らしいですよね!

プロンプトデザイン

UnsplashGoogle DeepMindが撮影した写真です。いま話題のAIです。ChatGPTです。OpenAIです!完全にSEOで引っかかりそうなワード群です。

シナジーとイノベーション

UnsplashHarley-Davidsonの写真です。ハーレーらしくないですが、なにか既存の鉄馬メーカーと未来にシナジーと、イノベーションを感じてしまいませんか!
これこそが、近未来の世界観です!

・・・・・・・ゴホン。

これら画像を挟み込みながら、皆さんにとって実に好ましく有意義な時間が得られているかの様な錯覚をおこしていることでしょう。この適当に5分で作った画像の意味なんて特に無いわけですし。画像したいのフリー画像サイトでその言葉で検索しただけですし。

過去の異人達からのメッセージ

そして、この興奮冷めやらぬ中で、皆さんには更にこんな引用文をお伝えしましょう!

「面白きこともなき世を面白く住みなすものは心なりけり」(高杉晋作)
「失敗の責任は主君に、成功の功績は家臣に」(曹操)
「私がしているのは決して大きなことではないが、必要なことなのだ」(チェ・ゲバラ)
「背伸びして視野をひろげているうち、背が伸びてしまうこともあり得る。それが人生の面白さである」(城山三郎)

どこかの名言サイト

完全に過去の偉人に乗っかります。どこかの名言サイトから上から4つをコピペしただけです!
なにか、凄い話の展開がされている気がしませんか?
恥ずかしながら最後の「城山三郎」さんを私は何方か全く存じ上げません。名言を検索したら出てきただけです。そのまま城山さんの検索すらしてません。城山さんの関係者の皆さん、ゴメンナサイ。

そしてついに私はこんなことも書き始めます。

「朝起きたときの気温と珈琲の香りがビジネスのトリガーになる近未来」
「首振り扇風機の功罪とおもてなし文化が新しいソリューションになる」
「レバー&クリップファイル『ワイド』こそが人類の正義と明日への扉」
「人は誰も成功にたどり着くことは無い。成功かどうかは後の人が決めることだからだ」

山田が30秒で思いついた素敵そうな言葉集より。

なんてことでしょう!
人生においての教訓や、明日の活力になりそうな、そんな何か深く意味があるような気がしてきませんか?
私が30秒で思いついたなんの「想い」も持たないテキストなのに!です!
なーんにも考えてない、なんのテーマもメッセージも伝えることも伝わってほしい事もないのです。皆無です。

たたみ掛けるようになんか意味ありげなテキストを読み手にぶつけてみる。
書き方ひとつで読み手はそこにある裏側や勝手な解釈によって高尚なテキストとして有り難がってくれる。
そして、このまま熱量を持ってエンディングに向かいます。

「起承転結」の「結」

エンディングに向かうに当たって、子供の頃から言われた「起承転結」の「結」を作らないといけません。
そこに、あたかも素晴らしくドラマチックで、濃厚かつ、明日の活力や勇気、ビジネスのヒントになるようなことを展開します。でも、今回は内容が皆無な上に、特にメッセージも無ければ、全体の構成もなにも考えていません!でも、その内容に対して皆さんは自分の人生や経験と照らし合わせて、”勝手に”勇気づけられたり、面白がったり、チャレンジングな気持ちになったりするのです。

そして、読み手の皆さんの高揚感を勢いそのままに、この後どうしてもFacebookのコメント欄に書き込みしたくてしょうがなくなってる筈です。解ります!そういうことなのです!
たてヨコ愛媛プライベートグループへGO!!

そして最後は例に漏れず、定番の伏線回収で「やられた!」となるわけです。
これも是非、おでこに手を当てながら、発声してみてください。せーの、「やられた!」


と、いうことでテキスト数がそれっぽくなったので、この辺で終わりにしたいと思います。

最後に次のコラムは皆さんの番です。この内容皆無のコラムを踏み台にして、
”皆さんは”「さてさて、どんなコラムを書きますかね?」

ABOUT ME
山田 敬宏
大学卒業後、メーカー・デザイン事務所勤務を経て、1999年「有限会社リプル・エフェクト(西宮市)」、2017年「株式会社リプルエフェクト(松山市)」を設立。東京・大阪・愛媛の大小様々な企業の製品開発やブランディング、デザイン、ビジネス創出など、デザインコンサルティングとして「0 to1」業務のブレインを担当。 国内をはじめ、世界3大デザイン賞やビジネスコンテストのグランプリなどを多数受賞。 その他、大学や専門学校での講師や起業イベントなどでのメンター・コーチング、製品開発系のセミナーなども行う。 ビジネス デザイナー / デザイン ディレクター / 製品開発・プロダクト デザイナー / UX・UIデザイナー
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