あなたにとって「肝心」なものはなんですか？

初めてコラムを書かせていただきます。まずは自己紹介をさせていただければと思います。

・藤澤友輝(フジサワトモキ)

・34歳男性

・職業：医師

・資格：内科認定医、循環器専門医・心電図検定マイスター・剣道3段

さてコラムに関してですが、せっかくですのでやはり心臓のことを書かせていただこうと思います。

さあ～て、今週のたてヨコ愛媛コラムは

　・心臓に皆勤賞をプレゼント

　・心臓は「脳」「筋」臓器である

　・100年前から変わらない、12本の線が描く心電図の魅力

心臓に皆勤賞をプレゼント

　まずは心臓について簡単解説です。進撃の巨人の「心臓をささげよ」のフレーズを知っていますか。知らなければ右手を握って、胸の中央やや左に置いてください。それがあなたの心臓の場所であり、心臓の大きさです。心臓は肋骨の内側やや左に収まっている、握りこぶし大の臓器です。主な役割は血液を全身に送るポンプとしての機能です。1拍動当たりヤクルト1本分の血液を拍出しています。

　さて、みなさんは自分の心拍数を知っていますか。大体心拍数の正常値は安静時で60-100回/分です。つまり1時間で約4千回、1日で約10万回打つことになります。人生80年としても10万×365日×80年で約30億回、人生で拍動することになります。心臓がたった15分止まるだけで蘇生率は1％以下まで低下します。つまり、15分の心停止があれば99％の人は死ぬというわけです。なので、心臓は体や脳が休んでいても休むことはできません。心臓は皆さんの中で一番の働き者であり、皆さんよりも働き者です(笑。

心臓は「脳」「筋」臓器である

　心臓には微弱な電気が流れることで細胞が興奮し、心筋(＝心臓の筋肉)が収縮することで血液を押し出します。つまり、心臓は微弱な電気で動く精密機械であるとともに、筋肉臓器なのです。そして心臓自体が体動や興奮を感知して心拍数を調整しますので、「心臓の脳」があります。肉体派の人を「脳みそまで筋肉＝脳筋」と略しますが、心臓は「心臓の脳」＋「心筋」で構成される、まさに「脳」「筋」臓器なのです。嘘か誠か、心移植をされた人に心臓をあげた人の人格や指向が見られたという報告もあります。人の心は脳に宿るのか、心臓に宿るのか今なお議論されています。

　完全に余談ですが、焼き肉屋や焼き鳥屋さんでハツを食べたことはありますか。一説によるとHearts(ハーツ：心臓)＝ハツからきているそうです。今度食べる機会があったら、これが心筋の味かと思いながら食べてください。ちなみに私は牛ハツが好物です。

100年前から変わらない、12本の線が描く心電図の魅力

　心電図を聞いたことすらないという人はたぶんいないと思います。12誘導心電図は1903年にウィレム・アイントホーフェンによって報告され、かれこれ100年以上が経過しています。3DホログラムだのNFTだのと言っている現代において、たった12本の線で検査として生き残っていることが奇跡だと思いませんか。しかも、電極を貼るだけなので、5分でできて体には何の悪影響もありません。心電図は心臓の電気の流れを模写することで、不整脈の検出や心筋梗塞個所の特定をすることができます。その専門家ともなると心臓のどのあたりから不整脈が出ているとか、心筋梗塞部位もこの血管のこのあたりだろうとか、より詳細なことがわかり、それによって治療方針や予後に影響することもしばしばあります。物によっては肺の病気や頭の病気でも心電図異常が出てくることもあります。

　私は心電図が好きすぎて心電図検定マイスターなる資格まで取ってしまいました。心電図検定は今年で9回目となる検定資格ですが、2020年に注目の資格・検定ランキングで1位になったこともある近年受講者がうなぎのぼりの検定です。マイスターはまだ全国で100人くらいしかいない、実はちょっとレアな資格です。

ここまで読んでいただいてありがとうございます。これからの時代は医師も一般向けに正しい情報を共有したり、逆に世の中の健康問題を聴取し解決するようなサービスを作り出す時代が来ていると考えております。私自身、個人向け健康サポート事業を立ち上げていたり、遺伝子検査会社と提携していてキットを安くご提供することもできます。自分あるいは家族の健康・医療でお困りのことがありましたら、相談だけでも結構ですのでいつでも気軽にご連絡ください。もちろん、私個人に興味を持っていただけましたらご連絡いただけるとすごくうれしいです。宜しくお願い致します。