Column

たてヨコラム

たてヨコメンバーによるフリーテーマのコラム

デザイン

視点を変え世界を果てしなくおもしろくする

【ご注意】今回のコラムめっちゃ長いので、本当に暇な時にお読みください。

とある神戸の専門学校在籍中のアルバイトも含め、企業、自治体、ブランドなどの小さなものから秒単位で膨大な取引がされるような大きなものや、このコラムが発信されるたてヨコ愛媛のWebサイトも含め、かれこれ20年以上Webサイトをつくるお仕事をしてきました。

松山市に移住したのが2012年10月。
移住と同時に入社した(株)アイムービックでは
「こういう課題があるんだけど、どうすればいいですかね?」
「Webサイトに課題感を感じているのだけど、それが何かがわからない」
といった、やることが明確になっていない状態からのご相談
「採用強化をしたいので自社サイトをリニューアルしたい」
「顧客獲得と顧客満足度向上ための製品情報やサポート情報を整理したい」
といった、ある程度課題は見えているが、いざ振り返ってみると別の所に本質的な課題が見つかるなど、私の場合は主に「Webサイトをつくる」手前の領域のお仕事が多かったりします。

※もちろんコンサルタントではないので、抽象度の高い企画後の具体フェーズの制作進行や完成後の数値検証も含めてやったりします。
過去記事でアクセス解析のお話や、2020年12月にたてヨコ愛媛のアクセス解析を記事化してみたり。

仕事を通じて触れるものは、普段から目にするもの、名前は知ってたけど詳しく知らなかったもの、なかなかお目にかかれないもの、そんな「知らなかった事」に触れるたびに「知らなかった!」「凄い!」「そうなんだ!」と合コンさしすせそ的ではなく割と本気で感動したりしているのですが、ふと「毎度、社会科見学に来た小学生みたいにキャッキャと楽しめる思考って、物事を捉える上でめっちゃ重要だよな」自らの天才っぷりに気づきまして。

ある物事を捉えるとき、真正面や上下左右斜めといった角度的なものもあれば、当事者か第三者か、利用者か提供者か、原材料をつくる人か組み上げる人なのか。
今回は、そんな視点を変えることについて、実際のエピソードや思いつくままに垂れ流してみようと思います。

文章構成技術は拙く思考もあちこち飛び交り「なんかよくわからん」となる可能性がございますのでご容赦ください。97%自分のために書いてます。

荒削りだからこその良さ

先日、たてヨコメンバーの何人かで食事に行ったとき、たてヨコラジオの話になりました。

ちょうだ

いやー、オープニングでほぼ必ず噛んじゃうんですよねー

やまださん

むしろ噛まなくなったらつまらないかも

ディレクターという仕事柄、企画のプレゼン時や、「こういうことがしたいんだけど」といったご相談に対して、できる限り相手に伝わる言葉に置き換えながら、抽象的なことは画や図に起こしてお伝えするよう心がけていたりもするので、比較的会社の中では人前でお話する機会がある立ち位置ではあります。

とはいえ喋りのプロではありませんから、どうしても「え〜‥」「う〜ん」といった無駄な声が入ってしまいます。でも、それはそれで良いのだと。
「むしろ流暢に淡々とキレイにしゃべるほうが印象に残らないかも?」と仰っていただきました。

確かに、たてヨコラジオが報道番組のような語り口調になり、事実を淡々と読み上げる世界観になると「事実はわかったが気持ちが伝わらない」「で、町田はどう思ってんのさ?」となり、せっかく文章で伝わらない雑談の空気感を伝えるコンテンツのはずが、無味無臭となり話の内容が印象に残らないかもしれません。
ある意味で面白いかもしれませんが、それを「面白い」と感じるには、私のパーソナリティを知っていたり、1回目からの私の噛み心地といった「前提」がある方に限られるでしょう。
要は「何回噛むねんw」とツッコミを入れたくなるぐらいの方が良いってことですね。

インディーズ時代に興味を持ったアーティストがメジャーになった瞬間「あいつは変わった」とか言っちゃうアレに近いですね。違うか。

「歴史ってそう捉えると面白いんだ」と知った

話変わりますが、私は数学のように覚えた公式(道具)を使って問題を解くような、パズル要素のある勉強はまだ良かったのですが、とにかく「暗記」をするような歴史の授業が苦手でした。

さらに読書家の両親とは真逆で、19歳くらいまで漫画以外の書籍を読む習慣も興味も一切なかった私は、歴史に登場する人物や背景を物語として捉えることもなく、自分にとって遠すぎて具体的なイメージが浮かんでこなくて、知らない人の話は授業が退屈で仕方なく恐ろしく眠い。
だからテストの点もパッとしない。先生の話もいい具合につまらないので眠い。まじ眠い。まぶたが常に重量挙げ。

そして寝付きの良さにおいて人より秀でた能力を持つ私は、授業中にもその才能を惜しみなく発揮することで、みんな座っている中で先生と同じく立って授業を受けるような優秀な生徒でした。

フィクションアニメから得た興味

話は現在に戻り、全裸監督見たさにNetflixを契約した私は、ほかにも様々なアニメやオリジナルコンテンツを見ているのですが、その中でYASUKE-ヤスケ-というアニメ作品を見ました。
あらすじは、かつて信長に仕えた黒人の武士が、主君の死後、田舎の村でひっそりと暮らしていたところにやってきた少女を守りながら、追手のサムライ軍と戦う。カラクリロボや魔法みたいなのも出てくる、めっちゃフィクション。
私がこの作品に興味を持ったのは、この物語の主人公 弥助(やすけ)が実在する人物だったという事を知ったから。
「え、どゆこと!?そんな人物授業で出たっけ!?」と興味が湧き、作品を見て、その歴史の一部にふれることができたわけです。
おそらく、学校の授業でも「信長に仕えた黒人の侍がおってな。」という見出しを差し込むと、一定数の生徒が「えっ?」と前のめりになったのではないか、と考えてしまいます。
弥助-Wikipedia

伝え方、捉え方次第で歴史への興味を掻き立てるコンテンツ

ほか、歴史を楽しく知ることができる有名なコンテンツでCOTEN RADIO-コテンラジオ-があります。
ジャパンポッドキャストアワード2020の大賞にも選ばれた番組です。

歴史に出てくる登場人物がとった行動や、そこに至る背景など現代の言葉に置き換えわかりやすく楽しく解説してくれます。空海のここがヤバいとか。
テストの点を取るための効率的な学習法ではないかもしれませんが、歴史そのものへの認識が変わるレベルで面白いので、これを聞いていたら、学校授業はもう少し興味を持って取り組めたかもしれません。

「デザイン」って見た目の話じゃなかったのね

2018年、特許庁が主体となり「デザイン経営」という考え方が発信されました。
デザイン経営とは、デザインの力をブランドの構築やイノベーションの創出に活用する経営手法で、(結果論的なところもあるかもしれませんが)経営にデザインを効果的に取り入れて業績につなげている企業の実例やナレッジを共有されています。

この源流的なものとして、スタンフォード大学のd.schoolが提唱したとされる「デザイン思考」という課題解決手法があります。デザイン思考は、発生した問題や課題に対し、デザインを行う際に必要な考え方と手法で解決策を見出すことで、表面化された課題に対して対応するのではなく、ユーザーの立場から問題や疑問に対して「そもそも」と問い、根本的な解決策を探るものとされています。

デザイン経営やデザイン思考は、これまで「デザイン≒感覚的」と捉えられがちだったものをロジカルに分解・構造化・方法論として再構築したものなので、MBAホルダーのようなデザインと無縁な方々にも受け入れられ、「デザインって見た目の話じゃなかったのか」という認識が多少広がった事はデザイン思考やデザイン経営の功績と言えるかと思います。

意味づけによるイノベーション

ミラノ工科大学のロベルト・ベルガンティ教授 著「デザイン・ドリブン・イノベーション/邦題「突破するデザイン」)で提唱した「意味のイノベーション」。
上記のデザイン思考は、超ざっくり言うとユーザーの観察・共感から理解と考察を深め課題解決のイノベーションを生み出すのに対して、ベルガンティ教授の「意味のイノベーション」は、個人の内面からつくりだす意味づけによりイノベーションを生み出す手法と、アプローチの起点が逆と言えるほど手法が異なります。

詳しくは本買って読んでいただくか、YouTube動画(日本語字幕は訳がひどいらしく、こんな記事もあるので合わせてご参照ください)を見ていただくのもありますが、せっかくなので、このコラムを包括するコーナー「たてヨコラム」も、考えようによっては意味のイノベーション的コンテンツであるのかも、ということで解説しますね。

「コラム」って使い古されたコンテンツの何がイノベーティブやねん

たてヨコ愛媛のWebサイトに3〜4日周期で記事が公開される「たてヨコラム」。
「ローカルコミュニティのコラム」としては珍しく2021年10月27日現在で150近くの記事数と謎の熱量に包まれているのですが、コラムというコンテンツそのものは別にイノベーティブでもなんでもなく、ごくごく普通のコラムです。

ただ、このコラムの特殊性は

  • その地域にいる人たち、あるいはその地域や人と何かしら繋がりをもつ人が発言者
  • 何のつながりもない「知らない人」からでなく、距離感の近い「あの人」の発言
  • 発言者を知っていることで話題への解釈が変容する

といった所にあると考えています。
特に私が「これだ!」と思っていたのは3つ目の「解釈の変容」。
つまり、知らない人が話す「デザインの話」よりも、顔や声や人物像を何かしら知っているあの人が発する「デザインの話」は、同じ内容だったとしてもポジティブに解釈されるのではないだろうか。という仮説。

ここに、このコラムコンテンツの面白さ、大袈裟に言うとイノベーション性があると考えています。
機能的な所としては、ほんとのほんとに普通のものです。
ただし、意味が異なります。

アイデアは目新しい技術ではなく既存技術の新しい組み合わせであるとよく言われます。
ハード的な技術革新がある程度頭打ちに来ているならば、解釈により次のステップに踏み出す、と思うと、なかなか無限に広がりそうでわくわくしますね。

視点を変えることの大切さを説く名言

思いの丈を好き放題書きなぐりましたが、最後に視点に関する偉人たちの名言を並べて、その言葉の解釈を今一度自らに問いていただき、締めていただければと思います!

おもしろきこともなき世をおもしろく 住み成すものは 心なりけりー高杉晋作
前半の「おもしろきこともなき世をおもしろく」だけだと「つまらない世の中を俺が面白くしてやるぜ!」のように読めてしまいますが、後半の一節で「おもしろくするかどうか考え方次第でーす。」という。無限ですね。

我以外皆我師ー宮本武蔵
人も自然も、この世の全てに理(ことわり)があり、それら全てに学べる事がある。ということでしょうか。
こんな境地の人を倒せる気がしません。

Think differentースティーブ・ジョブズ(Apple Computerの広告メッセージ)
Google翻訳にかけると「違うと思う」とか出てきて笑っちゃいますが、意訳的には「発想を変える」「ものの見方を変える」だそうです。スティーブ・ジョブズらしいというか、哲学ですね。

全てを疑え。先生の言うことも信じるなー専門学校最初の担任の先生からの一言
最初「うそーん」って思いました。話を掘っていくと、聞いた話を鵜呑みにするんじゃなく、ちゃんと「本当にそうか?」と問いを持ち考え続けなさい、という意味。
元としてはカール・マルクスなんですかね。

以上です!
このコラム、読むの疲れますねw

ABOUT ME
町田 祐一郎
1980年生まれ 専門学校卒業後、大阪の会社でWebデザイナーとして社会人スタート。 大阪でWebデザイナー、神戸でWebデザイナー、大阪でWebディレクターと関西圏でWeb制作のキャリアを積む。 2012年に愛媛に移住し、同時に株式会社アイムービックに入社。 ディレクターとして自治体、企業のWebサイトの企画設計、リニューアル提案、制作ディレクションに携わっています。 大阪でのマーケティング会社在籍の経験を活かし、マーケティングとWebの知識をバランスよく配合し、生々しい現場のための現実でロジック立てた企画を組み立てるのが好き。 たてヨコ愛媛では、たてヨコ愛媛のWebサイトや松山テイクアウト部のWebサイト制作も担当しています。 愛媛に移住して8年経過して今なお関西弁を使いますが、そんなボケまくったりしません。どっちかというと恥ずかしがり屋の人見知りです。
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