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哲学

最近、「哲学する」たてヨコメンバーが増えてきました。これは一時的なブームではなく、今後大きなうねりとなるはずです。

この波に乗って、哲学してみませんか?


著者:岡部明吉

1984年1月3日生まれ今治市出身。大学・大学院と6年間福岡で過ごした後、地元愛媛の三浦工業(株)に就職。入社直後の泊まり込み研修で恋愛講座を開講。車座になり、毎晩同期と「恋愛とは何か」について議論する。その後、万年平社員として活躍する中で、「出世とは何か」を問い続ける。充実した社会人生活ではあったが、駅伝部エースの座を奪われたタイミングで転職を決意。転職では、面接時に「あなたにとって設計とは?」と聞かれ、その問いに惹かれて住友重機械イオンテクノロジー(株)に転職。

名話に、「目に見えるものしか理解できないお受験ママ」「経済はマネーゲーム、あなたの現実世界はどこに」「経営を語る平社員」「大人になるということは、哲学を持つということでしょう」など多数。


私の考える哲学

哲学とは物事の本質、またその本質を捉えようとする態度のことだと思っています。哲学することで、思考の枠組みが築かれ、それによって直感的な感覚が生み出されていると思います。

「常識を疑え!」という言葉がありますが、この言葉をそのまま理解するのは間違っていると思っています。問いは、常識を疑ったとされている人が、それを常識と思っていたのか?です。常識と思っているのは周囲の人たちで、常識を変えた人にとってはそもそも常識と思えなかった、というのが正しい理解だと思うのです。そう考えたとき、世の中で常識とされていることを常識と思えない、それがまさに哲学的な思考の結果であり、直感だと思うのです。時代とともに移り行く常識、そこに本質というアンカーを打つことができる、それが哲学です。

変わりゆく会社の存在目的

近年、人々が哲学を語るようになった最も大きな理由の一つは、快適な暮らしが容易になったことだと思います。生きることに必死な時代であれば、物事の本質を考えるより、目先のことをどう改善するのか、に注力すると思います。生きることが容易になった今、どう生きるべきか、という課題が突きつけられているように感じます。

そんな中で、「快適な暮らし」を目指して頑張ってきた会社はその目標を失いつつあり、大きく変わろうとしているのではないでしょうか。私は、会社の目指すべき方向が、より本質的な目的に近づいているように感じています。

シンプルに考えて、目指すのは幸せな人生

これまで会社の存在目的は、当然のように「利益を上げること」と考えられていたと思います。しかし、これこそまさに疑うべき常識のように感じます。

人は幸せな人生を目指すものであり、究極的には仕事もそのための手段であるべきだと思います。であれば、「人を幸せにするために会社がある」と考えるのが、本質的な会社の存在目的ではないでしょうか。利益を上げないと会社が潰れるんだから、幸せもクソもない!と言う意見もあるかもしれませんが、私は「人を幸せにしている会社だから、存続するために利益を上げないといけない、人を不幸にする会社なら無くなった方がいい」と思っています。

ティール組織、エシカル消費、安全・安心の場、CSR、SDGs・・・最近よく聞く取り組みも、本質的には会社の存在目的の変化だと思います。会社の利益のためではなく、人が幸せになれる社会のために。私はそう捉えているので、本質を見誤り、SDGsがお金になるかどうかを議論することにはすごく違和感を感じます。

人事評価制度の哲学

多くの組織で、目標設定型の人事評価制度が機能していないという話を聞きます。その理由はアメリカと比較され、上司と部下の権力格差が大きいからとか、ジョブ型とメンバーシップ型の違いがあるからと言われます。

ここで改めて、会社の存在目的を「人を幸せにすること」と考えてみたらどうでしょうか。問いは、評価すべきは仕事の成果のみでよいのか?です。よく、成果を公平に評価する方法については議論はされてきました。しかし、そもそも、評価する対象が仕事の成果でよいのか?というのは、疑うべき常識だと思います。たしかに、会社の存在目的が利益であれば、仕事の成果が評価されるのは当然だと思います。しかし、もし会社の存在目的が「人を幸せにすること」であれば、当然人を幸せにできる人は評価されるべきです。例えば、自分の仕事で成果を出せれば、人のことはお構いなし!という人をどう思いますか?

これからは、何を評価するか?が、会社の色になるのかもしれません。「私たちの会社は、こういう人物を評価する(=必要としている)」というのを宣言するわけですから。


そろそろ話が長いと言われそうなので・・・

哲学と聞くと、なんか退屈で面白くなさそうとか、触れちゃいけない言葉、みたいなイメージがあるかもしれません。しかし、あえて「哲学します!」を宣言すると、飲み会が面白くなりそうですね。

哲学は相互理解の最短ルート。ぜひ、飲みに行きましょう!

※飲み会の哲学トークは、他人の迷惑にならないよう2分以内に収めるよう心がけましょう

ABOUT ME
アバター
1984年愛媛県今治市生まれ。 福岡の大学・大学院で機械工学を学んだ後、地元愛媛の企業でボイラや半導体製造装置の設計・開発に携わる。 好奇心が強く、気になったことはとりあえずやってみる。その結果、志半ばのチャレンジが身の回りに散乱している。趣味は、マラソン、アウトドア、DIYなど。 普段から哲学的に考えるのが好きで、お酒を飲むと話が長い。ツリーハウスを作って、仲間でお酒を飲むのが夢。
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