初めまして!
愛媛のはじっこの離島が集まる町、上島町で教育関系の仕事をしている中裏修平と申します。
今回のたてコラムでは今世の中で起きている多くの大人が知らないであろうある改革について語ろうと思います!
教育関係の仕事をしている端くれということで、まずはちょっとした問題を。
問題:鎌倉幕府ができたのは西暦何年?
簡単ですね〜
正解は画像のすぐあとです。
正解は1185年でした〜!
え?1192年じゃねーの?『いい国作ろう鎌倉幕府』ってあるじゃん。
ねぇ。ねぇ!
と、思った方。
実は数年前に1192年から1185年に変更となりました。
なぜ変わったのかというと、有識者の中で「鎌倉幕府の成立がいつになるのか」という”いつ”の考え方が変わったんです。
かつては源頼朝が征夷大将軍に任命されたときが幕府の成立の時期であるとされていましたが、今では全国に守護・地頭を設置して支配力を全国に広めたことを頼朝の実質的な支配と考え、そのタイミングを幕府の成立の時期とするという考えが有力になったのです。この先、また1192年に戻ったり別の年号になる可能性もあるそうです。
今の小学生たちは『いい箱作ろう鎌倉幕府』と覚えるらしいですよ。
さて、前置きはこれくらいにして、本題に移ります。笑
意外と知らない大混乱の日本のある改革とは?
結論から伝えると、ある改革とは『教育改革』です。
センター試験が共通テストという名前に変わり実施されたのは皆さんの記憶に新しいと思います。
そのほかにも小学校から英語教育が始まったり、プログラミング教育が始まったりと。
プログラミング教育とは各教科にプログラミングの考えを取り入れて論理的に物事を捉えるというものです。学校の科目に『プログラミング』が入ると勘違いされている方が結構います・・・。もちろん『プログラミング』を指導する授業も取り入れられている学校もありますよ!
「まぁ、教育って時代に合わせて変わるもんね。」
と思っているそこのあなた。他人事ではないですよ!!
今回の改革は本当に気合が入っています。
今までにない教育を受けた子どもたちが社会に進出してきます。
新卒の学生が、バイトの子が、横を通り過ぎた小学生だって。
油断していると足元を掬われかねませんのでご注意を。。。
今回の改革、どんなもの?
そもそも、今、世の中はVUCA(ブーカ)時代と言われています。
VUCAとは
Volatility(変動性・不安定さ)
Uncertainty(不確実性・不確定さ)
Complexity(複雑性)
Ambiguity(曖昧性・不明確さ)
という4つのキーワードの頭文字から取った言葉で、簡単にいうと、これから先のことが複雑で予測できない時代になったということです。
特に生産年齢人口の減少・グローバル化の促進・AIの進展という要因により、私たちの想像以上に社会環境の変化速度が上がってきています。昨今のコロナ禍でも見えたように、今まで正解だったものが正解でなくなり、正解を探し出し作り出すという時代になってきたのです。その中で私たちは様々な課題を多様な人々と共同して解決しなければならなくなりました。
そんな時代にあった人材を育成しなければ!ということで昨今の教育改革が計画されました。
その最初のマトになったのは実は大学。
意外だとは思いませんでしたか?
考えてみると、確かにと腑に落ちる方もいると思います。
専門性の高い学びを社会にでて生かすためにも、大学は最高峰の教育機関として社会との接続が一番強くなければいけません。しかし、感じている方も多いと思いますが、大学で学ぶことって社会で役立たないことが多いんです。
というよりも、学んだことを生かすための経験や方法を教えてくれないところが多く、学んだのはいいもののどうやって生かしたらいいのかわからない学生を量産してしまっているのが現状なんです。
そんな大学教育に終止符を打つために数年前から国をあげて少しずつ改革をしはじめました。
大学を変えるために高校を改革
高校を変えるために中学を改革。
中学を変えるために小学校を改革。
一歩一歩ではありますが、色々な取り組みが実施されてきました。
アクティブラーニングという言葉を聞いたことがあるひともいると思います。これもこの改革の一端です。
『よーし!!!少しずつだが改革できている!現場は変わってきているはずだ!!』
と、なるはずだったのですが、多くの現場はあまり変わらず。。。
前例もない中での改革。長い目で効果を考える教育現場での実践はなかなか難しいものでした。(何よりも現場は超忙しく、新しいことを導入するという気概がなかなか生まれないことも多いようです。)
どうしたら改革できるのか、、、どうすれば教育現場の人たちは実践してくれるのか、、、と有識者は頭を抱えました。
そしてついに大きく改革できる妙案を思いついたのです。
それが「大学入試改革」。
いわゆる共通テストの発足です。
大学入試が変わると高校の授業の教え方も変えざるを得ません。
そこで大きく現場は動いたのです。そこからは数珠繋ぎ。
大学〜小学校までの改革が実践されたのです。
今でも教育現場は大混乱ですが。笑
学校教育の変化
これまでは「学んだことを理解しているか(知識・技能)」の評価が大きなウェイトを占めていました。いわゆるテストの点数のみで評価が決まるというものです。
今は、知識や技能に加え、それをもとにした「自分で考え、表現、判断し、実際の社会に役立てられるか」を評価します。
具体的に冒頭の鎌倉幕府の話で例えると、1185年になったということ自体は重要ではなく、なぜ変わったのかという過程が重要になります。
そして今の教育現場では、なぜ変わったのかをグループで話し合ったり、調べたりして自分なりの答えを出すという作業が多くなってきています。こういった指導方法を「主体的・対話的で深い学び」とよく表現されます。
ではそれを評価するための共通テスト(旧センター試験)ではどうなったのか。
国語では記述問題の出題があったり(今年は結局実施されませんでしたが)、数学では実社会で使われている例を提示した上で問題が展開されたりと、しっかりと自分の中の考えを言語化する問題が増えてきています。
また、共通テストだけでなく大学の個別試験でも上記のような問題や小論文の出題が非常に多くなってきました。
この試験を乗り越えるために各教育機関では試行錯誤が繰り返されているのが現状になります。
そして、そこに今は一人一台のICT端末を持たせる「GIGAスクール構想」というものも実践され、さらに現場は大混乱。
しかもしかも、そこに働き方改革まで入ってきて。。。笑
GIGAスクール構想と教育改革の内容をしっかりと実践することができれば、学生の間に我々大人が社会人になってから学んできた多くの力を身につけることができるのは間違いなく、問題なく実践できているところもあります。
終わりに
これまで述べたように、大学入試がどんどん変わってきています。
それは大学に入学してくる生徒の質が変わってくる(いる)ということです。
そして、入試対策をとっていく高校中学といった各教育機関も変わってくる(いる)ということです。
自分なりに考え答えを出す力を身につけた若者がこの社会を席巻するとき、我が国はどう変化していくのでしょうか。
また、人生の先輩として若者を導いていけるのでしょうか。
今日本に起きている教育改革は他人事ではありません。
変化の激しい今の社会で、これからどう考え生きていくか、どんな答えを持つかはみなさん次第です。