衝撃の処女作「哲学(2022年4月)」から早1年半。当時の反響は大きく、コメント数で年間チャンピオンに輝くも、コラム大賞にはかすりもしなかった。
しかし、コラム大賞に輝かずとも、今、アレは大きな波となり、ついに海を越えて江戸にも広がりを見せている。コラム大賞を取るという煩悩を捨て、ただ人々と共に物事の本質だけを追求する姿勢が支持されているのかもしれない。今回も、そんなアレに迫ってみたい。
哲学って何
まず、哲学を過去のコラムから感じ取っていただきたいと思います。
・・・はい、そんな感じです。
さて、以前たてヨコのイベントで食品ロスについて議論していたときに、ある方が「食品ロスの何がいけないのか」という質問をしました。貧困に苦しんでいる人がいるのはわかるが、その人たちに余った食事を届けられるわけでもないし、むしろ経済は回るのではないか。
その場で「何がいけないのか」を答えられる人がいなかったのを覚えています。
哲子は思う。その質問の答えは倫理観ではないでしょうか。最近流行っている「モッタイナイ」という思想です。そこに理由はありません。倫理観は、数値化されたわかりやすいものがもてはやされる世界では軽視されがちですが、人間が人間らしくあるために必要な要素であり、それは哲学から生まれるのです。
本コラムでは、30代サラリーマンの色眼鏡から見える社会を紹介したいと思います。
なぜ若者は政治に興味を持てないか
若者の政治離れが問題視されていて、その結果は投票率に現れています。最近は投票率を上げるため様々な呼びかけや取り組みがありますが、働きかける対象の原因と結果が逆転してしまっている点には、政治に関心を持ってもらうことへの無意識のあきらめのようなものを感じます。
哲子は思う。政治離れの原因は哲学です。
選挙で自分達の代表者を選ぶ上で大切なのは何だと思いますか?
そう、立候補者の哲学です。一方で、政策って表面的なものではないでしょうか。政策って何なのかを考えると、理想とする社会を作るための手段だと思います。じゃぁどんな理想を思い描いているか(まさに哲学)が重要な問いになります。政策を見てそれぞれの立場で損得を考えて誰がいいか選びましょう、だと、これはいいけどこれは嫌だとか、そもそも約束守ってくれるの?となって、結局無関心につながる気がします。
哲子は提案します。政策は二の次で、哲学的対話番組を企画してはどうでしょうか。哲子の部屋でやっているような哲学的テーマについて対話する番組です。きっと、この人を選びたい!となるでしょう。今の世の中はその真逆に見えます。自分の考えは出さず、当たり障りのない発言に終始する。人を理解する上で最も大切な「哲学」が見えない、それが政治離れの本質ではないでしょうか。
改めてそう考えると、総理大臣になって欲しい有名人って、自分の哲学を持っている人ばかりですね。
ん?待てよ。じゃぁ哲子は政治家になれる!?かと言うと、それは難しいかもしれません。哲学に加えて政治のスキルも必要です。哲。
「タイパ思考」のパラダイム
最近、タイパという言葉を耳にしますが、どうも違和感のある言葉です。そう、この「違和感」が哲学への入り口です。哲子の部屋では、皆さんからの違和感をお待ちしております。
さて、タイパというのはコスパのタイムバージョンで、つまりより少ない時間で効率よく成果を得る、ということです。もちろん、少ない時間で同じ効果を得ているのか?という疑問はありますが、そこには触れず・・・。ここではあえてこう問いかけます。「効率がいい」のはよいことでしょうか?なぜよいことなのでしょうか。
ちょっとしたブームのように語られますが、タイパの悪いものに魅力を感じる人がいます。そう、時間をかけてこだわりコーヒーを入れるカレーおじさんや、丁寧に生きるという考え方がそれに当たると思います。
哲子は思う。「効率よく幸せになる」と言われると違和感を感じませんか?効率を求めることと幸せは相性が悪い気がするのです。もしかすると、「効率がいい」は、人間のあるべき生き方ではないのかもしれません。だとすると、なぜ我々は無意識に効率を求めてしまうのか。きっと経済合理性の中で育ってきたパラダイムなのではないでしょうか。哲。
幸せ、経済合理性、となると・・・
そうです、お金の哲学。
ここでもあえて問いたい。「お金は大事ですか?」
子供のうちからお金の教育をするべきとか、お金で友情が壊れるとか、お金が大事という考えもあると思います。しかし、お金より自分の人生の充実の方が大事だと思うのです。そんなことわかっとるわ!と言われそうなので続きは哲子の部屋で。
でも例えば、好きなものを食べていいと言われたら、お金を知らない子供は、純粋に好きなメニューを選びます。でもお金を知る大人は高いメニューを選びます。また、自分の中に価値基準のある子供は、自分の好きなものを手に入れようとしますが、モノの価値を他人に決めてもらう大人は損得で物事を考えてしまいます。マンションと一戸建て、どちらが得かという観点はまさにそれです。
お金は「麻薬」のようなものかもしれません。本来の自分のありたい姿を歪めてくるし、幻想も見えると思います。そして今、私たちは中毒になっているかもしれません。今当たり前と思っている「お金が大事」の常識を疑ってみてもよいのではないでしょうか。
と言いつつ、私もお金は欲しいです。
「お金は欲しいけど、興味はない」
ワークライフバランスの哲学
お察しの通り、「ワークライフバランス」という考え方には違和感があります。
そもそも、ワークとライフは対等ではなく、ライフがすべてなのです。バランスをとるものではありません。
昔は、「仕事と私、どっちが大事なのよ!」なんて言っていました。
それが少し前からは、「仕事とライフ」になったわけです。
そして令和の今、再び「仕事と私、どっちが大事なのよ!」と言っているのは、在宅勤務のKさんの娘さんです。哲。
話を戻すと、ワークライ・・・
続きは哲子の部屋で。