あれから半年ちょっと。
AI画伯と呼ばれる生成系AIが話題になって、コラムを書きました。かなり昔のように感じますが、たった半年前のことなんです。
今や対話型AIと呼ばれるChatGPTが仕事を、社会を、生活を、そして世界を変えようとしています。
確かに仕事のツールとしてうまく活用すれば、めちゃめちゃ効率的です。ただ、できないこと・苦手なこと・時にオバカをやることなどの特性を知って利用する必要がありますね。
プロンプトエンジニアリングと呼ばれる「呪文の生成」術を学ぶ必要がある!と言われていますが、そんなものは半年もしないうちに不要になります。
なぜかって?だって、AIの進化は止まるところを知らないから!
その一例をお見せしましょう。
お恥ずかしながら、ヘッタクソな絵を描いてみました。
※スマホのホワイトボードアプリ(黒赤青の三色マジックしか使えない)で描いたので、まぁこんなもんです。
そしてそれをAIが描き直すと…こうなります!
ね。
この仕組み、画像生成AI「Midjourney」の新コマンド「describe」を使ってみました。元のヘッタクソな絵をdescribe機能を使ってアップロードすると、絵に描かれている内容を認識してプロンプト(呪文)を勝手に作成するんです、しかも4種類も!
そのプロンプトで実際に絵を描かせたものが先ほどの絵、なんです(一部)。
もう、プロンプトを考えなくてもいいんです。ちょっとした絵が描ければいいんです。まぁ、よりイメージに近いものを描かせようと思うと、それなりにプロンプトを把握して修正する必要はありますが、かなりハードルが下がりましたね。
ちなみに、絵の下の英文(プロンプト)が異なるので、仕上がった絵と英文の組み合わせを他のと比較してみると面白いかも。
ちょっと気になるAIの進化具合
さて。進化した!スゲい進化!と言われているAIですが、たった半年前から画像生成能力がどれだけ進化しているかを、見てみたくないですか?見たいですよね!見たいって言って!
ということで。同じ呪文で半年前に描かせた絵と、現在の絵がどう変わるかを比較してみましょう!同じ呪文でどう解釈が変わってどう絵が変わるのか、プロンプトもあわせて公開しますので、バージョン違いによる進化を確認してみましょう。バージョン表記で言えば、半年前はMidjourney version3、今はversion5です。
何度も言いますが、この進化、たった半年のことなんですよ。
※画像クリックで拡大します。じっくり細部までご確認ください。
と、まぁ。こんな感じです。いやぁ、すごいですよねぇ。
同じプロンプトを使ったのに、かなり描写力と表現力が向上していると思います。まだまだ進化する余地はありますし、改善して欲しいところもありますが、その辺はプロンプト次第。いわば呪文錬成をうまくできればより一層、自分のイメージに合ったものが仕上がってくることでしょう。でもそれも時間の問題。ここにも対話型AIが導入されて、プロンプト自体を勝手に構築して作成した上で、「こんなんでどう?」「こんな感じ?」と何度も何度も画像を提案してくれることになるでしょう、イヤな顔一つせずに。だって機械ですから。
そんな、自分のイメージを具現化できるツールとして、着実にAIは進化していきます。人に寄り添う形で進化を続けます。それもおそるべしスピードで。
もう一度言いますが、これたった半年ですからね。iPhoneですら、万人が使えるようになったのは初登場から3年後のiPhone4の世代(初代→3G→3GS→4)ぐらい。それを思うと、進化が早すぎる気がします。人間が追いつけないよぉぉ。
サイバーパンクなAI世界の時代にむけて、人は何を見据えて何をするべきか?
AI画伯の進化も止まることがないですが、現在話題の中心にいるのはChatGPTに代表される対話型AI。
仕事や生活が変わる!もっと便利になる!と歓迎する人もいれば、やれ仕事が奪われるだの、人間が不要になるだの、AIが人を使役するだの、いろいろとネガティブな想像もなされています(買収できない腹いせにAI開発やめろって言い出したとある金持ちもいますね(笑)、あげく自分でAI開発すると言い出して本末転倒ですが)。
ネガティブな意見は、どんな時代にも出てきます。自動車が出た時も、iPhoneが出た時もそうでした。
あぁ、人間って、ホント想像力豊かだなぁ…他者を否定することとか拒否すること、自分の損になることへの想像力って、ハンパないわぁ。
でも、この「想像」こそ人にしかできないことなのではないでしょうか。
AIが進化して、人の生活をより便利にサポートしてくれると想像できたなら、そんな社会の中で人がどうするべきかを想像する。そんな社会の中で人が何をするべきか想像する。
AIによって生活が変わり、仕事がなくなると想像したなら、そんな時代にマッチした新しい仕事を想像する。AIをうまく活用する仕事を想像する。
今以上に未来を想像することが、人がするべきことなのだと思います。
そのためには、食わず嫌いせず、ネガティブな意見に左右されず、まず使ってみること。まず体験すること。今するべきことはそれだと思います。
使わないと、AIの実力がわかりません。
使わないと、AIの進化の速度がわかりません。
AIに何ができるのか、AIがどう進化するのかがわからないと、
何もわからないままAIに使われ、あなたのポジションをAIに追われるでしょう。
ChatGPT曰く。
「AIは、与えられたデータから予測や創造をすることができますが、完全に想像することはできません。
AIは、学習に基づいて過去のデータから予測や生成を行うため、それまでに見たことがないものを想像することはできません。
また、人間のように自発的にアイデアを思いつくこともできません。
しかし、AIは、与えられた情報からパターンを見つけたり、それらを組み合わせたりして、新しいアイデアを生成することができます。
そのため、AIは人間の想像力を補完することができます。」
そう、想像こそ、人ができる最も重要でクリエイティブな能力なのですから。
※おわかりとは思いますが、今回のコラムのイラストは、全てMidjourneyで作成しました。