Column

たてヨコラム

たてヨコメンバーによるフリーテーマのコラム

ビジネス

ビジネスの世界でも役立つ文章力を磨く〜心を動かすコミュニケーションへの道〜

文書作成に悩む男性

ニュースメディア運営の会社に所属して7年弱になります。前の職場は出版社でした。15年前、ITベンチャーから出版社へ転職した私は、雑誌や本の情報をガラケーで読めるようにする”電子化”を主に担当。

ガラケーからスマホやホームページ、アプリ、電子書籍、電子雑誌。会社が変わりニュースメディアの記事配信と、載せるフォーマットが変わっても、ずっと文章と向き合う仕事を続けています。

文章は私たちの日常生活で、ますます重要なコミュニケーション手段となっています。ここ最近では、誰もがショートメッセージやチャットのほか、SNSやダイレクトメッセージで頻繁にテキストをやり取りしていることでしょう。

仕事でも、メールや報告書作成で、主に文字を使って情報を伝えていますよね。一方で、プライベートでは気軽にメッセージを送れるけれど、仕事で上手に文章を書くのは難しいと感じる人も多いでしょう。どうしたらいい文章が書けるようになるのでしょうか?

いい文章を書くには

まず、「いい文章」とは何でしょうか? いろいろな意見がありますが、私はここで「『いい文章』とは、読んで心が動いたり、行動を起こしたくなったりする文章である」と定義して、いい文章を書くための考え方を説明していこうと思います。

読者が心を動かすためには、最後まで読んでもらわなければなりません。途中で読むのをやめられては、動くはずの心も動かないし、行動を起こそうという気持ちにもならないのです。

最後まで読んでもらうために

途中でやめられず、最後まで読んでもらうためには、文章にどんな内容が含まれていればよいのでしょうか。私は「共感できる内容」と「驚きのある内容」が文章に必要だと考えます。

共感できる内容」とは、読者が自分のことのように感じられる部分です。例えば具体的な話や自分の経験を伝えることで、読者とのつながりができていきます。共感できなければ、読者は自分との接点がない文章だと判断し、最後まで読まないでしょう。

また、多くの人が悩んでいる問題を話題にすることも効果的です。例えば、仕事の効率やコミュニケーションなどは、どんなビジネスパーソンにとっても共感できるテーマでしょう。

もうひとつの「驚きのある内容」とは、読んで新しい発見がある部分です。書き手だけの意見や考え方を伝えることで、読者の興味を引きます。書いてあることが読者にとって全部知っている話だったり、ありきたりな意見だったりすれば、読む価値がないと感じられてしまいます。

さらに、データや研究結果を使うことで、主張に意外性や信憑性が生まれます。

ただ、共感や驚きを無理に取り入れすぎると文章が不自然になってしまうこともあります。自分の言葉で自然に伝えられる範囲で、共感や驚きを取り入れましょう。結果、最後まで読んで良かった、読んで得した、と思ってもらえる文章を目指します。

文章を練る

さらに、いい文章を書くためには、自分の文章を練る作業が大切です。

私は、文章を書き終えたときや、他の人が書いた文章を編集するときに、次のようなポイントをチェックしています。少なくともこの5つのポイントさえおさえて直していけば、素敵な文章に近づけるでしょう。

①固有名詞や数字に間違いがないか
②主語と述語の関係があっているか、話を脱線させたり、最初と最後で言いたいことが変わったりしていないか
③言葉を正しく使えているか、簡単でわかりやすい言葉か、ありきたりな表現を入れていないか
④同じ単語や同じ文末が続いたり、平仮名ばかりや漢字ばかりになったりなど、見た目に違和感がないか
⑤声に出しても読みやすいように、長い段落や文は短くできないか、接続詞は削れないか

これらは、私の15年の経験で得た知恵でもあります。そして、可能であれば書いた文章を他の誰かに読んでもらい、感想をもらえるとよりベターです。

書いて練るを繰り返すことでいつの間にか文章力が身につくことでしょう。基本的な文章の練り方を知っていれば、ビジネスの世界でも文章力向上の役に立つはずです。

AI技術を活用した文章のサポート

最近では、ChatGPTのようなAIを使ったツールによって、文章を書いたり、直したり、アイデアを出したりするのを手伝ってくれます。文章が上手になるだけでなく、時間も節約できます。

また、文章を作るだけでなくて、他の表現を提案してくれるので、文章の書き方が学べます。さらに自分の要望に合わせた内容も提供してくれるので、仕事にも便利です。

ただ、AIは優れた技術ですが、まだ完璧ではないので、間違った情報や変な表現もあります。AIの文章をそのまま信じずに、自分でちゃんと判断しなければなりません。AIが出した文章やアイデアをちゃんと評価して、使いこなす力が必要です。

AIがある程度書けるからこそ、個人の文章力がもっと必要とされる時代になりました。もちろん私も、心を動かす文章を書くために、まだまだ「文章」に向き合っていきたいと思います。

ABOUT ME
京岡 栄作
内子町出身、大洲高・都立科学技術大(現:都立大)卒。地方自治体や企業のブランディング、プロモーション、ウェブ/音声番組/イベントコンテンツ企画、オウンドメディアサポート&運営者育成などを行う「エディター」です。2021年末に東京から松山市に移住しましたが、転職せずに完全リモートテレワークでそのまま東京の会社に所属しています。
PHP Code Snippets Powered By : XYZScripts.com