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たてヨコラム

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オンライン?リアル?ハイブリッド?イベント配信の奥深さ

たてヨコラム裏方の大美(おおみ)です。今までドローンやらVRやらのコラムを書いてきておりましたが、最近よくご依頼いただいたりお声がけいただいているとある案件についてコラムでご紹介したいと思います。
それは…「イベント配信」です。

「ハイブリッドイベント」配信が参加者にも主催者にも注目されている!

Photo of the interior of a modest-sized conference room. A presenter is seen in the distance, and in the foreground, machinery and devices used by the staff to broadcast the lecture on ZOOM are highlighted. Additionally, there is a camera set up, focused on capturing the speaker’s presentation.

コロナ禍による自粛もようやく治まったとはいえ、自宅で過ごす時間が数年前よりも多くなったという方も多いはず。
オンラインショップで買い物したり、友達とのオンライン飲み会を楽しんだり…。その延長で「オンラインイベント」に参加する方も増えたと思います。これは、参加する側だけでなく、主催する側も同じ。そして、「現場の雰囲気や熱気はやっぱり大切!」という声から、リアルイベントをオンラインで配信する、「ハイブリッドイベント」への注目度も高まっています。
さてそんなさまざまなイベントをオンラインでも届ける「イベント配信」という『裏方』の役割と対応内容について、ご紹介します。
※最近なぜか、社内外で「イベント配信」をすることが増えつつあります…私の本職、何だったっけ?

まずはイベント形態の楽しみ方から

さてイベント配信といっても大きく分けて3種類あります。それらについて説明していきましょう。

□オンライン限定イベント

Photo of a computer screen displaying a ZOOM meeting with 12 participants. All participants are seen waving cheerfully. In front of the computer, there’s a keyboard, and curiously, a small kitten is sitting on it.

自宅のリビングから世界中の友達と繋がる。そんな新しい時代の楽しみ方が「オンライン限定イベント」です。簡単にいえばZOOMでの打ち合わせやセミナー(ウェブ+セミナー=ウェビナーと呼ばれます)が代表的ですね。海外の友人や遠くの親戚とも気軽に再会でき、さまざまなコンテンツで楽しめるのが魅力です。お料理をしながらのトークセッションや、共同の趣味・活動を共有することで、新しい友達が増えることもありますね。

□リアルイベント

Render of an ongoing conference where the shot is taken from the right side of the stage. Audience members are in focus, and a few seem to be in the middle of a discussion or query with the speaker. The ambiance is one of pleasant engagement and active participation.

コロナ禍前まではイベントといえば、これでした。実際に会場に出向き、主催者や参加者も皆が一体となるあの空気感、生の声や笑顔、現場でしか味わえない一体感。ライブや展示会、ワークショップなど、実際に参加することで得られるリアルな体験はオンラインでは難しく、これはリアルイベントならではの魅力です。イベント後の懇親会やネットワーキングが一番楽しみだという人もいることでしょう(はい、私ですww)。

□両方楽しめるハイブリッドイベント

Photo capturing a comprehensive setup for a hybrid lecture event. A lengthened table displays an array of equipment: computers, cameras, screens, audio systems, and other broadcasting tools, all organized meticulously for simultaneous real-life and ZOOM sessions.

オンラインの便利さと現場の生の体験。二つの良さを一度に楽しめるのがハイブリッドイベントです。リアルイベント参加者も、オンラインの参加者も、参加者がどこにいても、同じ楽しさを感じる工夫や仕組みづくりが必要ですが、十分な成果が得られると、非常に充実感があります。

初心者でも簡単!イベントの配信方法

さてこれらイベントの配信ですが、実はコツさえわかれば意外と簡単。クオリティを高めたり追求していくとかなり奥深い世界ですが、実際にやってみると案外できてしまうものです。そんな配信方法について、必要な機材や構成をイベントごとにご紹介していきます。配信担当の私が何を考え何に注意しているか、ご参考になれば幸いです。

□オンラインイベントの始め方
「オンラインって難しそう」と思っているあなた。実は、今使っているスマートフォンやPCさえあれば、すぐに始められます。必要なのは、ZoomやSkype, YouTube Liveなどのツールと、そしてカメラと配信するためのネットワークとPC・スマホ。特にZOOMは、基本的な使い方さえ覚えれば誰でも簡単に配信ができます。初心者ガイドや動画解説もたくさんあるのがありがたい限り。
このオンラインイベントは、ZOOM内で完結できるので、機材などに注力せずに実現できるハードルの低さが特徴です。

ただ一つ注意しておきたいことは、音質です。メインで話をする方の音質=マイクにはこだわりましょう。
人間の知覚は80%以上が視覚情報と言われていますが、動画となると脳は、映像を処理するよりも先に音声を処理します。そのため、映像が時折止まったりブラックアウトしても、音声さえクリアで明瞭に配信ができていれば、なんとか続けることが可能です。
そのためには、機材備え付けのマイクよりもUSB接続などができる専用マイクの利用がおすすめ。マイクにこだわることで配信のクオリティが一段階上がります。
マイク付きヘッドフォンも口元でしっかり音声を拾ってくれるので使ってみてください。こちらはスマートフォン付属のものでも、100円ショップで販売しているものでも機材据え付けマイクよりは音質が良くなります。

□リアルイベントの注意点
リアルイベントの配信は、場所の確保や機材の設置など、細やかな計画と準備が必要です。参加者の人数や内容により、マイクの数もスピーカーの数もそして会場奥までしっかり音声を届けるためのアンプなど機材もしっかり準備する必要があります。
また、どんな映像を配信するか、大まかなイベントの内容に基づきカメラ位置や映像の切り替えなどの段取りを組んでおく必要があります。そのため、主催者側と十分な打ち合わせと台本・構成の共有が必要です。
しっかり計画を立てることで、トラブルを未然に防ぐことと、イベントの成功につながります。

リアルイベントの場合は、パソコンさえ持ち込めば他の機器(プロジェクターやマイク、スピーカーなど)が常設されてて利用できる施設を利用できるのであれば、とても楽チンです(サイボウズさんとか)。しかし、普通の会議室やホールなどの場合、それら機材がない場合はレンタルや購入などで準備する必要があります。

さてリアルイベントを行う際に必要な機材は、会場に投影するためのプロジェクターとスライドを表示させるPC、登壇者用のPCとその映像をプロジェクターとスイッチャーに同時に流すためのHDMスプリッター(分配器)、登壇者や会場を撮影するカメラ・三脚、それら複数の映像からどの映像を選ぶかのスイッチャー、そして登壇者や司会者が話をするためのマイクと、会場に音声を配信するためのスピーカー・アンプ、マイクやBGMを適切なボリュームで流すためのオーディオミキサーなどになります。リアルイベントだけで完結するなら上記機材のみでOK。
そして、リアルイベントの内容をリアルタイムにオンラインで配信せず、録画した映像を編集してからアーカイブとして配信するのであれば、上記スイッチャーに録画機能があればバッチリ!録画した映像を後日、アーカイブ配信としてYouTubeなどにアップするだけなので、イベント当日の裏方さんが少し楽になりますが、リアルタイムで配信を行う場合、ZOOM参加者からの質疑応答などの音声や映像を会場に共有しない場合は、少し簡単です(とは言っても色々対策は必要です)。スイッチャーからの出力を配信用PCに接続し、ZOOMなどにそのまま配信する…という仕組みの追加が必要です。

□ハイブリッドイベントのコツ
実はハイブリッドイベントが一番難易度が高いです。というのも、リアルイベントの参加者と、オンラインイベントの参加者、どちらにも平等に楽しんでもらうための工夫が求められるからです。リアルイベントで行う計画や準備に加え、オンラインでリアルタイムで配信するための準備、そしてオンライン参加者の声や姿を会場にも投影するための仕組みづくりが必要です。

具体的にいうと、映像面ではプロジェクター、登壇者用のPCとその映像をプロジェクターとスイッチャーに同時に流すためのHDMスプリッター(分配器)、ZOOM参加者の様子を確認するPC(ZOOM配信も兼ねます)、そのZOOM参加者を会場のプロジェクターに投影するためのHDMI切り替え機(セレクター)、さらに!登壇者や司会者、会場の様子を映し出すためのカメラ(ビデオカメラ)などが必要ですね。
そして音声面では、登壇者のマイクが数本(有線とワイヤレス)、それら音声を会場に配信するためのアンプとスピーカー、会場のマイク音声とZOOM参加者の音声をうまくミックスするためのオーディオミキサー、および各種ケーブル、会場にきちんと音声が流れているかをスピーカーで出力する前に確認するヘッドフォン…といったところでしょうか。
さらに(まだあるのか)、上記映像の切り替えを行うためのスイッチャーと、どのカメラがどんな映像を表示しているかを確認するためのモニタ…とまぁ、いろいろな機材が必要になるわけです。

さらに注意したいのが、オンライン参加者の音声の扱いです。オンライン参加者の声を会場のスピーカーから流すと、その音声がリアル会場のマイクを通じてオンラインに配信され、その声が再び会場のスピーカーから流れる…という、音声が時間差でループする現象が生じて、エコーがかかったように非常に聞き取りにくい音声になってしまいます。これを「ハウリング」と言います。
この現象をなくすために、オーディオミキサーを使った「マイナスワン」という処理が必要になります。この処理、かなり手間がかかるのですが、うまく実現できるようにするために、何度も何度も試行錯誤し、ようやく実現に漕ぎ着けました。
ここでも注意すべきは、「音声」。リアルイベント参加者向けの「音声」と、オンライン参加者向けの「音声」、両方ともによいクオリティで届けるようにすることが、イベント配信成功の第一歩となります。

あなたのイベントの配信を成功させるために!

Photo taken from the right side of a speaker at a real-life conference. The angle provides a view of the attendees, and one of them appears to be asking a question. The atmosphere is both cordial and lively, indicative of an engaging lecture session.

さてさて、かなり専門的なことを語ってしまい申し訳ございません。
しかしながらさまざまなイベントをさまざまな方法で配信する時に、最も大切なのは「楽しむ心」です。
イベント主催者がイベントを「楽しむ」ことはもちろん、配信する側も与えられたミッションをうまくクリアできるように「楽しむ」こと、そして参加者がイベントを「楽しむ」心を持つことで、素晴らしいイベントになります。
新しいことに挑戦する際の不安や緊張はあるでしょうが、その全てを楽しんでみましょう。そして、その楽しさや魅力を参加者にも伝えていくことで、あなたのイベントはきっと成功します!

私のイベントをオンラインでも、リアルでも、そしてハイブリッドでも配信したい!という方、いらっしゃいましたらぜひお声がけください。微力ながらお手伝いさせていただきます。


今回のコラムの裏側についてご紹介。
このコラムに掲載の画像は、実はChatGPT4Vに搭載されているDALL-E3(ダリ3)という画像生成AIに作ってもらいました。プロンプト自体はこんな絵を描いて〜とオーダーした日本語を勝手に英語のプロンプトに翻訳して出力されています。キャプションに入れている英文が、ChatGPTが考えた英語のプロンプトですので、こちらも生成AIの出力の参考例になれば幸いです。またコラムのベースとなる構成や原稿内容も、6割ほどChatGPTに書いてもらったものを私が手直し&追記してまとめてみました(配信のフロー図3種は全て、私が作成しております)。

おまけ
今回のChatGPT4Vで絵を描かせたやり取りをPDFにしましたので見てみてくださいませ。こんなテキトーな指示でもちゃんと挿絵作ってくれるんですよねぇ。

ABOUT ME
大美 和博
カメラ・ドローン・mavic mini・THETA・VR・空撮・おやじの会・衝動買い… 好きなものがありすぎて首が回らない日々を送るオーバー50。 なぜかGoogleストリートビュー公認フォトグラファーだったりするが、実は「酒好きのただのおじさん」。 タウン情報まつやま、四国旅マガジンGajAなどを出版している株式会社エス・ピー・シー勤務だが、出版物にはほとんど関らず、SNS広告配信、アクセス解析、動画撮影、ドローン空撮、VRコンテンツ制作、動画配信業務など、多種多様な業務に巻き込まれ中。
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