■はじめに:猫のまなざしと決断
ある朝「そんな顔してまた“仕事”に行くの?」そんな視線を感じる
視線の主は奥さん ではなく猫 そうこいつ → →
その目が、「あなた、本当にやりたいことやっているの?」と言っている(気がする。いやしたね。間違いなく)
そしてその目線を振り切り、今日も僕は出かける
ああ、今日も体が重いな・・・・・
これが、ちょうど4年前、2021年6月上旬 そしてこの日から半月後 いろいろな方の支援をもらって退職

■HEROと猫:世の中は猫が回している説
こんにちは 昔はコーギー派だったのにいつの間にか『キジトラ』を愛してやまない吉原匡樹です。全国、いやたてヨコの中で猫好きの皆様に送る今回のコラム。
仕事場に猫が常駐していますが、ふと「世の中は猫が回してんじゃね?」と思い、この説を述べてみたいと思います。そのキーワードが「心理的資本」という聞きなれない言葉で語ってみたいともいます
■心理的資本ってなに?
心理的資本(Psychological Capital, PsyCap)とは、ポジティブ心理学の分野で提唱された概念で、個人の心の持ち方や態度、行動に関わる「資本」としての心理的資質のこと。心理的資本は、個人や組織のパフォーマンスや幸福感を高める要因とされており、以下の4つの要素で構成
- 希望(Hope):目標達成への道筋を見つけ、柔軟に戦略を調整しながら前進する力
- 効力感(Self-efficacy):自分の能力を信じて挑戦や困難に立ち向かう自信
- レジリエンス(Resilience):逆境や失敗から立ち直り、再び挑戦する力
- 楽観性(Optimism):未来に対してポジティブな期待を持ち、良い結果を信じる態度
この4つの言葉の頭文字をとってHEROと呼ばれています。心理的資本とは、いわば心のありよう・状態を指し、最大の特徴は「開発的な可能性がある」ということです。一時的な気分上昇ではなく『状態の持続性』があります。
(㈱Be&Doのサイトより転載)

そして最近耳にすることの多い人的資本との比較すると・・・(下記図は㈱Be&Doのサイトを参照に作成)
人的資本1.0
個人のスキル、資格、知識。「資格取りました!」「英語できます!」ってレベル
社会関係資本2.0
人とのつながり、信頼、関係性。「誰に聞けばいいか」「誰が助けてくれるか」を持ってること
心理的資本3.0
心の持ち方そのもの。「できる気がする」「失敗しても大丈夫」のマインドセット

こうやって見ると『心理的資本』は、今主流になっている『人的資本』や『社会関係資本』の土台になる部分と言えるのではないでしょうか?確かに技術や能力があってもメンタルが弱いからできなって言われることありますよね?単純にメンタル問題だけ片付けられないのがこの心理的資本の面白いところでもあると感じています。
たてヨコはこの3つの資本がめっちゃ可視化され、相互にシナジーを生み出しているコミュニティだと感じています
ちなみに人的資源ではなく人的資本というのは、「資源」ってのは、使ったら減るもの。例えば、石油、水、等。「資本」は、伸縮性のあるもの。減るけども増やしたりできる。貸借対照表の現預金や固定資産などの資本もそう。また人材や知恵、信用とかは数値には表れないけど、間違いなく資本ですよね
■猫会長の視点で見ると・・・
6年前、我が家に来た当時の猫会長はこんな感じ。我が家に来てすぐ馴染んでくれ、癒しを与えてくれるようになります。いたずらもそれなりにし、カーテンや家具でツメは研ぐし、食べ物以外を食べて大騒ぎ!それでもいつの間にか、この子が我が家の中心になり「猫がいるから旅行に行けない」っていう暗黙の了解ができつつありました。
そう、猫を飼うと生活の中心に! 世の中の最小組織単位(!?)ともいえる「家庭」が猫中心になった瞬間でした
そして、ここで初めて「世の中は猫が回してんじゃね?」という説に気が付く

では、あらためて『世の中は猫が回してんじゃね?』説を心理的資本を交えて、猫会長とともに解説します
Hope(希望):「たぶん、今日もうまくいくにゃ」
▷猫会長
・仕事部屋のドアの前や階段下で鳴き続ける根気→「まだ可能性はある」(でもかまってちゃん)
▷ビジネスの現場では?
・起業して1年間で名刺を600枚以上配った。それでもなかなか反応なく「やばい」でもという危機感が、少しずつ反応が出てきて、逆に今では対応しきれないことも。ここで「猫のしつこさ」が営業の本質?だと気づく。もうダメかもしれないと思った瞬間、希望を握りしめる勇気が、突破口になる。それは、誰かの心に小さな火を灯すような、静かな執念かもよ(しらにゃいにゃ)
Efficacy(自己効力感):「ジャンプできる。私は猫だから」
▷猫の行動
・網戸に止まったセミめがけて飛びかかる。たとえ落ちても再チャレンジ
▷ビジネスの現場では?
無理かもしれないと思いながらも、「猫の餌の為」と気合で受注。「どうせ無理」から「やってみよう」へ。信じられる誰かがいるだけで、人は思っていた以上の力を発揮できる(はず)猫の様に自分の限界を決めないマインドが、時にチーム全体の空気を変える。(残念ながら、わが社にはチームはまだない)
仕事していて猫の存在に助けられたことは数知れず、それ以上に邪魔するけどね(はよ、かまえ!)
Resilience(回復力):「寝ればなおるにゃ」
▷猫の行動
・キャットタワーから駆け上がる途中落下しても、10秒後にはゴロゴロ言って失敗を引きずらない
▷ビジネスの現場では?
プレゼンで手応えゼロ。クライアントからは「ちょっと違いますね」車中で落ち込みながら、スマホを見ると猫の寝顔。帰社後企画をゼロから作り直し、2週間後に受注。むしろ「ダメージ回避」ではなく、「立ち上がる力」がレジリエンスじゃね?もしれない(ようやく、あたしがかわいいって気が付いたか)
optimism(楽観性):「きっと世界は私の好きな物でできているにゃ」
▷猫の行動
・「煮干し「一匹であっさりケージに入る」その隙に下僕はケージを締めて外出。「聞いてないにゃ?」という恨みつらみの視線から寝る切り替えの早さ
▷ビジネスの現場では?
補助金審査に3回連続で落ちた。でも4回目で「今度はいける」と挑戦し、採択。その理由は「文章にポジティブな展望が感じられた」とのことだって(笑)悲観して動かないより、楽観して動いて修正するほうが人生は前に進む猫のように、「期待すること自体が力になる」と知っている者は、強い(餌くれー)
■猫吸いはベホマ以上の魔力!!
猫好きな方が1日の疲れをいやすのは一杯のビールよりも猫吸い(笑)ただし、夏場は自分の汗で猫の毛がまとわりつく。猫吸いされている猫の目がすべてを物語る(軽い猫アレルギーも引き付ける魅力!)
そんな猫からの学びは・・・

◆「希望」で突っ走って、顧客ニーズを見誤ることもあるにゃ
→商談者と決定権者が違うと方向性が全然変わり受注につながらない。無駄な時間だけが過ぎていく
◆「自己効力感」が高すぎると、他人の意見が聞けないにゃ
→俺が全部やる→属人化→倒れたら詰む。倒れて猫吸いの魔力(ベホマ)に引き寄せられる
◆「回復力」を言い訳にして学ばないと、同じミスを繰り返すにゃ
→「ふて寝→リスタート」は猫だけに許される技。たまに人間も寝て忘れる
◆「楽観性」が過剰だと、リスク対策を忘れるにゃ
→ポジティブと無計画は、紙一重。直感だけで生きてきた私には計画性はないかもと思うことも。でも仕事しながら最短距離で寝ている猫の顔を見て自分の気力・体力がいつの間にかも回復していることに気が付く
■やっぱり世の中は猫が回している!!
この様に見てくると世の中は猫を中心として回っているといえます。その証拠に職場に猫がいる会社も増えて来ています。猫に限らず動物は種類や飼い方、またお仕事によっては確かに邪魔をしたりということはあるにしろ、ふと疲れた時に近くで寝ている猫を見てほっとするのも事実。猫がいることで従業員エンゲージメントも上がります。賃金アップもそうですが、猫という癒しのおかげで仕事の効率アップだけでなく、心の充実。そしてその充実度合いが更なるチャレンジを与えれくれると信じています。
自ら職場に猫がいる環境を実践して気が付いたことは薬の効果はあるが血圧が大幅に下がった!!(それ以前は即入院レベルの高血圧)
これを描いている今も、足元にまとわりつき、机にのぼって軽く邪魔。だいたい1日机の横で寝ており、必要な存在になっています
最後に、先ほどのHEROで示される「希望」「自己効力感」「回復力」「楽観性」という心理的資本は、私たちの心を支えるだけでなく、猫たちが自然に体現している資質ではないかと思うのです。(たぶん)猫のしつこさ、挑戦心、切り替え力、楽観性は、ビジネスにおける生き方そのもの。猫が身近にいることで、無意識にこれらの資本を補充できるのかもしれません。だからこそ、猫はただの癒し存在ではなく、私たちを前に進める小さなエンジン。そう!『世の中は猫と心理的資本が回している』──そして会社は創業以来離職率ゼロ~!(←もともとお前しかおらんにゃ!それよりも今年こそはコラム大賞とって賞金で大間のマグロ買えにゃ!!)
会長~ヨコワじゃだめっすか?・・・