
稲見さんからバトンを引き継いだ「問いを立てるシリーズ」。
新年度に向けて書きたかったテーマを重ねつつ、タイトルそのまんまですが皆さんと議論(?)したい問いはこちら!
【問い】タイムスリップして、昔の自分に何を伝える?
以下は私が書きたかったコラムです。
4月から新しい環境での生活が始まるみなさん。
おめでとうございます。
そして、どうも18歳の私。
私は27年後の未来からやってきた今年で45歳になるあなたです。
・・。
・・・・・。
・・・・。
びっくりとがっかり混ざった複雑な顔してますね。そりゃそうですね。
え?27年後とかじゃなくもうちょっとキリのいい数字…ってええやんそんなん。。
いよいよ4月から専門学校生として新しいスタートを切るわけやし、せっかくやからお祝いの言葉でもと思って来たのでちょっと聞いてほしいのよ。てか聞いてお願い。
・・。
よし、じゃぁ話するね。
拝啓、十八の私
とにかく刺激がない田舎から出て、都会の空気に触れたかった私にとって神戸(都会)の学校。わくわくですね。
おーーーっと待ってよ。
25年後の自分がイラストレーターになっているのか、実際のところ今何の仕事をしているのか、どこに住んでる?彼女は?結婚は?そのヒゲはいつから?気になることがいっぱいあると思いますが、あんまり具体的なネタバレすると私が消えてしまうので教えられません。ごめんね。
今日、私に伝えたいのは3つの「できる限り続けてほしいこと」です。
1. たくさん実践する
2. たくさん勉強する
3. 好奇心の蓋を開ける勇気を持つ
ほんとはもっといっぱいあるけど、覚えられんやろ。
…って「もったいぶったわりに普通の事やなぁ」って顔せんといてくれる?
まぁこれだけ言われても何のこっちゃ感あるやろから解説しとこか。
1つめの「たくさん実践する」
これは2つめの「勉強」と同じぐらいか、それ以上にやるぐらいのバランスが良くて、つまり「インプットよりもアウトプット」は意識しといてほしい。昔の誰かが「百聞は一見にしかず」って言ったと思うけど、あれに加えるなら「百見は一行に及ばず」やね。
へっぽこなりに何年か柔道やったから感覚分かると思うけど、座学だとどうしても限界があるやろ?これから専門学校に入って何かを作る仕事を目指すんやったら、仕事も遊びも何でもとにかくたくさん「実践する」こと。
もちろん成功もするし、失敗もする。むしろ失敗の方が多いかもしれんけど、失敗することよりも「失敗も成功もしない」つまり「何もしない」が一番あかんで。
2つめの「たくさん勉強する」
勉強ってただ暗記する事じゃない。暗記苦手やから分かってるやろけど。
これから専門学校に入り、社会人になり、今の君の年齢以上の年数を越えて元気な限り仕事をし続けていく事になる。その過程にあるたくさんの出来事から感じることもある。教わることも、見て盗んだり、聞いたり、習ったり、本を読んだり。特に何気ないような意識してないことでも、後々から考えたら学びになったりする。これほんま。
「役に立つか立たないか」はあまり考えなくて良い。「意味分からん…」と思う事もある。いろんな積み上げがある瞬間に繋がって、時間差で「あっ!そういえば!」って学びになる事もあるから。とにかく何でも吐くほど吸収しまくってください。そのあと考える。そしたら何でも勉強になる。
3つめは「好奇心の蓋を開ける勇気を持つ」
最後だけめっちゃ抽象的な話で具体的に何するのかよく分からんかもしれんけど…言い換えるなら「自分の中に居る、何にでも興味を持つ子ども心を愛してあげる」かな。ちょっと難しい言葉になると「疑問を持つ」とか「問いを立てる」とか「衝動」も近いかな。
好奇心って性格もあるのかもしれんけど、少なくともさっき言った「実践」や「勉強」のきっかけになる重要な感情やねん。これの蓋をして閉じ込めないように気をつけるように。
ただ、自分は純粋な好奇心と思っても、人によっては暴力的、破壊的、否定的に見られることもあるので、表に出しすぎると周りから色々言われたり思われたり変な人扱いされるかもしれん。そうやって向けられる感情に臆してしまうかもしれんけど、倫理感や敬意やリスペクトがちゃんとあるなら、蓋をせずほんのちょっと勇気を出してみてほしい。
結局長々と話しちゃったけど「あの自称”俺”のおっさん、あんな事言ってたなぁ」と、たまに思い出してもらえたらそれで十分です。
この先、当たり前やけど色々あります。
終わらない、しんどい、面倒だと思うこと。
辛い、苦しいと思うこと。
自分の力不足に悔しくてたまならなくなること。
もっとほかに何か出来たんじゃないのか?と問い詰めたくなること。
これ何の意味あるの?無駄じゃない?と思うこと。
時間ギリギリで焦ること。
脂汗が大量に出るようなこと。
理不尽と思うこと。
そういうのいーーーっぱい遭遇します。
逆に、楽しいと思うことも、面白いと感じることも、気持ちがグワァー!って盛り上がる瞬間も経験すると思う。
とにかくたくさん実践し、たくさん勉強し、きっかけを敏感に察知してください。そしたら、少しだけかもやけど、明るく前向きに過ごす事ができると思う。
Facebookグループのコメント欄で話したいこと
この春自分の子どもが高校生になるということもあり、祝辞的なものを…というのが今回のコラムのきっかけでした。また、最近毎日のようにAIの話がされ、自分もその便益や可能性に驚愕する中で感じた「AIから出てくる回答を鵜呑みにせず問いを立て使いこなすには、むしろこれまで以上に勉強せなあかんのちゃうの…」という大きな壁と、「AI vs 人間」ではなく「AI × 人間」という共存により見えそうな明るい未来への可能性。
そして、その一方でよく言われる「日本の義務教育以降の学習意欲は世界で面白いぐらい低い」といったデータ。
これらの話をまぜまぜするうちに「過去の自分に何かを伝えるなら?」という問いが爆誕しました。
みなさんは、タイムスリップして過去の自分にどんな事を伝えますか?
なお、タイムスリップ時のルールが2つあります。
1つめのルールは「具体的な事実は伝えてはならない」。
2つめは「何を伝えたとしても、過去と今は変わらない」です。
1つめのルールを守らなかったとき、あなたは激しい頭痛とともに未来に強制送還されるのでご注意ください。
2つめのルールは、まぁ何を言ったとしても今のあなたに帰ってこれるので、ある意味で安心材料と言えるでしょう。
それでは良い時間の旅を!