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たてヨコラム

たてヨコメンバーによるフリーテーマのコラム

掃除ができない妻と、綺麗好きな夫の1000日戦争

ぼくは掃除ができない

みなさん、掃除は得意ですか?

この問いに「YES!」と即答できる人は、きっと日々の生活も整理整頓され、整然と毎日を過ごしていることでしょう。素晴らしい!

でも、もしあなたが、

  • 部屋の中でよくスマホをなくす
  • 読みかけの本が部屋のあちこちに散乱している
  • 洗濯した靴下の片方だけがなくなってしまう

…そんな経験をお持ちなら、ぜひ、この先を読み進めてみてください。(はい、全部私の話です。)

掃除ができない人は「できない」ことに気づいていない

「私、結構綺麗好きだよ」と思っている人も、ちょっと注意が必要です。

「掃除ができる」とは、相手の掃除レベルによって評価が変わる相対的なもの。
もしかしたら、あなたは「掃除ができる」と思っていても、他人から見たら「きたねぇ部屋だな」と思われているかもしれません。(なんかのっけから喧嘩売っててすんません)

一方、掃除が苦手な人は、「私は掃除をしないだけ」「やればできる」と、心のどこかで思っているのではないでしょうか?

ほんとに?まだ本気出してないだけ?

目に見える部分だけを綺麗にするのは、たぶん誰でもできます。でも、それを再現性をもって、常に部屋を綺麗な状態に保つことは、意外と難しいものです。
なぜなら、部屋を綺麗に保つには、「掃除の型」を知らなきゃできないから。

掃除に苦手意識を感じているあなた。

めんどくさくて掃除を後回しにしているんじゃなくて、ほんとは「できない」んじゃないですか?

ただ、掃除が本当にできない人は、自分が「できない」と気がつけません。

なぜそう言い切れるかというと、私が現に「掃除ができない人」だからです。

「掃除はできるけど苦手」と思い込んでいた私が、「できない人だった」と気づいたのは、掃除ができる人と結婚したから。

そう、掃除には「型」があり、それを知らないと掃除なんて一生できないと知ったのです。

掃除コンプレックス

思い返すと、人生の半分は探し物をしていました。

子どもの頃は、いつも親や先生に「片付けなさい!」と怒られ、一人暮らしを始めると、掃除機をかけるのが億劫すぎて、部屋はどんどん汚れていく一方。

そして、断捨離の意味も込めて、2年に1回引っ越しを繰り返していました。(あまり自慢できる話ではありませんが・・)

人が遊びに来る前は、必死に部屋を片付けるのですが、帰った途端、部屋はあっという間に元の姿に。

でも、このままじゃさすがにマズイ!

たとえば結婚をしようにも、最初「掃除ができる風」を装っても、いつかボロが出る。うーん、無理!

掃除ができる人と結婚した

そんな自分も、なんやかんやあって結婚した。

そして、結婚した相手は掃除ができる人だった。

※ちなみに、最初に断っておきますが、「掃除ができる人だから」という理由で結婚したわけではありませんので、変な詮索はしないでください!(参考:1:13:00

のちに夫になる彼が突然家に遊びに来たその日、人生最大級に散らかっていました。

彼は「・・そっか。」とつぶやき、それでも仲良くしてくれました。

後日談として聞いたところによると、

「あの日、初めて、掃除ができない人が存在していることを認識した。

そして今日から、自分が掃除を担当するしかないと思った」

と、謎の使命感に燃えていたらしいです。

そんな夫と共同生活をすると、最初こそ何も言わず片付けてくれていましたが、子どもが生まれた頃からは、そんな余裕もなくなったのか、子どもと一緒に教育され直すようになりました。

新人教育の段階では優しく「これ、元に戻しておいてね」と教えてくれていましたが、すでにOJT期間は終了。

「ちゃんと自分で考えて動け(片付けろ)!」と、スパルタです。

掃除ができる人との共同生活は、根本的な考え方から日常的な行動、人生の捉え方、モノに対する意識の向け方まで、ありとあらゆる部分に「差異」があると知ることになるのです。

掃除ができる人と暮らして感じた圧倒的な差

綺麗好きな夫との生活で感じたポイントは、大きく2つ。

1つ目は、モノに対する所有意識の違い

自分は物持ちの良いタイプだから、モノを大事にしているーーそう思っていましたが、夫と比較すると「所有」に対する意識の差をものすごく感じました。

まず、モノを買う時に、どこに収納するかを考えている。そして、所有することになるから、絶対に妥協しない。

私は「迷ったら買え」タイプですが、夫は正反対の「迷うなら買うな」でした。

(同時に、モノを手放すときも容赦なく、「使わなくなったものは今後一生使わない」論者で、子どものおもちゃも使われなくなった瞬間に家からなくなります)

2つ目は、根本的な「暮らし」への意識の差

家や暮らしに対して、私と比べると圧倒的に「丁寧に」考えているところも大きな差に感じました。

生活が大事だから、家の中も綺麗にする。そして、たぶん自分のことも大切にしているのだろうと思います。

モノを使って、元の場所に戻す。という簡単な行動を続けられるのは「暮らし」をどれぐらい重視しているのかが現れるのだと思います。

綺麗好きの夫と暮らしてわかった「掃除の型」

共同生活を送り始めて、早7年。で、ようやく私なりに「掃除の全体像」の輪郭が見えてきました。これって掃除ができる人にとっては基礎の基礎な話なのかもしれませんが、掃除ができない私としては「なぜできないのか」が解明した世紀の大発見、なのでした。

私が掃除についてわかったこと。それは、掃除には5つの手順があり、それぞれ異なる能力が必要ということ。

1、モノのラベリング:モノに名前をつけ、その属性を理解する。

これは、まるでシステム開発における「データモデリング」のようなもの。
どこに何があるかを把握していなければ、整理整頓は絶対に不可能です。

2、設計:モノをどこに配置するか、最適な場所を考える。

これは、システム開発における「アーキテクチャ設計」のようなもの。
ただ単にモノを詰め込むのではなく、モノを使う頻度や動線を考慮して、最適な配置を考える。
使いやすいように、あらかじめ設計しておく必要がある。

3、収納:設計に基づいて、モノを適切な場所に収める。

これは、データベースにおける「データ格納」のようなもの。
ラベリングされたデータを、設計図に基づいて格納する。

4、掃き掃除(清潔にする):物理的な汚れを取り除く。

これは、システムにおける「バグ取り」のようなもの。
表面的な汚れを落とすだけでは、根本的な解決にはならない。

5、拭き掃除(磨きピカピカにする):仕上げとして、表面を綺麗にする。

これは、システムで言うと、「デバッグ」のようなもの。
バグを修正して、システムが正常に動くように、磨き上げる。
見た目を良くするのはもちろん、使いやすく、気持ちよく生活ができるように、丁寧に仕上げる。

このうち、1〜3が、いわゆる「整理整頓」と呼ばれる部分で、4、5が一般的に「掃除」と呼ばれる部分だと理解しました。

そして、綺麗な部屋に住み続けるためには、収納された場所から出した「モノ」を元あった場所に戻す。

この反復行動を、いかに「ルーティンワーク」として、日常的にできるか、ということが重要なのです。

私は、そもそもこの「掃除の型」を構造的に把握できていませんでした。

「掃除」は「掃除」で、苦手なことをよくわかんないけど、なんとか「やる」ものだと思っていたのです。

「掃除しなさい」「片付けなさい」と言われたとき、目の前の空間を綺麗にすれば良いと思っていたけれど、そうじゃなかったんだ。

裏側のデータベースがぐちゃぐちゃだったら、それは開発もうまくいってないってもんよ。スパゲッティコードです。

たとえば、子どもに「片付けなさい」と声をかける時にも、「これは、もともとどこにあったもの?」という声がけから始められる。

そう考えると、「掃除」って、意外と奥が深いなと思いました。

「掃除の型」を知ると苦手意識が減った

この「掃除の型」を意識することで、私は少しずつ、掃除に対する苦手意識を克服し始めています。

まだまだ、夫のように完璧にはできませんが、以前よりも、ずっとスムーズに掃除ができるようになりました。

そして、モノを探す時間も、確実に減っています。

この「掃除の型」は、単に部屋を綺麗にするだけでなく、時間の使い方や、モノに対する意識、そして人生そのものを見直すきっかけにもなるのかもしれない、と最近は思っています。

*ちなみに型がわかった!とか偉そうに言ってますが、相対的にやっぱ整理整頓はできない人のままであることは変わりありません(写真参考)

修行中の身ではありますが、「掃除」という当たり前すぎて、誰もが深く考えないようなテーマだからこそ、この「掃除の型」を極めてみたい。

そして、私のような「掃除ができない人」でも、快適な生活を送ることができる、ということを証明したいのです。

(現状、掃除ができない人に私ができるアドバイスは「掃除ができる人と結婚しよう!」一択なので、笑)

みなさんの「掃除にまつわるエピソード」を知りたい!

冒頭にも書いた通り、掃除ができない人は、自分が掃除ができないことに気がつけません。
そもそも、掃除や収納術的な話に全く興味がないので、こんまりさんのようなお掃除ベストセラーにも出会えません。

なので、こんな掃除ができない人のズボラな視点で、「掃除の本(超初級編)」を書いてみたいな、と思っています。

この後の展開としては(暫定)、

  • あなたは何タイプ?掃除ができない人を分類:仕事で300件以上の新築住居をお邪魔した経験&掃除ができないからこそ初見でわかる「こういう人って部屋こんな感じよね」をお伝え
  • 掃除ができない妻と、綺麗好きな夫の対談:ぶっちゃけ綺麗好きな人が見る「掃除ができない人」ってどうなん?
  • 40歳からでも大丈夫!掃除の型の身につけ方:子どもへの教育にも応用できる、「掃除の型」を身につける具体的な方法を解説
  • 仕事と掃除の相関関係:掃除の型を仕事に活かそう!一見関係ないように思える、掃除と仕事の意外な共通点を深掘り
  • 掃除ができない人に向いてる職業:いわゆる天才タイプって掃除できない人に多いと思いません?掃除が苦手でも、その特性を活かせるような職業を提案します。

など。

みなさんの「掃除できないエピソード」、教えてください!

(宣伝)ちょっと前に、本書きました!記事が書けるタテヨコの皆さん、ぜひ本も書きましょう。

ABOUT ME
豊田 昌代
愛媛大学を卒業後、東京で就職。リクルート、アイティメディア、ベンチャー企業などを経て起業。エンジニアの地方移住・転職の支援に携わる。2021年7月より愛着のある愛媛県を第二拠点におき、愛媛に関わる人を増やすプロジェクトを始動。2021年10月には松山市内で株式会社洒落を創業。
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