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たてヨコラム

たてヨコメンバーによるフリーテーマのコラム

エッセイビジネス

大民泊時代の到来

こんばんは。本日も石鎚山にいます。田村裕太郎です。

時の流れとは本当に早いものです、西条に移住を決めてからもうすぐ6年、

5年前にたどりついた目的の一軒家はなんと宿泊施設になり、

2年前に失った髪の毛は今やこの有様・・・

そしてコラムの締め切りが迫っているのに何をかけばいいかわからないまま締切日の21時になりました。

本当にどうもありがとうございました。

石鎚別荘ハレとあお

2024年は非常にエキサイティングな年となりました。8月に石鎚別荘ハレとあおをオープンしました。ハレとあおは2つのタイプが異なる1棟貸し古民家宿です。最大19人定員で皆で思い出がつくれる場所になるハレ棟、トトロのような森を抜けた先にある隠れ家的な別荘あお棟、どちらも石鎚の自然を思いっきり楽しめる宿になっていると思います。

オープンに先立って行ったイベントに来てくれた方々にはこの場を借りて御礼申し上げます。たくさんの応援をいただき非常に前向きにスタートすることができました。本当にありがとうございます!

開業後どうだったか

オープンまでめちゃくちゃ大変だったような気もしますがもう忘れました!

それよりもオープン後はありがたいことにたくさんのお客様に利用していただき、満足していただけています!ハレ棟は友達家族同士、親戚一同、大学生のサークル等々、平均10人程度の利用人数で思った通り皆で集まる楽しさが存分に味わえる場所になっていると思います。あお棟はやはり強烈な立地と家の外に住んでいる看板猫「青助」が人気でカップルやインバウンドの方に好評いただいている印象です。

稼働率は実績ベースで40%ほどで、今後の予約状況も上々ですので、1棟貸し宿の初年度としては文句なしのスタートとなりました。

お客様を受け入れて、お客様の声を聞いて、宿の使い方をみて、改善点を素早く施設に反映させようと必死にあれこれやっていたら早12月。宿を喜んでくれるお客様の声をたくさん聞けて、この4か月は改めて宿泊業が楽しいし割と性分に合っていると感じました。

もしよろしければ↓のリンクからAirbnbのリスティングを開いて右上のハートを押してリスティングを保存してもらえるとありがたいです!保存数もリスティングの表示順位に影響があるのです。このへんの集客の取り組みも日々地道に行ってます。Airbnbの評価制度厳しすぎますが、高い評価ならどこでもお客さんきてくれます。

ハレ棟

あお棟

気がついた大民泊時代の幕開け

ところで実はわたくし、旅好きが転じて宿好きで、泊まるだけじゃなくて暇さえあればAirbnbやGoogleマップ、インスタなどで新しい宿を調べまくってます。どんな特徴やサービスがあるのか、運営体制は、稼働率は、口コミは。など。

調べてて気がついたのは「最近、宿めっちゃできてね?」ということです。

数年前から事業再構築補助金を活用した1棟貸し宿やグランピング施設がどんどん増えていましたが、留まることなく今もでき続けてるのではないでしょうか。ゲストハウススタイルの家主居住型の宿も増えています。宿を開業したいという知り合いも常に何人かいます。愛媛経済レポートにはほぼ毎週何かしらの宿開業の記事が載っています。

Xでは副業として民泊をやろうみたいな怪しいおっさんたちが幅を利かせていますし、不動産会社でも民泊投資しようよみたいなところがあります。

そして今年度の訪日外国人客数は2019年度のそれをついに超える見込みです。

もともとコロナ前に開けるはずだった大民泊時代が5年の時を経てついに開けることとなりました。

ちなみに民泊とは正確には住宅宿泊事業や農家民泊による宿泊施設のことですが、ここでは旅館業法の簡易宿所も含めて個人や中小企業が開業する比較的小規模の宿をざっくりと民泊と称しております。

大民泊時代をどう捉えるか

大民泊時代で事業者が増えることに我々事業者は危機感を感じるべきなのか、それともインバウンドが増えることを喜ぶべきか。

ご存じの通り宿泊施設は簡単に誰でも開業できます。すぐ住める空き家を持っていたら1か月後には営業許可をとって貸し出せます。松山くらいなら運営代行、清掃代行をいれたら自ら手を動かすことなくできちゃいます。ここらへんが副業おじさん達がおすすめする理由です。もちろんそういう簡素な民泊だけでなく、様々なカテゴリでレベルの高い宿がどんどん増えて差別化が難しくなりパイの奪い合いに・・・なるのだろうか。

かたやインバウンドは今季が3500万人を超える見込みですが政府は2030年までに6000万人を目指していますので、それが現実となればほぼ倍ですから、いくら宿があっても足りないということに・・・なるのだろうか。

どうなるかはわかりませんが今お客さんが来てくれているからといって来年も同じようにたくさんのお客さんに来てもらえるかはわからない、そんな危機感を常に持って人気施設であり続けるために努力するしかないと思います。

来年度以降は「石鎚ふれあいの里」「ハレとあお」を、「石鎚こどもキャンプ」でやってきたような自由な自然体験がいつでもできるような宿泊施設にしていくために準備を進めています。

ということで今日はサウナ用の水風呂を掘りました。川に入りたいけど川への導線が悪いでおなじみのふれあいの里でのテントサウナですが、川と同じ水が流れてきている空き地が隣にあるので、池つくっちゃいます。

あなたが来るのが嬉しくてケーキを焼いちゃったわ!

日本では投資用で宿をやっている人が他の国よりも多いみたいです。無人チェックインチェックアウトの民泊施設が都会を中心に多いです。しかしAirbnbを使って海外の民泊施設に泊まれば「あなたが来るのが嬉しくてケーキを焼いちゃったわ!」なんて人がざらにでてくるという話も聞いたことがあります。お遍路さんがある四国ではどちらかというと後者のような人のあたたかさに触れられる宿が多いかもしれません。実際愛媛では無人チェックインアウトが可能な民泊施設は松山以外の市町にはまだなかったはず。

また、イベントの際に某高田さんが「泊まった宿で一番印象に残っていたのはどこか?」と皆にきいていて、たいがいみんなの口から出てくるのが「誰々とこういうことをして楽しかった」みたいなことでした。これは本当にレジャー宿泊の価値の本質だなと。

どんな機能があるかよりそこで何ができるか、何ができるかより誰と泊まるか

誰と泊まるか、を楽しめるようにサポートする。これを大切に明日もお客さんを迎えたいと思います。

ちなみに2025年にはあと3軒くらいオープン予定です笑
色々特徴的なもの仕込んでますので、また泊まりに来てください!

ABOUT ME
田村 裕太郎
西条市の山奥で石鎚ふれあいの里というキャンプ場を運営しています。合わせてこどもの野外活動・自然教育、山菜の生産販売、周辺地域の空き家活用などやっております。大学進学で東京に出てから「自然が好き」「現代社会辛い馴染めない」「自己肯定感低い」など感じ、2019年に縁あって西条市に移住してきました。今は山奥で楽しく暮らしながら、将来の限界集落・自然・こどものことを考えながらお仕事しています。
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