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たてヨコラム

たてヨコメンバーによるフリーテーマのコラム

組織ファッション教育SDGsビジネスライフスタイル事業

SDGs研修で見つかる仕事のパーパス

こんにちは、持続可能なファッション業界の仕組みづくりに奮闘中のAyaです!

今日は、私がとある企業様と取り組ませていただいているSDGs研修を通じて感じていることをお話したいと思います。

月に1回ワクワクが詰まった研修を。

SDGs研修のご依頼をいただいたのは1月頃。そこから社員のSDGsへの関心度や知識レベル、どんなことを大事にした研修にするのかなどを打ち合わせさせていただき、3月から毎月1回のペースで社内研修を行っています。

このSDGs研修は、多くの情報が簡単に手に入る時代に、実際に体験し、手を動かし感じることを大切にした構成です。地元に密着したフィールドワークやワークショップを設計して地方企業として日々の会社での業務でなにができるのかを考えられる内容になっています。

この企業様のSDGs研修では、これまで

  • 古着の資源回収業者の訪問/解体ワークショップ
  • 海岸のゴミ拾い
  • 地元の名産品をつくる企業への訪問

などを行ってきました。

当たり前だと思っていた日常の視点が変わる瞬間

研修ごとの目標設定やどのテーマをどのタイミングで扱うかなどの基本設計は企業様と私で話し合いますが、毎回の研修はそのテーマに合わせたゲスト講師をお招きしています。

そのため、私もファッション以外の業界のサステナビリティやSDGsの動向については学ぶことばかりです。

例えば、これはマイクロプラスチックの原型を探るワークショップの様子です。

種類ごとに分類していき、その原型について解説いただきました。海には、陸のプラスチックごみも雨や風に流れて辿り着くことがよく分かります。

ちなみに、画面中央あたりにある白く丸い粒は何だか分かりますか?

実はこれ田んぼに撒かれる農薬のカプセルなんです。

田んぼの水を抜く時に用水路をたどってカプセルが下流に流れる→海に辿り着くそう。

それだけでなく、プラスチックは生分解(微生物の働きにより、分子レベルまで分解し、最終的には二酸化炭素と水となって自然界へと循環していく性質)するのに100年以上かかるため田んぼの土の中に溜まり続けます。
講師の方からも「田んぼを覗いたら用水路の近くにたくさん集まっているのが見えますよ。」と教えていただき、実際に近くの田んぼを見にいくと、丸い粒がぎっしり、、、震えました。

当たり前だと思っていた普段の景色を見る視点が一瞬で変わる、こういう瞬間がSDGsの学びの醍醐味でもあります。

参加してくださる皆さんからも、各回で

  • 海の見方が変わった。会社で海ゴミ拾いの活動を定期的にやりたい!
  • 自分の会社がある場所のことを何も知らなかったと気づいた
  • 自分の事業がこんなにSDGsに関係しているとは思わなかった。自分の業務で何ができるか考えたい。

といったフィードバックをいただいて、SDGsが自分たちの暮らしに密着していることに気づいていただけているのでは?!と感じています。

SDGs研修を通して自分の社会的な価値を見つける

SDGs研修では、持続可能な開発目標について「学ぶ」だけでなく、日々の会社での業務でなにができるのかを考えてもらう設計にしています。

いわゆる「SDGsの自分ごと化」です。

人・社会・環境に優しい社会にするために、一人一人が力を合わせてアクションを行わなくては2030念の目標達成が危ぶまれているから、という側面はもちろんありますが、自分ごと化するメリットは他にもあります。

それが自分の仕事のパーパス(社会的価値)を見つけることです。

私自身も新卒でアパレルブランドで働いていた時には、このパーパス(社会的な価値)が感じられていませんでした。

「給与にも社内環境にも満足しているけど、安く・早く・大量につくるシステムの中で働いていて(=社会に良い価値を提供できない)良いのか分からない」という理由で仕事を辞めるって正直もったいないですよね。
その面で言うと、世界中のさまざまな立場の人々が課題を出し合い考えた2030年までに達成すべき目標「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」に貢献することは、まさに社会的な価値になります。

このSDGsに当てはめて自分の業務の中で改善できる点を整理し実際に変化を起こすことで、「何のために働いているのか」という仕事の意義が生まれて、仕事へのモチベーションが向上する。企業にとっても、社員に会社で長く働いてもらうために有効な取り組みと言えるため、このような研修に取り組んでいるというわけです。

とはいえ自分ごと化って難しいのでお知恵を貸してください。

ここまで、すごい良いじゃん!となっていただけていたら嬉しいのですが、色々な立場・思いを持って働く会社での研修で、SDGsの自分ごと化は本当に難しくて悩みながら設計しています。

今年の夏も日中は危険な暑さ、夜も冷房がついていないと寝苦しくて、気候変動の影響を感じない日はなくて気持ちは焦る一方です。一人でも多くの方と、一つでも多く、企業として、消費者として一緒に行動を起こす仲間になってもらえるよう、自分ごと化ができる瞬間づくりをしていきたい!という思いでやっています。

一人でも多くの人のSDGsやる気スイッチを押せる確率を上げたいので、皆さんがSDGsや環境を意識し始めたきっかけエピソードや、働くモチベーションなども教えていただけると嬉しいです。

ABOUT ME
白石 綾
1989年生まれ。
2022年8月に愛媛県にUターンしました。 生まれは埼玉県ですが、生まれてすぐ両親が愛媛に引っ越してきたので、99%愛媛県民だと思っています! 一般社団法人鎌倉サステナビリティ研究所(KSI.)というサステナビリティの実務家の方に役立つ講座やウェビナーを運営する団体で働きながら、愛媛で織りから縫製まで完結した持続可能なファッションブランドの立ち上げを目指して起業準備中です。 世界第2位の環境汚染産業とも言われるアパレル業界に関わっていた時期が長く、自分自身も業界が抱える課題に加担していたことに気づいてから、気候変動対策、人権などサステナビリティが人生の軸になりました。 「サステナビリティ」と聞くと難しく感じる方もいるかと思うのですが、サステナビリティとは「今ある美しい自然を後世に引き継ぎ、地球に住む全ての人が安心安全で心身豊かな生活を送れるようさらに発展をすること」だと思っています。 この考えに共感していただける様々な分野のスペシャリストの方達と出会い、協力・協働していきたいです! アートや建築が大好きで、街歩きも趣味です。イタリアに2年ほど住んでいたこともあり、イタリアの文化も大好きです。 18歳から愛媛を離れ、愛媛に知り合いがあまりいないので、色々な共通点で皆さんと繋がれたら嬉しいです!
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