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読書会のススメ ~松山一ゆるい読書会の軌跡~

3回目のコラム執筆に当たり、ネタをいろいろと考えてました。
一応IT企業所属なので、最近流行の「ChatGPTの話」とも思ったのですが、
よく考えたらそれほど語れないことに気付き。。。
得意の「ノーコードツール」について書こうと思ったのですが、結局kintoneの紹介に
なるので、さすがにそれはあんまりだと思い。。。
自分のネタの薄さに改めて気付かされております。

あまりみなさんの参考になるような話が出来そうにないので、
今回は、私が6年近く続けている「松山読書会」についてお話したいと思います。

「松山読書会」っていくつかあるかもしれませんが、ここではサイボウズ松山オフィスで毎月1回開催している読書会を指します。

実は私、

2017年8月から5年8ヶ月あまり、毎月「読書会」なるものを開催しております。

知らなかったでしょ?

「読書会」というと、本好きな方が集まって、お薦めの本を紹介しながら語り合う
ビブリオトークのようなイメージがあるかと思いますが、私が実施している読書会は
ちょっと趣向が違います。

そもそも、「松山読書会」を立ち上げたのは私ではありません。
当時、NHK松山放送局にディレクターのS川さんという方がいらっしゃったのですが、
全国転勤される中、前任地で知り合いを作るために読書会をやっていたというお話を
伺いました。松山でも実施したいとのことでしたので、「じゃぁ、うちのオフィスでやりましょう」となった次第です。

初回は、S川さんのつながりで参加者を募ったのですが、参加者6名中、東大卒が3名という
なかなかハイレベルな「読書会」となりました。
(東大卒って愛媛の身近にもこんなにいるんだ?!)

人脈作りが目的だった「読書会」ですが、とにかくみなさんの話がおもしろい!
「教養」って大事!
「読書」って大事!

50歳を過ぎて改めて感じた瞬間でした!

もともと読書は嫌いじゃないし、、、中学、高校の頃は「眉村卓」にどっぷりハマり 笑
その後、宮部みゆきなんかもよく読んでましたが、あまり幅広いジャンルの本を
読むことはありませんでした。

とにかく初回は、ほとんどみなさんの話を聞いているだけでしたが、なんだか自分も
賢くなったような気がする、とても心地良い時間だったことを覚えています。

残念ながら、発起人のS川さんは再び転勤で松山を離れてしまいましたが、それ以降は
私が引き継いでみなさんへの声かけをしています。

「松山読書会」の流れは、毎月誰かしらの読みたい本(課題図書)をみんなで読んで来て、
約2時間、感じたことなどを自由に語り合うというものです。ただ、いつも近況報告や雑談で
時間の半分くらいを使ってしまいますが、それも一つの特徴になってます。

何しろ、65回も続いているので、メンバーもいろいろと入れ替わりがありましたが、
とにかく参加者が面白い!
公務員の方、大学の先生、お医者さま、一級建築士、経営者の方などなど。
毎回本の感想も様々な立場から、様々な角度の話が聞けてとても刺激になります。

参考までに、今まで読んだ本の一覧です。(決して文字数稼ぎではありません 笑)

■2017年
第 1回 8月10日 国谷裕子(著)「キャスターという仕事」(岩波新書)
第 2回 9月20日 小出義雄(著)「マラソンは毎日走っても完走できない」
第 3回10月11日 大崎善生(著)「将棋の子」(講談社文庫)
第 4回11月20日 竹中平蔵、安部敏樹(著)「日本につけるクスリ」
第 5回12月11日 渡部昇一 (著), 「日本人の道徳心」(ベスト新書)
■2018年
第 6回 1月29日 新渡戸稲造(著)「武士道」
第 7回 2月14日 堤未果 著「沈みゆく大国アメリカ」(集英社新書)
第 8回 3月20日 佐々木正人(著) 「知性はどこに生まれるか―ダーウィンとアフォーダンス」 (講談社現代新書)
第 9回 4月23日 中西輝政(著)「本質を見抜く『考え方』」
第10回 5月22日 橋本卓典(著)「金融排除 地銀・信金信組が口を閉ざす不都合な真実」(幻冬舎新書)
第11回 6月20日 阿部謹也(著)「ハーメルンの笛吹き男 伝説とその世界」(ちくま文庫)
第12回 7月19日 山田拓(著)「外国人が熱狂するクールな田舎の作り方」(新潮新書)
第13回 8月28日 ダニエル・ピンク(著)大前 研一(訳)「モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか」 (講談社+α文庫)
第14回 9月26日 高橋博之(著)「都市と地方をかきまぜる「食べる通信」の奇跡」 (光文社新書)
第15回10月22日 岩波 明 (著)「精神障害者をどう裁くか 」(光文社新書)
第16回11月26日 D・カーネギー(著)「人を動かす 」(創元社)
第17回12月18日 落合博満(著)「采配 」(ダイヤモンド社)
■2019年
第18回 1月21日 池田晶子(著)「14歳の君へ―どう考えどう生きるか 」(毎日新聞社)
第19回 2月18日 ラッセル(著)安藤 貞雄(訳)「ラッセル結婚論」 (岩波文庫)
第20回 3月18日 谷崎潤一郎(著)「陰翳礼讃」 (中公文庫)
第21回 4月22日 天台宗大阿闍梨 酒井 雄哉 (著) 「一日一生」 (朝日新書)
第22回 5月21日 フランツ カフカ (著)「変身」
第23回 6月18日 夏目漱石 (著)「夢十夜」
第24回 7月22日 マイケル サンデル (著)「これからの「正義」の話をしよう」(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
第25回 8月19日 辻村 深月(著)「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」 (講談社文庫)
第26回 9月17日 平田 オリザ(著)「わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か」 (講談社現代新書)
第27回10月15日 橘 玲(著)「上級国民/下級国民」 (小学館新書)
第28回11月19日 川内 イオ(著)「農業新時代 ネクストファーマーズの挑戦」 (文春新書)
■2020年
第29回 1月21日 内田 樹(著)「日本辺境論」 (新潮新書)
第30回 2月18日 前野 ウルド 浩太郎 (著)「バッタを倒しにアフリカへ」 (光文社新書)
第31回 5月22日 養老孟司(著)「バカの壁」 (新潮新書)
第32回 6月26日 中野信子(著)「空気を読む脳」 (講談社+α新書)
第33回 7月29日 村上陽一郎(著)「新しい科学論―「事実」は理論をたおせるか」 (ブルーバックス)
第34回 8月24日 福岡伸一(著)「動的平衡: 生命はなぜそこに宿るのか」 (小学館新書)
第35回 9月29日 宇沢 弘文(著) 「社会的共通資本」 (岩波新書)
第36回10月26日 坂口恭平(著)「モバイルハウス 三万円で家をつくる」 (集英社新書)
第37回11月26日 岡本太郎(著) 「自分の中に毒を持て」 (青春文庫)
第38回12月23日 太宰治(著)「走れメロス」
■2021年
第39回 1月25日 永田和宏(著)「知の体力」(新潮新書)
第40回 2月24日 内山崇 (著)「宇宙飛行士選抜試験 ファイナリストの消えない記憶」 (SB新書)
第41回 3月23日 宮口幸治(著)「ケーキの切れない非行少年たち」(新潮新書)
第42回 4月27日 松岡 亮二 (著)「教育格差」 (ちくま新書)
第43回 5月26日 ダン・アリエリー(著)「予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」」
第44回 6月26日 西川恵(著) 知られざる皇室外交 (角川新書)
第45回 7月29日 渋沢栄一(著)「論語と算盤」
第46回 8月24日 ブレイディみかこ(著)「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」
第47回 9月29日 太田 肇 (著)同調圧力の正体 (PHP新書)
第48回10月26日 出口治明(著)「人生を面白くする 本物の教養」
第49回11月26日 帚木蓬生(著)「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」 (朝日選書)
第50回12月23日 大栗博司(著)「重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る」 (幻冬舎新書)
■2022年
第51回 1月31日 山田昌弘(著)「パラサイト・シングルの時代 」(ちくま新書)
第52回 2月28日 養老孟司(著)「ヒトの壁 」(新潮新書)
第53回 3月31日 小林武彦 (著)「生物はなぜ死ぬのか」(講談社現代新書)
第54回 4月25日 吉井 仁実(著)<問い>からはじめるアート思考(光文社新書)
第55回 5月26日 馬渕睦夫(著) 日本人が知らない世界の黒幕
第56回 6月29日 堀内都喜子(著) フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか (ポプラ新書)
第57回 7月28日 伊藤亜紗 (編集)「利他」とは何か (集英社新書)
第58回 8月30日 中藤玲(著)安いニッポン 「価格」が示す停滞 (日経プレミアシリーズ)
第59回 9月27日 浦久俊彦(著)リベラルアーツ 「遊び」を極めて賢者になる (インターナショナル新書)
第60回10月31日 成田悠輔 (著) 22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる (SB新書)
第61回11月28日 工藤勇一(著)鴻上尚史(著) 日本の教育はなぜ息苦しいのか (講談社現代新書)
第62回12月28日 森田真生 (著) 数学する身体(新潮文庫)
■2023年
第63回 1月28日 石井光太(著)「ルポ 誰が国語力を殺すのか」(文春e-book)
第64回 2月28日 田坂 広志 (著)「死は存在しない~最先端量子科学が示す新たな仮説~」(光文社新書)
第65回 4月25日 大澤真幸(著)「不可能性の時代」(岩波新書)

どうですか?
みなさんが読んだことのある本もたくさんあるかと思います。
マラソンの話もあれば、走れメロスもあったり、アフォーダンスという始めて聞くような
理解が難しい本もあれば、学校教育に関する本を読んで「日本は大丈夫か?」なんて
考えたり。
なかなかの振り幅でしょ!

「松山読書会」の良いところは、とにかく誰かが読みたいといった本を、とりあえず読む
というところです。自分では絶対読まなかっただろう本を読むことで、新たな知識の
扉を開くことが出来ます。

私にとっては、月に一度の特別な時間となっており、毎回帰り道で「今日もなんか
面白かった」と思える時間になってます。

最近少し参加者が減っているのですが、「継続は力なり!」私の高校の時の担任の先生が
いつも言っていた言葉です。ここまで来たら、続けられる限り続けていきいたいと思ってます。

今回のコラムは、決して勧誘目的ではございません。
みなさんが、自分もちょっと本でも読んでみようか。と思っていただくきっかけになれば幸いです。

ただ、興味のある方はどなたでも参加いただけるので、お気軽にお声掛けください 笑

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久保 正明
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