Column

たてヨコラム

たてヨコメンバーによるフリーテーマのコラム

外国人って言ってもいろいろありまして・・

みなさんはじめまして!

谷村一成(たにむらかずなり)と申します。1994年香川県生まれ。えひめインターナショナルMeet-upという団体の代表として、海外出身住民と日本人住民と交流や、海外出身者視点で誰もが働きやすい職場・暮らしやすい地域づくりに取り組んでいます。

みなさん、愛媛県で働く外国人って何人だと思いますか?

正解は10,201人愛媛労働局1月発表)。前年より6.6%増とのことです。

ちなみに外国人を雇用している事業所数は1,986カ所(3.5%増)で過去最多だったそうです。
愛媛県の労働者の約1.5%が外国人で、事業所の約3%が外国人を雇用している計算になります。

愛媛労働局令和5年1月27日発表「愛媛県の外国人雇用状況の届出状況」より

さて、外国人労働者と聞いて、まず思い浮かべるのは技能実習生ではないでしょうか?
過酷な労働環境が度々メディアに取り上げられていますよね。
3年や5年といった決まった期間のみ、来日して働く方々です。
愛媛県内でも、5,585人の技能実習生が働いており、全体の54.7%を占めます。
造船業や農業、介護などの現場で技能実習生の姿を見かけたことがある方もいらっしゃると思います。

日本で働くためにはまず「在留資格」を得る必要があるのですが、様々な種類があります。
技能実習もその一つ。他にも、最近できた「特定技能」をご存じの方もいるかもしれませんね。
また、愛媛大学などに来ている留学生。アルバイトをするためには「資格外活動」という在留資格を取る必要があります。

でも、私が個人的に注目しているのは、技能実習生の次に割合の多い「専門的・技術的分野の在留資格」に該当する方々です。愛媛県内では2,258人の方が該当し、全体の22.1%を占めます。
「専門的・技術的分野の在留資格」もいくつかの種類に分かれるのですが、特に「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ方々は、いわゆる出稼ぎの単純労働ではなく、エンジニアや総合職などとして、日本人の労働者と同じように働いています。みなさんの会社の同僚にもいるかもしれませんね。

愛媛労働局令和5年1月27日発表「愛媛県の外国人雇用状況の届出状況」より

もともと日本の大学や専門学校で留学生として学んでおり、そのまま日本人学生と同様に就職活動をして愛媛県内の企業に就職したケースもあれば、海外の大学を卒業した後、新卒ないしは転職で愛媛県内の企業に就職したケースもあります。(ちなみにこの在留資格は基本的に大卒でないと許可されません。)
新卒入社した場合は当然ですが、海外から来日就職する場合も、やはり家庭ができてから海外で働く方はあまり多くないので、若い方がほとんどです。
そのため、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持って愛媛県内で働く方々は、正確なデータが存在しないのであくまで推測ですが、20~30代の若者が中心になります。

また、たまたま愛媛の学校を卒業して愛媛で就職した場合は例外ですが、県外から就職で愛媛に来た場合は、来日就職した場合は、地域社会にほとんど繋がりがありません。会社の同僚しか知り合いがいないなんてことはざらです。
都市部では「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で働く外国人は増えていますが、まだ愛媛では珍しいほうです。ある程度まとまった人数で同じ国から1つの会社にやってくる技能実習生と違って、会社唯一の外国人なんてことも少なくありません。
まして、中小企業の場合、唯一の外国人なだけでなく、唯一の若手社員なんて場合もあります。
想像してみてください。異国の地で、知り合いもいない。社内には、同世代もいなければ、同じ立場の外国人もいない。
私は、この専門的・技術的分野の在留資格を持って働く外国人の方々の職場や地域での孤立は深刻な問題なのではないかと感じています。

実は、技能実習生などと違って、「専門的・技術的分野の在留資格」を持つ方々は、永住など長期間にわたって地域社会に暮らし続ける可能性があります。もちろん、在留資格は3ヶ月~5年の間しか許可されません。しかし、犯罪などよっぽどのことがない限り、この在留資格の更新は極めて容易です。そして、更新を続けて10年が経つと、永住権の取得の条件が満たされます。
しかし、前述の孤立の問題で、志半ばで母国に戻ったり、同じ立場の外国人が多い東京などの都市部に転出したりしているのが現状です。せっかくの縁で愛媛にやって来たのにこれは非常に悲しくないでしょうか。

私は冒頭で記載した通り、香川県の出身で、愛媛で暮らした経験はありません。そのため、なぜ愛媛で活動をしているのか訝しく思う方もいらっしゃるかと思います。
2018年に大学を卒業した私は日本企業の外国人雇用を支援する人材会社で働き始めました。
その際、人口減少の影響を受ける地元四国を盛り上げる手段に外国人雇用がなり得るのではないかとの思いで四国地方の企業様の担当となりました。
その中で、圧倒的に外国人雇用に関心を持っていただいたのが愛媛県の企業様で、一時は毎月のように愛媛出張をしていました。これが愛媛との繋がりのきっかけです。
しかし、上記の課題に気づき、人材会社でできることの限界もあったため、転職して人材業界から離れた後に当時の愛媛での繋がりを頼りに何かできることはないかと昨年6月に任意団体としてスタートしたのが「えひめインターナショナルMeet-up」です。

来月開催の初の対面イベント@新居浜

来月には、初の対面イベントを新居浜市で開催します。また、今年中に、NPO法人化し、社会的信用を高めてより積極的に活動する予定です。まだまだわからないことばかりですが、もしお力をお貸しいただける方や、アドバイスいただける方などいらっしゃいましたらとても嬉しいです。

ABOUT ME
谷村 一成
1994年香川県高松市生まれ。高松高ー中央大。フォースバレー・コンシェルジュ株式会社で四国地方の企業の高度外国人採用支援に従事。(2018-2021)現在、DAYS BLG!はちおうじで介護職員として認知症当事者の社会参画に従事。また、特定非営利活動法人みんなの進路委員会を設立し、主に四国地方の中高生の主体的な進路選択を支援。えひめインターナショナルmeet-upを設立し、愛媛県内の多文化共生を目指す。その他、グリーンバード高円寺チームリーダー、行政書士、フリーライター、香川県高校野球マスターズ連盟会長など
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