「小説、書いてみない??」
いつもお世話になっている「ことりさん」は、いつも一所懸命に作品と向き合っている。
「前のはダメだったの。今、こんな作品作っているの。」
彼女の素直で屈しない姿は、見ていて気持ちが良い。清々しさまで感じる。そして、いつも人としての成長を感じる。
彼女はとても優しい。いつも気遣いに忙しい。頑張り屋さんだ。
特筆すべきは、彼女の良さは今なお成長中であるということ。
例えば、「あの人の文章はとても優しい。人を絶対貶(けな)したりしないの。だから…」
他人の小説を読んで、その人の素敵な部分を素早く感じ取り、深く考察している。
「人の良いところを探す」ことが癖になっているのだろう。
いつも帰り際にこうつぶやく。
「お二人も、絶対小説書いた方がいいのに。」
お塩を作ってみた。
1年前、北条という町に移住した。海とともに生きる町だ。
「生きる」ということ。それは命を頂くこと。
「頂きます。」と祈るようになった。
今日見る夕陽は、明日無いかもしれない。
生きとし生けるもの。そして、自然の恵みに、精一杯の感謝を。
自家製塩の作り方
移住して、どうしてもやってみたかったことの一つ。お塩づくり。
1. 海水を頂く(3ℓの漬物用バケツを利用)。
2. 珈琲用のフィルターで不純物を濾す。
3. 大型の鍋でグツグツ煮立てる。1/10程度になるまで煮詰める。
4. 石灰?が析出(せきしゅつ)されるので、不純物として濾す。(石灰は塩ではないらしい。)
5. 海水内に塩が出来てくる。
6. 塩が析出され終わると苦汁(にがり)となるので、水分があるうちに濾す。
7. 結晶化した塩をフライパンに移し替え、パラパラになるまで煎(い)る。
3ℓの海水から、およそ75グラムほどしか出来ない、非常に効率の悪い自家製塩。
しかし、柔らかい風味と甘さ、旨味がしっかりと感じることが出来るお塩が出来る。
僕たちは毎朝、あたたかい潮湯(うしおゆ)を飲む。まずは、自身の身体で試す。
とても優しい味がする。もっと飲みたくなる。良いものかも、しれないな。

小説を書いてみた。
【海来塩~みらいえん~】
満月の海は、いつもと違う。なんかこう、力が満ち溢れているような不思議な力を感じる。
「特別なお塩になりますように。」いつもお祈りをしながら作る。
昔から海が好きだ。
海を覗き込んでみる。小さな魚の群れが見える。顔が自然とほころぶ。
妻も、海のそばで暮らすことが夢だったらしい。僕らは海と共に暮らすことを決めた。
満月の夜。お月様まで真っすぐ、海面が「月の道」となる。
一段と潮の香りが濃くなった気さえする。
海の神秘に感謝しながら、海水を頂く。 丁寧に濾す。
火を入れて煮詰める。塩の結晶ができてくるのを待つ。
苦汁(にがり)などを取り除きながら、しっかり乾燥をさせる。4時間ほどかかって、やっと出来上がる。
満月の塩「海来塩」と名付ける。 僕らは海と共に暮らす。
自然の神秘に心を震わす。命を頂き、命を削りながら、祈る。 手を合わせる。
大海原に感謝しながら、今日も海水を頂く。
