Column

たてヨコラム

たてヨコメンバーによるフリーテーマのコラム

スタートアップSDGsビジネス事業

石垣と愛媛とSDGsと 

たてヨコ愛媛に加入させていただいて、早くも2回目のコラムを書かせていただけることに感謝です。こんにちは「困った時のよしはらさん」よしはらまさきです。さあ、今日もいってみましょう!愛媛と三重のつながりのおはなし・・・今回はお城の石垣です。

東海道五十三次

私が現在住んでいる三重県北部。そこには七里の渡しという名所があります。ここで「矢切の渡し」が浮かんだ方、多分同世代。残念!「渡し」違いです(笑)。七里の渡しは東海道五十三次で知られる宮宿(愛知県名古屋市熱田区)から桑名宿(三重県桑名市)までの海路。海難事故が多かったため東海道の難所の一つでもあり、潮の満ち引きにもよりますが大体27kmから39kmありました。現代の地図に置き換えるとこんな感じです。(ざっくりと海路はこんな感じ)

現在はこの七里の渡し跡に伊勢国の東の玄関口として位置付けられることから、「伊勢国一の鳥居」が設置されています。この鳥居も伊勢神宮の式年遷宮のたびに建て替えられるそうです。そしてもう一つ ここには桑名城址があり今回はこの桑名城址石垣の話から入りたいと思います

徳川250年の礎を作った名武将

桑名藩初代は徳川家康の側近の一人で徳川四天王の本多平八郎忠勝。(影武者 徳川家康を読んだ方は思い浮かぶかも)
この方が築いたのが桑名城。残念ながらこの桑名城址の石垣には崩落の危険がある為、登れませんが、この本丸跡を始め所々に江戸時代のに積まれた石垣があります。(下段の写真)この石垣も時代によって積み方が変わるので、石垣を見ただけでどの時代に積まれたのかわかる方もいます。

石垣で出世した愛媛と三重の武将

  • 野面積(のづらづみ)未加工の自然石使用 例)竹田城跡(天空の城)
  • 打込接(うちこみはぎ)16世紀後半の城郭建設ラッシュ時に出現。加工した石を使用できるだけ接合面部分の隙間がない様に積みます。姫路城、熊本城等
  • 切込接(きりこみはぎ)石同士の接合面が加工され、隙間は完全に消滅。徳川期大坂城等

そしてこの3工法がわずか40年程で進化を遂げます。当時の情報伝達手段や馬や飛脚であったので最速技術が最速進化したと考えられます。
 各武将がどうすれば戦略的に有利になるのか?戦に勝てるのか?どうすれば自分達と城下を守り抜けるのか?いろいろ試行錯誤して生死をかけて石垣の技術を学んで、咀嚼して、築城に生かして、壊して、また築城。なので、今残っているのは「生き残り手段の成果」です。同じ技法を使用しても同じ石垣は存在していません。そして現代まで持続可能な遺産として残っています。この石垣で出世したのが藤堂高虎石垣で愛媛と三重をつなぐ戦国武将、伊予今治藩主で、この時新たに創建した層塔型天守がのちの江戸城を始めとする近代城郭の基礎になったと言われています。あれ?持続可能な?そう、石垣は戦国時代のSDGsと言えるのでは?

石垣は戦国時代のSDGsの産物

おりしも今日9月15日は1600年、天下分け目の関ケ原の戦いがあった日。そんな歴史的な日にSDGs関連ネタですが、SDGsもDXやIOTなど同様企業が発展し便利になり、利益を上げられる体質改善をしてくれるツールと想定すると、まだ親しみやすいのかな?と考えています。それはSDGsに対して「環境対策」「大企業がやるもの」「自分達には関係ない」といった印象が強いからです。「それに取り組んで何がよくなるの?それやって自分たちの仕事が良くなるならやるけど」と、経営者さんとお話しすると毎回そんな話になります。実は私もそこまでのSDGs推進派ではなく、あるポイントに着目しているから活用しています。
それが「本業で儲かるビジネスを続けられる企業体質に改善する」という点です。
 残念ながら体質改善と同じ様にSDGsに取り組んでよくなるかどうかはその企業次第です。やらなくても自分たちに損はない。その為か、本質的に取り組んでいる企業は全体の10%程度。(2020年の帝国データーバンク調査 今はもっと増えているかもしれませんが)後はバッジ付けたり、ポスター掲げたり、認証制度を取得したり(当社も三重県の認証規格は取得)
 城郭石垣を含め武将の権力の象徴。生き残る手段で戦いに勝つ為にその地形、地域、地質に沿い、戦略と戦術を考慮して築城。その為成果は千差万別。ただ一つ「天下統一」という共通の目標はあり、それぞれが生き残りをかけて必死でスクラップ&ビルドをくりかえし取り組んだ結果が現在に残っています。その為、城郭も立派な石垣、土塁系、館風のものなど様々。
無理があるかもしれませんが、石垣と同じだと考えてみると、理解して咀嚼してアウトプットするのはSDGsも同じと考えるとハードルは下がるのかな?と思い、そんな石垣にロマンを感じます。


ビジネスで経営計画をたてる際に、1年、3年、5年、10年の目標たてますが、その数年後の未来の物差しとしてSDGsを活用すると、17の目標のうちどの目標を達成しようではなく「本業で利益を上げる体質改善するために使う」といった方が「持続可能な目標」「誰一人取り残されない」と言われるよりもずっと自分事として考えられる。
 じゃあ、私たち団塊ジュニアの世代がこの考え方、基本OSを変えないとこれからビジネスの主力を担う若い世代が、ここのOSを今までの自分に上書きするようにしていく必要があると感じています。

「あるもの」に目を向けたらこの石垣って・・・

地元に限らずご相談を受ける機会が増える中でも、地元企業から「魅力的なものがこの地域にはない」ということをよく聞きます。この場合、遊園地や商業施設、人が毎週たくさん集まる様なもの。でもそれってそれがないと人が集まらないの?と聞くと「はい。だって〇〇遊園地にが近い■■■さんのお店は・・・」ということが根拠。本当にそうかな?魅力的なものの基準があくまでも、大企業や都市部にあるものそしてそれが今自分の周りにないものを見ているからだと。そうではなくて「不便」こそ魅力なのでは?と感じる今日この頃。不便があることで非日常を感じられ、刺激となります。ちなみにこちらの地元でブレストした一例

・ジビエマイスターによる部位別美味しい食べ方講座。七輪&地ビール付き。
・土日開催1日1組限定!竹割から箸と蕎麦猪口づくりから始める!流しそうめん。
・古民家の民泊施設でのビジネス合宿
・移住したい人の支援!短期滞在で田舎の暮らしを体験。リピーター大歓迎
・乗り鉄、撮り鉄大興奮!日本に3路線しかない軌道にのる

これ全部その地元でしかできないアイディアで、この地域には当たり前にあるものばかり。これらを自分の城であり石垣と考えれば、十分魅力を発揮するのではないか?と石垣を眺めながら感じます。SDGsだCSRだと言えど、結局本業で何をやっているのか?それをたまたまSDGsに当てはめると何番目標にあたりますね。っていう感じの方が中小企業には自分事としてとらえられ、SDGsありき、課題何番にとりくみます、ではなくて本業を突き詰めていった結果論でSDGsに繋がっていたねという方が中小企業に親しみが持ちやすいはすです。
 そして、本業の時間内でとりくむ方が従業員も参加しやすく、長続きすると考えます。良いことをやっていても継続性がなくなるのには、長続きしない原因を見つけてそれを解消してあげることが必要です。なので、何か導入する前、とりくむ前に「いつも中途半端でうちの社風は・・・」と言う前にそうなる原因「理想と現実のギャップ」に目を向けてみる必要があります。
と、オンラインセミナーで毎回喋っています。(今月もしゃべります。吉原が何をやっているか気になった方、SDGsに興味のある方ぜひお越し下さい。)

おわりに・・・

石垣の話からSDGsにつなげ、長くなりましたが、愛媛とのご縁で以前、宇和島城と今治城へ行ったことを思い出しました。写真の石垣は江戸時代、登城途中の石垣は戦国期の積み方だったと記憶しています。真夏に汗だくに登りましたが、宇和海がすごく綺麗でこういった景色は三重にはないので、羨ましくなりました。これも愛媛の皆さんにとっては当たり前の景色でも、県外在住で歴史が好きな私からしたらすごく魅力です。なのでないものに目を向けるのではなくあるものに目を向けて、それを生かせるビジネス、仕立て直して活用するビジネスが石垣と同じ様に持続可能なものとして繋がっていくのではないか?と思います。

そしてこのたてヨコご縁で出会ったこの方。全国を旅しながらビジネスを展開する武市さんが、少し前に三重に寄ってくれました。これも愛媛とSDGsがつないでくれたご縁です。感謝です。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

ABOUT ME
吉原 匡樹
1973年生。大学卒業後、ハウスメーカー、独立系ソフトウエア会社勤務を経て2022年1月に独立起業。「こまったときのよしはらさん」というお客様の一言をそのまま屋号として「komayoshi(こまよし)」とし、いざとなったら頼っていただける存在になれるよう中小企業向けに人材育成、社員教育、システム導入支援・運用指導などを行っています。下戸ですが、飲み会の場は大好きです。どうぞよろしくお願いします。
PHP Code Snippets Powered By : XYZScripts.com