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森林浴 SHINRINYOKU の 魅力

みなさん、ご存じですか?

日本発祥の『森林浴』が、海外でブームになっています。
そして、本物の森林浴を体験したい!と来日したい旅行者は激増中です。
 
一方、森林浴が日本発の文化であることを知っている日本の方は少ない・・・
そもそも森林浴って何?というのが現実じゃないでしょうか。
  
この現実を変えて、「日本の文化の1つとして森林浴を定着させたい!そして、日本の方も海外の方も森林浴を満喫してほしい」と森林浴ファシリテーターとして活躍している 河野亮二 です。
 
そんな私が森林浴の魅力を3つの観点からご紹介します
 ①森そのものの魅力
 
②五感で感じることの魅力
 
③VUCAの時代だからこその魅力

①森そのものの魅力

 森の中に行くと、どこか清々しく爽快感を体感した方は多いと思います。また、森林セラピーのように森を舞台とした癒しの方法もあります。では、何故、森は効果があるのでしょうか?  

 実はこの効果は科学的に検証されています。この効果を生み出すのは、樹木が発散する香りの成分「フィトンチッド」。フィトンチッドは、樹木に侵入しようとする有害な微生物から身を守るために樹木自体が自己防衛のためにつくりあげた物質です。この物質のはたらきにより、雑草なども生えにくくなりますし、脱臭・消臭効果により森全体の浄化にも繋がっています。

 一方で、この物質は人間には癒しの効果として働くことも実証されています。たとえば、ストレスホルモン(コルチゾール)も減少するという結果も出ています。杉の香りによって睡眠時間が増加し、その効果はしばらく持続するという結果もあります。

 森林浴をすると癒されること。その理由は「フィトンチッド」の効果であることが科学的にも証明されていること。私が森林浴を推進している理由の1つです。

では、森林浴は、森の中でボケーっとして癒されるだけなのか?
もちろん、ボケーッとするだけでも効果はあります。
ですが、私たち森林浴ファシリテーターは、森の中で五感で感じることを提案しています。

②五感で感じることの魅力

 森林浴ファシリテーターは、森を歩きながら五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)で感じるワークをします。太陽の温かさを感じたり、土の匂いを嗅いだり、裸足で歩いたり・・・ 何故にそんなことをするのでしょうか?

 どうして五感で感じることが大切なのか、都会の満員電車を一例に説明します。都会の満員電車に乗った経験がある方は分かると思いますが、人と人の間に空間はありません。体臭はするし、暑苦しいし、圧迫感もひどいです。初めて乗ったら「嫌だぁ~」という感情も自然と沸いてきます。でも、これが毎日のことだとあまり感じなくなるんです。正確には、身体では感じてても思考が感じないようにしてるんです。もちろん、生きていくためには、五感(感情)と思考の切り替えは必要ですからね。しかし、切り替えが出来なくなってしまい、思考優位になると身体が悲鳴を上げているのに感じれなってしまうんです。そして、そのままの状態が進むと、うつ病などに繋がる可能性が高くなります。実際、自分も前職で仕事が忙しかった時、健康診断で血尿が出るまで自分の体の変調に気付かなかったんです。こんなにストレスを感じてたなんて・・・ 自分で自分のことがわかってないんだ・・・とても恐ろしかったのを覚えてます。

 だからこそ、森林浴では、私たちの持っている五感をフルに使います。五感を使うことで、太陽の光が温かくて「嬉しい」や、土の匂いが「懐かしい」などの感情にも気付きます。不思議なもので、森の中で五感を使っていると自分の身体が何を感じているのか、そして沸いてくる感情にも素直になれます。すると、今の自分の身体や心の状態に気付くことができるようになるんです。

 「疲れてたんですね」「焦ってたんです・・・」「ホッとしました」

 森林浴を体験された方の中には、こんなことをつぶやく方もいらっしゃいます。日常の生活を離れ、森林浴をする中で今の自分の状態に気付くこと、今の自分に素直になれること。これも森林浴の魅力の1つです。

最後3つ目の魅力は、自分の想いが強く反映したものです。
「今の時代だからこそ、森林浴をやって欲しい」そう僕は強く思っています。
では、どんな時代なのか?改めてみてみます。

③VUCAの時代だからこその魅力

 現代はVUCAの時代だと言われます。VUCAとは、Volatility・Uncertainty・Complexity・Ambiguityの頭文字を取った造語です。社会やビジネスにとって、未来の予測が難しくなってることを表してます。一生同じ会社で同じ仕事をしているなんてことなんて想像できない世の中です。組織自体も管理型から自律型へと変化し、上司の指示ではなくあなた自身が選択することを求めらるようにもなってます。何が正解か分からないのに、どうするかを選択することが求められる世の中になってるんです。
 
 一方で、ネットが普及した今は、大量の情報を検索し提示されたものの中から選択することが習慣になっています。例えば、美味しい料理を食べたい時や、どこかに行きたいと思った時も私たちは検索し評価を見てから比較し選択します。検索し正解に近いものを選択する世の中になったとも言えるでしょう。ネットがなかった時代、人間はいろいろな場面で選択をしてきました。書店で本を選ぶとき、出張先で美味しそうな店を選ぶとき、道に迷ったとき・・・ いろいろな場面で、どうするかを自分で選択してきたわけです。
 
 もちろん、自分がこれからどう生きるかを選択するときも。
 
 しかも、今はVUCAの時代です。不意に「これは面白い!ワクワクする!」と出会っているかもしれません。でも、自分の感情に気付かないと、この『面白い』や『ワクワク』を見過ごすことになってしまいます。だからこそ、自分の『面白い』や『ワクワク』ってどんな感じなのか、五感を感じながら自覚しておいてほしいんです。すると、日常生活の中でも身体が反応していることに気付けるはずです。

 想定外の最悪の出来事が起こった場合も同じです。最悪の出来事が起こっても、自分でどうするか選択するしかない。最悪な状態であればあるほど、悪いことばかり想像しがちです。そんな中でも少しでもポジティブに反応することを選択して欲しい、だからこそ、その感情を自覚できることが必要なんです。

 VUCAの時代、ポジティブなこともネガティブなことも含めて何が起こるかわかりません。検索しても正解かどうかもわかりません。ならば、何かの選択をするときは自分に素直になって自分でどうするかを選択することが必要だと強く思っています。

 人類が誕生したのは500万年前。誕生以降、ほとんど森の中で過ごしてきました。きっとDNAの中には、森の中での記憶が刻まれているはずです。だからこそ、時々で良いので森の中に帰ると、自分に素直になれるんです。忙しい毎日を送ってるみなさん、たまには森林を浴びてみませんか?

ABOUT ME
河野 亮二
ニュータイプ林業を目指し、松野町にUターンしました。自伐林業と林業の6次産業化を実現したいです。メーカーで20年エンジニア/マネージャーをしておりました。組織を崩壊させた経験があります。どん底まで落ちましたが、対話を重視した組織開発に特化することでで世界初の技術創出に挑むチームになれました。組織運営を楽しんでいる方、悩んでいる方、お話だけならいくらでも聴きますよ~ そして、今の夢は、森の中で組織開発をしたいです。
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