Column

たてヨコラム

たてヨコメンバーによるフリーテーマのコラム

日本人は本当に〇〇か

脳と心の情熱教室でこんな質問を投げかけられました・・・。

『日本人は、本当に親切か』

みなさんはどう思いますか?なぜそう思いますか?

データーからの考察

その参加した教室で日本人に関するこんなデーターを教えて下さいました。

  • 寄付をしたか:46位 / 126ヶ国
  • ボランティアをしたか:46位 / 126ヶ国
  • 人助けをしたか:126位(最下位)

これは、英国のチャリティーズ・エイド・ファンデーションという団体が毎年、行っている国ごとに「見知らぬ人を助けたか」「寄付をしたか」「ボランティアの時間を持ったか」というアンケートの結果からだそうです。

参考:https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2109/01/news036.html

また、日米比較調査では次の結果が出ています。

  • 大抵の人は信頼できる・・・アメリカ:47%、日本:26%
  • 大抵の人は人の役に立とうとしているか・・・アメリカ47%、日本:19%

これらの結果について様々な意見が出ると思いますが、この結果だけを見ると日本人は仕事以外で社会貢献をせず、人助けしない冷たい人たちの印象を受けます。海外との感覚の違いもあるかもしれません。

いずれにせよ、なぜ結果がこのようになっているのか。日本人は親切だという話はどこへ行ってしまったのか。上記結果を受け入れ、前は親切だったとして話を進めます。

脳科学で考える

脳科学では、人にはコンフォートゾーンというのがあり、この範囲にいるとき人は相手を受け入れ、脳のパフォーマンスも上がります。コンフォートゾーンとは心理的に安心・安全が確保されていて脳がリラックスしている状態を指します。この領域が広がってくると社会貢献や意欲につながっていきます。逆にストレス社会ではそのコンフォートゾーンが狭まり、家族や社会的関係の信頼関係が希薄になります。このコンフォートゾーンを広げていくことで人は幸福感をより得ることができます。

「おや・・・ということは私たち日本人のストレスが増加しているってこと?」

経済の縮小、常識や共通の価値により、なかなか変わらない日本の社会。頑張っても給料は上がらず満たされない社会。会社でも疲弊して、家に帰っても疲弊して・・・。大人たちの不安は子どもたちにもきっと伝播していると思います。大人を見て子どもたちは育ちます。社会貢献意欲がなく思いやりや親切心を持てない人たちが増える社会。かつての日本人にあった利他の在り方は、その人への思いやりからではなく、人とうまくやりたいから、良く思われたいから、そうするのが正しいからなど、心がなくただ形式的なものへ変わっていっているように思います。そんな社会、寂しいですね・・・。でも実際、近所付き合いがなくなったり、人との関係の希薄化が起こり、利益や自身の立場を守るために利己的になっている現状があります。

幸福を感じ意欲を持つにはどうしたらいいか

コンフォートゾーンを増やす(幸福感を感じる)ためにできること、それは、自分や人の幸せを願うこと。相手を信頼すること。

これって簡単そうでできないのです。どうしてかというと嫌いな人への恨みつらみを言うのはすぐできますが、「〇〇さん(嫌い人の名前)幸せでいてね」とはなかなか言えないですよね。でも、そうすることでその相手を自分のコンフォートゾーンに含むことができるのです。

脳は、各部位がつながりを持ちながら働き、思考や行動をすることがわかっています。他人を思いやるとき、優しさが働くとき、活動している脳の場所を『島(とう)』と言います。瞑想でここが活性化することがわかっています。実はこの部位は大脳皮質の奥、前頭葉と側頭葉の間の奥にあります。更に奥にある喜怒哀楽の感情を司る扁桃体とは違う部分です。

人間は自然界で生き残るために集団化し他と協力して生き延びてきました。その時必要になったのが他への思いやりとお互いの信頼関係です。『島』は感情を司る部分とコミュニケーションや論理的思考をする部分のつなぎの部分にあります。人類の歴史は6,500万年。そのうち産業革命からなる現代の文明は、わずか数百年。脳の進化は文明の進化には追いついていない。本来の脳の使い方、あり方に戻すことが私たちの幸せにつながります。

参考:https://toyokeizai.net/articles/-/383379

誰もが幸せになりたいと思っているのに・・・

自分や誰かの幸せを願うことによる脳への影響と、満たされる幸福感。心の中できっと誰もが幸せになりたい、と思っている。そして、まわりにいる人たちともうまくやりたいと。でもなぜできないのでしょうか。

人は、たくさんの鎧を身にまとって自分を守り、殻に閉じこもってしまう。それをしたくてしているけれど、心から欲しているものは違う。心から欲しているものは安心と安全それによって満たされる幸福感。自分や誰かの幸せを願うことは、お金や地位や国も関係なく平等です。そして、さらにそれを行動に移すことができたなら、日本は、世界はもっと変わるだろうと思います。

  < 世界の価値観調査 > 思う、またはできると回答した人の割合

  • 人生は思いどおりになると思いますか — 日本人の58%がYesと回答、残り42%はならないと思っている。
  • 社会の多くの人は信頼できますか — オランダ:58.5%、ドイツ:41.6%、アメリカ:37%、日本:33.7%
  • 外国の人は信頼できると思いますか — オランダ:15.4%、アメリカ:8.1%、日本:0.2%

ネパールと日本の子どもたちの交流から

最後に、昨年ばーりースクールで行なったネパールと日本の子どもたちをつないだ時のビデオを掲載します。イベントはオンラインで行われ、北海道、岡山、東京からも参加してくださいました。それぞれの国・愛媛・今治の紹介、ゲーム、可能性体験ワークと夢のシェアを行いました。子ども同士の夢のシェアと、一人ひとりの可能性を感じる体感ワークのビデオを掲載しています。子どもたちの夢の理由、そこには利他があります。そして、誰かと思いを共有し自分自身を信頼してもらったときの表情をぜひご覧ください。訳の挿入が間に合わず聞き取りにくいところがありますがご了承ください。他の国の子どもたちともつなげて参ります。

一人ひとりの可能性を信じる体感ワーク:

https://drive.google.com/file/d/1y-qbPvMfsh8_8D7CIB5Hs5KCLkNq_oGU/view?usp=sharing

夢のシェア:

https://drive.google.com/file/d/1y-qbPvMfsh8_8D7CIB5Hs5KCLkNq_oGU/view?usp=sharing

夢のシェアと終わりに:

https://drive.google.com/file/d/1y-qbPvMfsh8_8D7CIB5Hs5KCLkNq_oGU/view?usp=sharing

< ネパールの子どもたちの夢 >

  • シンガー : 歌うことが好き。 歌で人を幸せにしたい。
  • 絵描き : 絵を描いてみんなを感動させたい。
  • ファッションデザイナー : おしゃれが好きだから。 おしゃれで人を喜ばせたい。
  • 宇宙科学者 : 宇宙のことを勉強して 役に立てたい
  • 医者 : みんなを助けたい。

< 日本の子どもたちの夢 >

  • 動物園の飼育員 :  動物を助けたいから。
  • オリンピック選手 :  走るのが好きだから。( オリンピックがあったからか多かったです)
  • 人に感謝されることをしたい。
  • 林業の仕事 :  森をきれいにしたいから。
  • 花屋さん: 花で人を笑顔にしたいから。

このイベントは、ネパールのインターネットのパブリックニュース、2社で取り上げられました。

この子どもたちの夢がいつか志に変わりますように。

みなさんの幸せを願って。近藤でした。

ABOUT ME
近藤 久仁子
私が世界の環境問題と戦争、貧困に興味を持ったのは小学校高学年の時。中学生・高校生になるにつれて、なぜ学校ではニュースでやっていることを勉強してないのだろう、もうすぐ一人で住むのに社会で必要なこと学べているのか、と思うように。 子どもたちと世界の問題について考えたいと、大学は教育学部に進学。在学中に小中高の教員免許を取得。しかし、小中学校の実習で学校では教えたいことが教えられないと実感。学校外教育を模索。2009年カナダに短期留学とワーキングホリデーへ。2012年東北へ震災のボランティアへ行ったあと必要性を感じ『忘れない東北被災地プロジェクト』を立ち上げ。愛媛県人8000人・500円の力でカンボジアに学校を建てようプロジェクトに参加。一人一人へ声をかけ3か月で108名の500円を集める。現在ばーりースクールを立ち上げ、仕事の合間に地球と子どもたちの未来をつなぐファシリテーターとして奮闘中。 趣味は、スポーツ、絵画鑑賞、ピアノ、博物館見学、企画すること。 今治在住のフィリピンの友達とのバスケットボールは7年前から。 ネパール支援、ブレインアナリスト、SDGsビジネスマスター(アクションカードゲームクロス)
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