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たてヨコラム

たてヨコメンバーによるフリーテーマのコラム

エッセイ

砂に埋もれた、ウルトラセブンのつぶやき

桜舞う季節ですね。ビジネスや仕事に役立つコラムを書こうと思ったのですが、どうしてもお伝えしたくて今日は下記内容でお届けします。

皆様とシェアしたい浜辺事情

日曜日、今治市波方町にある七五三ヶ浦(しめがうらと読みます)の浜辺で友達とビーチクリーンを行いました。今治市の北西、梶取鼻と鳥鼻にはさまれた静かな入江にあります。

海岸に行って驚いたのは、ペットボトルやナイロン袋以外の小さなプラスティックゴミの存在。流れ着いた木の中に紛れ込んでいる色とりどりのプラスティック。流れ着いたゴミの下に埋もれていたり、挟まれていたり。掘れば出てくる出てくる。拾い出したらその場所から動けなくなりました・・・。

浜辺のいたるところに、まんべんなく見える色は全部プラスティックゴミです。


大量に見つかるのは、直径2㎝程の平べったい真ん中に通し穴が開いた硬質プラスティックゴミと、2~10㎝程の長さの硬質プラスティックチューブです。これら実は牡蠣の養殖で使われるものだそう。それぞれの場所で、いつもビーチクリーンをしているみんなが声をそろえて言います。”どの海岸でも一番大量に見つかるゴミだ”。

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↑ 友達が以前ビーチクリーンで見つけた兵隊人形。いろんなゴミが落ちています。

マイクロプラスティックが問題視されていますね。

見てください。すでに小さくなっているものを見つけました。浜辺の砂と混ざり合い、回収することはまずできません。もともと何十年と使ってきたプラスティック。そこにさらにプラスティックのゴミがやってきて・・・。

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↑ 持っているのはペットボトルのキャップです。

プラスティックのマイクロ化とその広がりは待ったなしです。近くの入り江や海岸でも着実に起きています。

最近『ナノプラスティック』が問題視されているのをご存知でしょうか。

劣化し5㎜以下に小さくなったプラスティックゴミ『マイクロプラスティック』と言います。『ナノプラスティック』とは、その中でもはや肉眼では見えなくなった、分子レベルのプラスティックのことです。

次にそれらが地球環境・人体にどのような影響を与えるのか、詳しくお伝えしたいと思います。

ナノプラスティックの及ぼす影響

1,プラスチック自体が物理的な異物であることによる影響

2018年10月、日本人を含む被験者8人全員の糞便からマイクロプラスティック粒子が検出されました。この調査結果はオーストラリアで開催された胃腸病学会でフィリップ・シュワブルによって発表されました。もうすでにかなりの確率で人が体内にマイクロプラスティックを取り入れていることが明らかになったのです。私たちの体内にもすでに入り込んでいそうですよね。

食物から入るマイクロプラスティックは、おそらくそのまま便として排出されますが、ナノサイズの物は血管を通り抜け様々な体内の器官に影響を与える可能性があります。

例えば、妊娠したお母さんの血液に入り胎盤に到着したナノプラスティックは、胎盤を介した酸素や栄養のやりとりになんらかの影響を与えることが指摘されています。

現在は、マイクロ化したプラスティックが空気中でも確認されており、肺への蓄積による呼吸への影響も心配されます。更に興味がある方はこちらを

https://gyoppy.yahoo.co.jp/featured/177.html?fbclid=IwAR1XVdhPfuID1WsWbj1DFmVj9I6Pe9HaByhl2UjXF4WHSbAChj_mkzpLX8A

2, 加剤やプラスチックに吸着した化学物質による影響

プラスティックには様々な薬が塗られています。それらは人体に入ると毒であるものもあります。また劣化していく過程で環境ホルモンやその他存在する毒性のある物質を吸着していきます。

マイクロプラスチックから検出された環境ホルモンの濃度は、海水中の汚染濃度の10万~100万倍といわれます。汚染物質を吸着したマイクロプラスチックが魚介類や海鳥の消化器官から検出されています。その汚染物質は生物の脂肪に移行し生物濃縮となって蓄積されていきます。

食物連鎖の頂点にいくほど、それらの毒素はより多く蓄積され、私たち人間がそれを食することになるのです。

< 環境ホルモンによる影響の例 >

  • 女性…乳がん・子宮内膜症の増加プラスチックから溶け出したノニルフェノールによって乳がん細胞が増殖
  • 男性…生殖機能低下精子数の減少・精子の濃度低下
  • 胎児…発育異常・知能への影響環境ホルモンは発育初期に大きく関係するため、海(水)中に残留したPCB(ポリ塩化ビフェニル) は知能への影響があるといわれている。

プラスティックは劣化し小さくなっていきますが、生物による分解(水やメタンなどのガス・無機物や別の有機物になること)がなされないため何十年,何世紀,あるいは何千年も海の中に残ると考えられています。

2060年には日本近海のマイクロプラスティック濃度が海洋生物に害を及ぼすレベルにまで達するとする科学者もいます。

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既に世界の海に存在しているといわれるプラスチックごみは、合計で1億5,000万トン。そこへ少なくとも年間800万トン(重さにして、ジャンボジェット機5万機相当)が、新たに流入していると推定される。~ WWF『海洋プラスティック問題について』より抜粋 ~

私たちにできること

上記を防ぐため私たちができること、その一つに地域のビーチクリーンに参加することが挙げられます。

私の友達で時間を見つけてはビーチクリーンをしている女性がいます。彼女はビーチクリーンチーム『EARTH/408(塩屋)』隊長です。

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↑ こちらはあひるの隊長

双海や伊方町など他の町の海岸にも行き、ビーチクリーンをしています。人が来ない入り江や浜辺には信じられないほどのゴミが打ち寄せられているそうです。

ゴミを拾い続けていると腰が痛くなったり、ゴミにきりがないので拾い続けてしまします。しんどくなって長続きしません。拾ったゴミをどうしたらいいか、やりたいけど何かきっかけがほしい人もいるかと。そんな方はぜひご連絡ください。彼女が段取りしてくれます。今回私が参加したビーチクリーンも彼女が設定してくれたものでした。

彼女のモットーは、『気負わずゆるっと楽しく個々のペースでビーチクリーン』散歩がてら。BBQをしながら。時々海をぼ~っと眺めながらみんなでビーチクリーンを楽しんじゃいましょう。

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たくさんのゴミ。東日本大震災の時、毎日全国からボランティアさんが現地入りし散乱したゴミを拾い続けました。あの時のようにみんなでそれぞれの海岸をやればゴミはどんどんなくなります。

そうそう、写真撮るのを忘れたあのですが、ゴミの中から5㎝サイズのウルトラセブンの人形を見つけたんです。(アイキャッチ画像は友達がシェアしてくれたウルトラマン)彼がこう言っている気がしました。

”おれ、ヒーローなんだけどな・・・こんなはずじゃ・・・”

みんなで”セブン・セブン・セブン~♪”の歌を歌ってゴミ袋へ入れさせていただきました。ヒーローもゴミの中じゃあ形無しなのでした。

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日曜拾ったゴミの量 ↓

ABOUT ME
近藤 久仁子
私が世界の環境問題と戦争、貧困に興味を持ったのは小学校高学年の時。中学生・高校生になるにつれて、なぜ学校ではニュースでやっていることを勉強してないのだろう、もうすぐ一人で住むのに社会で必要なこと学べているのか、と思うように。 子どもたちと世界の問題について考えたいと、大学は教育学部に進学。在学中に小中高の教員免許を取得。しかし、小中学校の実習で学校では教えたいことが教えられないと実感。学校外教育を模索。2009年カナダに短期留学とワーキングホリデーへ。2012年東北へ震災のボランティアへ行ったあと必要性を感じ『忘れない東北被災地プロジェクト』を立ち上げ。愛媛県人8000人・500円の力でカンボジアに学校を建てようプロジェクトに参加。一人一人へ声をかけ3か月で108名の500円を集める。現在ばーりースクールを立ち上げ、仕事の合間に地球と子どもたちの未来をつなぐファシリテーターとして奮闘中。 趣味は、スポーツ、絵画鑑賞、ピアノ、博物館見学、企画すること。 今治在住のフィリピンの友達とのバスケットボールは7年前から。 ネパール支援、ブレインアナリスト、SDGsビジネスマスター(アクションカードゲームクロス)
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