Column

たてコラム

たてヨコメンバーによるフリーテーマのコラム

エッセイデザインビジネスマーケティングライフスタイル

あなたのアイデアがつまらない理由

「じゃあまず、お医者さんごっこをしよっか」
”ザワザワ”したあなた。

きっと、あなたのアイデアはつまらないんだろうなと容易に推測する。

きっとあなたは、こう思考したのではないだろうか?
白衣やナース服、聴診器に、注射器などを準備して・・・
・・・もう止めておこう。大人の人達に怒られかねない。笑

俺様が天才なのだから、
愚民共がつまらないアイデアになるのは当然のこと

私はクリエイター(デザイナー)という職業柄、良くも悪くも常に「アイデア」を要求され、その「アイデア」で日銭を稼いで生きている。こうして日々の生活ができてるって事は、どうやら私の出すアイデアは、人々にとって高価値であり、好意的に受け取って貰っているらしい。

  • 「なんでそんなに面白いコト思いつくか?」
  • 「天才ですね」
  • 「頭の回転が速い」
  • 「視点がすごい」
  • 「そんなこと思いつきもしなかった!」
  • 「色んなことを本当に良く知ってますよね!」

当然である。私、山田敬宏は天才なのだ。なにも不思議なことは無い。
私自身、一般人のように振る舞い、いくら気配を消そうとしたとて、みんなが羨望のまなざしで私の斬新なアイデアを待っている。
この事実はもはや隠せまい。

つまり、凡人のあなたのアイデアがつまらないのは、しょうが無いのだ!

・・
・・・
・・・・
・・・・・
・・・・・・。

いや、その。
・・・・・・・真には受けないでください。😅

もちろん、知人の中に「この人には絶対に敵わない!」と思う天才はいる。でも、残念なくらい私もあなたも、基本的に凡人なんだよねえ。実は。

「発想法」ってのがありまして。。。

マインドマップやKJ法など聞いたことはあると思います。
いわゆる発想法として様々な本やWEBで紹介されている鉄板中の鉄板なのですが、これ以外にもアイデアを出すためのフレームワークは数多く世の中に紹介され、触れたことがある方も多いのではないでしょうか?

が、これらを使って「個人」が面白い発想ができるかというと、わたしは「微妙」だと思っていて、どちらかと言うとこれらフレームワークは大企業の中で生み出される側面もあって、どうしても「複数の人間」が集まって行うことを前提としている気がします。

きっと、「個人」が創造できる面白いアイデアってのは、もっと普段の生活の中に存在する脳刺激の沢山蓄積から出てくるものだと思っていて、完全なる手ぶらでフレームワークに頼って、面白いアイデアが出るのなら誰も苦労はしないと思います。

じゃあ、どうするのか?

たてヨコ愛媛のメンバー全員がすごいアイデアを出せる様になってしまうと、私はおまんま食い上げになってしまう。しかも県内クリエイターへの要求のハードルが上がりそうですが、ここは1つ! 愛媛がもっと面白くなるために、私自身が30年のクリエイターとして培った面白いアイデアを出す為の【テクニック】【遊び】を紹介してみようと思います。

【テクニック】と【遊び】

あー、ええのかなあ。秘密にしておいたほうが、良い気がする。
でも、愛媛が発想の宝庫みたいになるのは面白いなあ。。。
うーん、このジレンマ!

私の思考やアイデアを出す場合には、ある種の【テクニック】と、普段の【遊び】から生み出されていることが多々あります。

まず、皆さんに問います。

あなたはアイデアを出すときに、「誰」になってますか?

あなたは「誰」になってますか?

デザイン思考やデザインシンキングという言葉はご存じだと思います。
ここ数年、ビジネスシーンで良く耳にした言葉ではありますが、約30年前のプロダクトデザイン教育では既に「コトのデザイン、モノのデザイン」という言い方で、存在していた概念がベースになっていると思います。

言葉の定義はさておき。
森羅万象、世の中のほとんどの事象は、どの立場(視点)になって全体を俯瞰するかによって大きく印象も見方も、時には目的や手段も変わって見えてます。戦争すらそうですよね。

もう一度問います。

あなたはアイデアを出すときに、「誰」になってますか?

多くの方は一人称。つまり、「私(自分)」のままなのではないでしょうか?

一人称視点」は実体験に基づく強い裏付けをもってアイデアを出すことができる反面、一人称からの狭い視野になり、その実体験が奇異なものでなければ、既視感のあるアイデアになりがちです。

だから、あなたは「アイデアが面白くない」=「アイデアを出すのが苦手」と思ってるのではないでしょうか?
そりゃ、あなたがトリッキーな人生送ってない限り、無理な話です。笑

私はアイデアを出す時に常に、「誰か」を演じています。
多人称視点」とても言いましょうか。

思考する時、頭の中で誰かになりきって、
「わしがこの場合、ここがわからんって思っとる」
「あたしゎ~、そんなのあったら絶対インスタで自慢する~」
「こんな条件あれば、サラリーマン人生、楽しくなるやん?」
などとその場面に応じた人を頭の中で演じ、その人の視点から全体を俯瞰してみています。

「じゃあ、お医者さんごっこをしよっか」

一番始めにも提案しました。
これはなにも「プレイ」ではなく、脳内でシミュレーションをすること。

医療器具のデザインや医療システムの改善、病院の在り方、医療業界自体のDXをはじめ、医療関連の小説や、医療関連のイベントなどの話をしているのに、なぜ「一人称視点」でその場に「自分」の視点だけを設置するのでしょうか?

むしろ、お医者さんごっこをきちんとして、彼らが朝何時に起きて、どう通勤して、いつ白衣に着替えて、ご飯食べて、どんな車に乗って、どんな靴を履くのか、その医療機器の操作は誰にどう指示するのか? カルテはどう書くのか、ペンは? 修正時は? デジタル? アナログ?

「私(自分)」の一人称視点で思考すると、医療現場の現実とかけ離れた、どこかで見た既視感のあるアイデアを、あたかも自分のアイデアかのように錯覚をして落とし所を探り、そこに落とし込む作業になってしまいがちです。だからつまらない。

お医者さんごっこを本気でできなければ、そこに新しい視点、アイデアは生まれないのです。


だから、クリエイター(デザイナー)は依頼主へのヒアリングを徹底的にします。ヒアリングができないデザイナーはつまりはそういうことで、セブンイレブンのコーヒーマシンのような話になってしまいがちです。デザイナー本人の一人称視点を依頼主へ押しつけ、依頼主は良い悪いの判断を相手に委ねた結果だと言えますよね。

では、誰を演じるのか?
それは同じ案件に対して関係しうる色んな立場の人を演じてください。
例えば、たてヨコ愛媛自体の在り方を考えるとき。「ユーザー」と言っても多種多様ならば、あるときはエンジニア、あるときは経営者、あるときは学生、あるときは主婦、あるときはお父さん、あるときは税理士、あるときは記者、あるときは行政マン、あるときは小説家、あるときは40歳男性、あるときは女子中学生、あるときは。。。。

頭の中で、ごっこをする。演じる。
これが凡人の私が違う視点から発想する事が出来る種明かしになります。

はじめは難しかもしれません。
もっというと、演じる為には次の【遊び】が不可欠になってきます。

山田は結構、嫌な奴なんです。笑

次は【遊び】の話。
「沢山面白い経験をするためにどんどんレジャーなどで遊びに行こう!」ってな話では一切ありません。

私は一部の方は既にご存じだと思いますが、結構、嫌な奴なんです。
なぜかというと、私はある種の癖で皆さんのこと含めて街に居る人々を、プロファイリングしてます。

まずは年齢、性別、職業、業種、性格。これは誰でも無意識に認識してますよね。
私の場合は、服装とそのブランドや素材感、所作、癖っぽい動き、読んでいる本、その時に手にしてる携帯の機種、画面に表示されてるアプリ、持ってる鞄、スーツの男性だと襟章、買い物してる内容、靴、化粧、爪の長さ、ネイルの有無、アクセサリーの大きさ、髪の色、知人と話してるなら方言、言い回し、声色、タイピングの早さやマウスの使い方、しゃべり方の癖や思考、お住まいのエリア、環境、家族構成などを会話の中から聞き取ったり、飲み会の席で1杯目は何呑んで、その後どの程度のペースで呑んでるとか、注文するお料理の内容とか、周りへの配慮とかほかにも。。。

あー。この話をこのまま進めると、確実に友達を無くすパターンなのでは。。。
つねに、常にじゃないんです。ふとしたときに、そう見てたりするだけで!!個人に執着する訳ではないですから!っと言い訳しておきます。

ですが、これが大前提。本気でごっこをするための「情報の蓄積」になります。
世の中にどんな人がいるのか。どういう傾向があるのかなど。
とにかく、人を観察して、自分の中のある人の虚像をリアルにしていく作業。

そして、それら情報を使った【遊び】の部分はここから。
先ほどまでに観察してきた情報を元にして脳内妄想で遊びます。

「あなたは銀天街を歩いています。」

なにをやるかというと、「街でたまたま居合わせた人を俳優に見立てて、物語を作る」と言う、脳内妄想を行います。

場所は銀天街でもショッピングモールでも、通勤の車の中からの景色でも横断歩道の向こう側でもいいです。

まず、その場ですれ違う人、周りで併歩する人お店の店員さんなど、見えてる人をランダムに10人程度選んください

上の写真であれば、この中に写ってる人を観察して、それぞれに配役をし、勝手に人間関係を作って、物語をつくってしまうのです。

前の真ん中のカップルは会社の同僚、A美B貴。白いシャツのA美の方が会社では先輩だけど、休日2人の時はタンクトップのB貴がリードしたがるのを、すこし面白がって歩いている。

その左後ろにいる黒の上下の彼はC泰、B貴とは高校からの親友で、今日はこれまた高校からの友人であるD里をつれて、こっそり後ろをつけてきた。

すると、白いポロシャツに茶色のパンツ姿のE吉が突然、B貴に声をかけてきた。妹、F香の彼氏のはずのB貴がなぜか、別の女性であるD里と歩いてることを問い詰めようとする。

それを聞いた、一番後ろのF香が慌てて兄であるE吉を止める。
F香は知っていたのだ。今日が何の日なのかを。

そう、今日はB貴がA美にサプライズ告白をするために、高校時代からの友人達が隠れて準備していることを。。。

みたいな?😅

たまたま、目の前に歩いてる人の仕草、持ち物で何歳くらいのこんな職業で、家族構成は。。。という風にその人の風貌や動きなどから、それぞれの人に配役をします。

実際はもっともっと具体的に人間関係から物語を脳内妄想で描いています。

いま、あなたが抱えてる案件や課題があるのであれば、それを主の題材としても良いです。新しい事業を立ち上げるなら、その事業サービスを受ける人達の設定とか。

エミフルなどで家族の買い物を待ってベンチで座ってる時などYoutubeばかり見てないで、是非やってみてください。

私は関西在住の頃は、しょっちゅう電車の中で目の前の座ってる人達でやってました。酔っ払って最終近くで帰る時のほうが面白かったのは言うまでもありませんが。

アイデア出しだけではない「多人称視点」

この疑似デザイン思考とも言える多人称視点って、アイデア出しだけではなく皆さんの日常生活の中で影響してくると思います。

たとえは、プレゼン資料の作り方や営業報告書会議資料の作り方。「会議で必要な書類」なんてものはこの世には無くて、「会議で『相手を説得・納得して貰う為に』必要な書類」が存在することに気がつくと思います。
他にも料理の盛り付け写真の撮り方など。日常で発揮できることが多々あります。

今回は、「面白いアイデア」を出すために「多人称視点」で脳の立ち位置をずらすテクニックとそのずらすための知識を得る方法。私のクリエイターとしての思考の根幹部分をご紹介しました。たてヨコメンバーであれば、きっと直ぐに体得しちゃうんだろうと思いますし、なにより、それでたてヨコ愛媛、しいては愛媛全体が面白くなる切っ掛けになればいいなと思ってます。

詳しく知りたい方は、お声がけください。
もっと真面目にご説明します。笑

↓たてヨコメンバーの方々はこちらでコメントをお願いします!

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ABOUT ME
山田 敬宏
大学卒業後、メーカー・デザイン事務所勤務を経て、1999年「有限会社リプル・エフェクト」、2017年「株式会社リプルエフェクト」を設立。東京・大阪・愛媛の大小様々な企業の製品開発やブランディング、デザイン、ビジネス創出など、デザインコンサルティングとして「0 to1」業務のブレインを担当。 国内をはじめ、世界3大デザイン賞やビジネスコンテストのグランプリなどを多数受賞。 ビジネス デザイナー / デザイン ディレクター / 製品開発・プロダクト デザイナー / UX・UIデザイナー 【主要受賞歴】 2009 第10回シヤチハタニュープロダクトデザインコンペティション 美術出版社賞 2011 日本空間デザイン協会 ディスプレイデザイン協会特別賞2011 地域賞 2013 大阪市都市計画局 第2回ものアプリハッカソン 優勝・オーディエンス賞 2014 TechCrunch Hackathon Osaka 2014 株式会社ゼンリンデータコム賞 2015 キッズデザイン賞 2016 iF Design Award 2016 金賞(ドイツ) 2017 German Design Award 2018 受賞(ドイツ) 2017 Challenge IoT Award 2017 四国大会 優勝 2018 IAUDアウォード2017 銀賞 2018 関西ものづくり新選2018 選出 2019 International Design Excellence Awards(IDEA賞) 銅賞(アメリカ) 2019 令和元年度 大阪製ブランド認定 2020 第39回愛媛広告賞 その他部門 最優秀賞 【講師・コーチング】 ヒューマンアカデミー大阪校 非常勤講師(2000~2017) 大阪大学 先端教養課程 非常勤 (2015~) 河原学園 河原デザイン・アート専門学校 講師(2018~) StartupWeekend (愛媛・香川・広島・立命館大学など)コーチ (2018~) 【審査員】 Startup Weekend Ehime vol.4 審査員 (2018) StartupWeekend 大阪@立命館大学 審査員(2018) 【講演・セミナー】 クリエイティブビジネスフォーラム - ツムテンカク(2014) ODC SEMBAサロン 7th「Design Trend Story Vol.3 −それぞれが注目する世界トレンド−」(2014) AED-LABO SPECIAL SEMINAR「価値を上げるUIデザイン入門」(2016) 働き方改革「ワークセレクト」(2017) 【メディア】 ひめポン! NHK総合(松山)(2019) ラジオまどんな NHKラジオ第1(松山)(2019) その他、主要全国紙、愛媛新聞、愛媛経済レポート・各種雑誌など多数