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「越境」が、医療を変える。日本を変える。

 こんにちわ。

 県内で臨床工学技士をしている岡田未奈です。

 新型コロナウイルス感染流行により、その治療に必要な人工呼吸器や人工心肺装置(ECMO)というような医療機器の名前を耳にすることが多くなりました。私たち臨床工学技士は、「医学」「工学」方の知識を有し、生命維持管理装置をはじめとするさまざまな医療機器の操作・管理を担う「いのちのエンジニア」として臨床に携わっています。

 「医療」という分野は専門性が高く、その知識と技術の向上を図るには弛まず継続的な努力と向上心が必要になります。その一方で「それ以外のスキル」が圧倒的に足らないのも医療に携わる人間の特徴です。その理由に、医療業界が閉鎖的集団であること、またその世界に生きる医療従事者が、医療独特の文化、価値観、立ち居振る舞いを疑問に思わない環境にあることなどが挙げられます。

医療の世界にある「潜在的なヒエラルキー」が生む弊害

 医療の大原則として、最終的な医療行為の決定権は「医師」にあります。それゆえ、日常的に「医師からのトップダウン」で業務に臨む医療従事者は、主体的に仕事に取り組む力が養われにくい環境にあります。もっとも、医療従事者自身がこの「公式的な縦型組織」に甘んじている側面もあることは否めません。

「先生の指示だから。」
「医者が言ったもん。」

 責任転嫁にも思える発言ですが、医師の裁量権はどの医療従事者のそれよりも大きいものなのです。

「チーム医療」。その本質の「闇」とは?

 ボトムアップの習慣がない医師以外のコメディカルに加え、主治医制である医師は自身の経験的判断を重視することが多く、共同意思決定が不慣れ。医療現場で求められている「チーム医療」の本質は所詮、「指示内容の合意」に基づきます

 すべての医療従事者にあてはまるとは言い切れませんが、医療業界は「協力的相互関係」ではなく、「身分的関係」に彩られた世界。医療従事者は、自身らの役割やアイデンティティに危機が生じやすい環境にあると言えます。

 このような医療業界独特の背景から、医療従事者は自身らの職務に対して「やらなければならない(MUST)」という独特の聖職者意識が存在します。 

 今後、あらゆる医療従事者があらゆる社会課題と向き合いながら持続可能な働き方を目指すには、医療従事者自身の「やりたいこと(WILL)」「できること(CAN)」のバランスも保ち、具現化していくことが重要だと私は考えます。

後半では、その解決方法についてお話します。   つづく>>

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ABOUT ME
岡田 未奈
愛媛県松山市出身の平成生まれ。 「いのちのエンジニア」である臨床工学技士として県内の医療施設に従事。人工透析を主業務として、呼吸治療、心血管カテーテル治療、不整脈治療、医療機器管理などを兼務。 一方で、『医療にDESIGNを。』をコンセプトとしたパラレルワーキングをしており、ライター、グラフィックレコーダー、プレゼンテーションデザイナーなどマルチクリエイターとして多彩な顔を持つ。