SPCの大美です。前回の記事「ドローンと法律のビミョーな関係」の反響、正直驚いております。
なんせ、ドローン体験会を主催したり、学校での空撮イベントを実施したり、そして体験会参加者が続々とトイドローンを購入したり…ドローンへの興味喚起と社会課題解決の手がかりとして、少しでもお役に立てたことがとてもうれしく思います(特にロゴまで作っていただけた山田さんには最大級のリスペクト!)。
というわけでそんな私が次にお届けする記事は、VRです(ドローンちゃうんかーい)。
VRって?
さてVR。正式にはVirtual Reality(バーチャルリアリティ)と言います。日本語訳では仮想現実、ですね。その場にいなくてもその場にいるかの様な体験ができること、全般がVRです。
で。VRって具体的には何なん?ってことですが、主に視覚と聴覚のVRがあります。触覚・味覚・嗅覚はなかなか実現が難しいですもんね(開発は進んでいる様ですけど、脳に電気信号流して騙くらかすのが一番手っ取り早いかも…おっと脱線しました)。
さて人間の五感における知覚の割合をご存知でしょうか?
下のグラフをご覧ください。
視覚:83%、聴覚:11%、嗅覚:3.5%、触覚:1.5%、味覚:1%、と言われています(『産業教育機器システム便覧』(教育機器編集委員会編 日科技連出版社 1972))。
つまり、人間が受け取る情報は、視覚だけで8割を占めています。ってことは、視界さえ十分な解像度で提供すれば現実か作り物か、区別がつかなくなっちゃう!ということです。
人間って、意外とオバカです(笑)。
VR画像はヘンタイ画像
さてそんな視覚に特化したVRですが、楽しみ方はちょっとコツがいります。
というのも、VR=360度の視野をもつ写真は、こんな感じに写ります。
はい、メルカトル図法で描かれた世界地図みたいですよね。上(北)と下(南)がつながっていて、右(東)と左(西)がつながっている。こんな写真になります。
こちらの写真、正距円筒図法(=エクイレクタングラー)という映像形式です。自分を中心にした360度の球の表面(=景色・風景)を円筒形に広げた写真なんです。
でも…はっきり言って、訳わからないですよね。こんな写真見せてもらっても「ヘー、ふーん(興味なし)」でドン引きされるのが目に見えてます。
そこで!同じ元画像から実はいろんな楽しみ方ができるんだよ〜!ってことをご紹介します。
VRを楽しむヘンタイツールたち
まずは…プログラムでグリグリ回せる様にしたのがこちら!
画像の上でドラッグするか、タップしたままグリグリと動かしてくださいね。
愛媛県鬼北町の道の駅、広見森の三角ぼうしにある鬼のオブジェ。 名前を「鬼王丸」と言います。日本で唯一、市町村名に「鬼」が付く鬼北町の町おこしを目指してつくられた像は、竹谷隆之氏がデザインし海洋堂が制作。圧巻の迫力です。 – Spherical Image – RICOH THETA
RICOHのWEBサービスにアップすると、HTMLソースコードが提供されるので、サイトにYouTube動画を埋めこんだような表示ができます。
ちなみに、FacebookやLINEなら、先ほどのエクイレクタングラーの画像をアップするだけで、自動的にグリグリ回したりスマホを動かしてその向きの映像を見ることができます。便利ネ。
次は…自分を中心にした小さい惑星みたいな写真!
リトルプラネット(=小さい惑星)、と呼ばれています。
面白い表現ですね。逆のパターンで、空と地面をさかさにすると…
こうなります。これもまた面白い表現になりますヨ。
まだまだありますよ〜360度、すべての景色が写っているということは、好きな画角を切り出すこともOK!
はい、超広角写真のできあがり。こんな広角写真撮るには、べらぼうに高いレンズを買わなきゃムリっす。
でもって今度は…アニメーション!
見たい場所、見せたい場所を自動的に移動するアニメーションをつくれます(スマホアプリで)。つくったらあとはSNSでシェアしちゃいましょう♪
あ、そうそう。エクイレクタングラーの写真をGoogleマップにアップすると、全世界で公開できます。
そう、自分が撮った全天球写真が、ストリートビュー的に使っていただけるんです、全世界で(笑)。
ちなみにここまでは静止画をベースにした楽しみ方でしたが、もちろん、VRには動画もあります。
しかもYouTubeとFacebookは、360度動画を認識してくれて、自動でグリグリ回せる様に再生してくれます!
余談ですが、YouTubeライブ配信は、VRにも対応してます。一度イベントとかで360度動画配信もやってみたいですね。
で。動画も360度、すべての空間が写っているということは…好きなシーン・好きな画角へ視線移動させたり再生速度を変更した映像を作ることもできるんです!
それが…こちら!
複数のカメラを同時に録画しながら移動しつつ撮影して後から画角を変更する…ってことが一つのカメラとスマホアプリでできるんです。へ〜へ〜へ〜。
VR画像を撮影するヘンタイカメラ
VRっていうと目の前にでっかい水中メガネ(=ゴーグル)つけて映像を見るってイメージがありますよね。
確かにゴーグルつけると没入感ハンパなくて現実との区別がなくなっちゃうんですけど、楽しめるのって一人だけなんですよね。
その空間にいたことを知ってほしい
その空間を他の人にも楽しんでほしい
新しい表現として面白がってほしい!
という人は、こんなVRの楽しみ方もあるってことを知ってほしいと思います
さてそんなVR映像を撮影するには、ちょっとヘンテコなヘンタイカメラが必要です。
それではご紹介しましょう!ヘンタイカメラさんです!
RICOH THETA V
シャッター一回ですべての空間を写し止めることができる、コンシューマー用全天球カメラのパイオニア。この機種はスペックアップした上位版。
静止画はもちろん、4K動画に空間音声も撮影可能。ちなみに最上位機種THETA Z1はレンズに改良を加えてさらに高画質化&高価格化(欲しい)。
静止画のスペックが同等でお求め安いTHETA SC2もあり。
不動産業界やハウスメーカーさんで多数導入されています。
Insta 360 EVO
THETAが「その空間を丸ごと記録する」ことを目指しているのに対し、Insta360シリーズは「空間での体験をより面白い映像表現に昇華させる」ことに特化。
そのため、多彩な表現ができるようにアプリの機能を充実させています。
こちらの機種は折りたためば360度VR、パカッと開けば180度VR=立体視映像を作り出せるようにした、ヘンタイカメラの極みです(ほめてます)。
最近は分離合体ロボのようにアクションカムにも360度カメラにも変身する「Insta 360 One R」が人気です。
VECNOS IQUI
名前が読めません(笑)。「ベクノス」の「イクイ」という新しいヘンタイカメラ。ちょっと太めの万年筆のような本体に、なんとカメラが4つついたヘンタイぷり。
RIOCH社内のTHETA開発コアメンバーたちが社内ベンチャーで独立して生み出した、新しいカメラがコチラ。今月10月に発売になったばかりの新製品です。ちなみに私、このIQUI発売記念に開催されたフォトコンテストで入選(日本から10作品、全世界で計50作品)し、新機種をいただきました(感謝)。
リリースされたばかりでまだまだ機能が不十分だけど、今後に期待大。
ヘンタイを楽しもう!
とまぁVRについていろいろ熱く(暑苦しく?)語りましたが、
今、CMでも5GだーVRだーって、いろいろ言っております。ドコモにauにソフトバンクに…。
通信速度が速い5GがなければVRが楽しめないってことはないですが、これから5Gが浸透する2年の間に、VR体験っていうのはごくごく当たり前になると思います。
その時に多くの人に自分が撮影した写真や動画のコンテンツを楽しんでもらえるように、今からVRに興味を持っていただけるとありがたいです。
「VRって意外と面白いやん」
「こんな写真表現、楽しみたい」
「VRでライブ配信とか面白そうよね」
そんな方はぜひお声がけください。「体験会してくれ!」なんてリクエストもウェルカムです。
SCMY PJ(Smart City Mastuyama Project)で、手ぐすね引いて待ってます(笑)。