会社でも個人でも、一人で100%完結する仕事は世の中には無く、何かしらの関係性の中で始まり、進行し、構築され、利用されていきます。
この書籍の副題として書かれている「ダイアローグ アンド ナラティブ」の「ナラティブ」とは、一言で表すと「解釈の枠組み」。
例えば企業でありがちな「開発部と営業部の意見の不一致」や「経営者と従業員の視座の違い」など、悪い言い方をすると「あいつはわかっていない」というやつですね。
仕事で起こるトラブルの多くはコミュニケーションに起因する。とよく言われますが、そのような「考え方の違い」は、よくよく聞くとどちらの意見も「正しい」事が多く、この書籍ではこのような「モノゴトに対する考え方、捉え方はそれぞれ違う」という解釈(ナラティブ)を認めた上で、どちらか片方に寄せるのではなく、橋を架けるための4つのプロセスについて書かれています。
人間関係の課題に多く当たりがちなマネージャー層以上の人はもちろん、経営層の方や多くのビジネスパーソンにおすすめしたい一冊です。
他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 (NewsPicksパブリッシング/Amazon
この書籍に出会ったきっかけ
私自信はWebサイト制作を中心としたビジネスに関わっていますが、企業や自治体のサイトを制作していく中で、対象となる組織や従業員の方が世の中に提供する価値や本質について考える事が多くあり、その中で経営や組織デザイン、組織マネジメントについて学習を進めている間に出会った「ナラティブ」というキーワードについて理解を進め、この書籍に出会いました。
最終章に綴られた著者である宇田川元一氏ご自身の体験と考察、この書籍をつくるに至る背景を読むと、胸が熱くなります。